国際エキュメニカル平和会議(IEPC)が18日から25日まで、ジャマイカキングストンにあるウェストインディーズ大学モナキャンパスで開催されている。世界教会協議会(WCC)はIEPCの活動の一環として「すべての暴力を克服する10年(2001~2010)」(DOV)での活動を行ってきた。今回の会議ではDOVの10年間の活動を振り返るだけでなく、具体的に今後各国政府や社会に対し非暴力のためどのような働きかけを行っていくべきかが議論されている。
22日主日には、世界正教会信徒の精神的指導者であるコンスタンティノポリ総主教からメッセージが届けられた。総主教は「平和の主の信仰ある使徒たちとして、私たちは暴力と戦争を否定し、その代替となる行いを継続的に伝えていかなければなりません。人間同士の摩擦は避けられがたいものかもしれませんが、戦争と暴力は避けられます」と述べた。
IEPCには世界各国100教会以上から1,000人以上の参加者が集い、共同体における平和、地球との平和、市場での平和、社会の平和について議論がなされている。総主教はIEPC参加者らに対し、「これほど多くの人間を同時に殺害することができるような時代は未だかつてなく、これほど広範囲に地球環境を破壊できる立場に人間が置かれた時代も未だかつてありませんでした」と述べた。また私たちが浪費や欲望をかき立てる生き方を回避しなかったため、平和構築の多くの努力の実が結ばれていないことも指摘し、「平和構築において、私たちが貧しい人々や地球環境のために影響のある行いをすることが不可欠です。それゆえ正義なくしては平和は成り立たないのです」と述べた。
会議参加者らが平和構築のための妨害となる多くの問題があることを認識する中、ジャマイカのミュージシャンらが礼拝中の賛美のムードを盛り上げた。主日の礼拝は神様への賛美の声を伝えるのと同時に、平和構築のため諸教会が一つになる希望の声も伝えられた。
積み重なる多くの平和構築への問題に対処しようとする中、ジャマイカユナイテッドチャーチのラルフ・ホイト牧師は「今は足を動かしましょう。ジャマイカに居られるのであれば、声だけでは喜びを伝えられません。ステップを踏んで、体を動かしましょう」とジャマイカならではの踊りを楽しむように参加者らを促した。クリスチャンとして、会議の問題を自分の考えに捉われず、主に祈りながら解決すること、また体全体を動かし主に喜びを精いっぱい表現することの大切さをジャマイカならではの文化で参加者らに伝えられた。
子どもたち・女性・男性・青年それぞれの平和を祈った後、バプテスト世界連盟(BWA)のバイスプレジデントを務めるバーチェル・テイラー博士がメッセージを取りついだ。テイラー博士はマルコの福音書4章35節に書かれてあるイエスと弟子たちが群衆を離れ向こう岸へ渡った場面を引用し、「弟子たちは福音を伝えるため向こう岸に困難を乗り越えて渡らなければなりませんでした。私たちの生活も多くの乗り越えなければならない障害に囲まれています。人と人を線を区切って差別し、その生活の犠牲を無視するような姿があります。そのことによって人々の間の不信感や敵意が自然と高まっていくようになります。世界平和を実現するために、このような障害を乗り越えて向こう岸に進んで渡っていくことが、平和構築者たちに必要です。私たちはイエスキリストにある神の福音によって回復された人間性に基づき、これらの障害を乗り越えていくことができます。法的な障害、人種・国・倫理観・社会・経済・文化・生物・政治思想・宗教などの多くの障害があります。このようなことを理由に人々を差別し、ある人々を劣等者とすることである人々が優越感を得るようになります。この様な風潮が支配的な世の中において、私たちクリスチャンが平和に生きる人々として、これらの障害を乗り越える者として力強く証ししていかなければなりません」と述べた。
参加者らは、家庭において、共同体において、そして世界において平和のための新しい秩序を伝える生ける証人となっていくことを誓った。バーチェル博士は、参加者らがそれぞれの国へ帰国した後に待ち受けている諸課題に果敢に取り組むべく「平和の使徒として、向こう岸へ渡りましょう」と促した。
ローマ教皇ベネディクト16世も22日、サン・ピエトロ広場からIEPCの開催に祝辞を伝え、あらゆる暴力が地上から無くなるように祈りをささげた。広場に集った3万人の信徒の前で、ローマ教皇は、世界に正しい平和が成される道を模索するためにジャマイカに集った1,000人以上の参加者らの働きを称賛し、「この高貴な働きのために、家庭内・社会・国際社会での暴力が無くなるために共に祈りましょう」と述べた。
IEPC参加者らは世界の諸問題に直面する中にあって、教会が一致してどのような働きかけを成していくことができるかについて議論を行っている。24日には平和構築のために世界諸教会が一致して発していくべきメッセージを発表する予定である。
23日午前に行われた全体セッションでは、広島の被爆者セツコ・サーローさんが、原爆の恐ろしさを伝えるビデオメッセージを会場に届けた。参加者らは核の恐ろしさを改めて認識し、核軍縮に向けたアプローチ、教会が伝えていくべきメッセージを議論した。また世界各国の暴力・軍事衝突問題において、事の本質は不平等な人間の扱いにあり、また暴力の背後に押しやられている女性の役割・女性の発言権を高めていくことで平和的和解への道が開けていくのではないかとの提案がなされた。
世界諸教会がひとつになって声を発していくことで、時に武力での解決の道を選択する国連により神の御言葉において正しい解決法を導いていくことが可能になる。諸教会がひとつになり、神の御心に沿った平和構築のための力強いメッセージを発していくことが期待されている。
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