Skip to main content
2025年11月1日17時24分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 社会

声なき『平和への誓い』 長崎平和公園で

2003年8月9日08時08分
  • ツイート
印刷
+

9日、58回目の「原爆の日」を迎えた長崎。平和公園で開催された「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」では、ろうあ者で長崎市在住の山崎栄子さん(76)が、「平和への誓い」を全身で呼び掛けた。声なき叫びに参加した人々は心打たれた。

「平和への誓い」の全文は次の通り。

皆さん、私の話(手話)を聞いてください。
私は、生まれた時から耳が聞こえない、言葉が話せないろうあ者です。昭和20年8月9日、一番、おしゃれをしたい年ごろの18歳でした。
その日、私は、爆心地から北に6キロほどのところの疎開先の時津町で、バラックの家を建てる両親の手伝いをしていました。
11時ごろ、少し疲れ横になった時、突然目の前が明るくなり、オレンジ色の光を放って広がるものが見え、直後にものすごい勢いで床にたたきつけられました。
いったい何が起きたのか、その時は恐怖よりも驚きのほうが大きかったのです。
夕方、両親と私は山里町の自宅へ戻ることにしました。家には3歳年上の姉が待っているはずでした。道ノ尾から先は道もなく、線路を伝って歩きました。川のかたわらに、顔や首の皮がはがれ、足をガクガク震わせながらたたずんでいる人がいて、水が飲みたかったのでしょうが、焼けただれた腕は伸ばすことができません。顔がゆがみ、引きつった唇が何かを訴えようとしていました。
母が、身ぶりで、「イタイ、イタイ」と言っていると教えてくれました。もちろん、耳が聞こえない私には、原子野をさまよう人たちのうめきもなにも聞こえません。音というものが私にはわからないのです。時々父と母が何かを話し合っていますが、私にはなにが起きたのかわからなくて、頭の中はボーとしたまま見ているだけでした。
私たちの家は爆心地近くの山里町にありました。それは押しつぶされ、残がいの奥に赤い炎を残してくすぶっていました。母はきっと姉の名前を呼びながら姿を求めていたのだと思いますが、私は声を出して姉の名前さえ呼ぶこともできず、ただオロオロしていました。
突然、うつぶして両の拳で地面をたたきながら泣く母の様子から、私は姉の死を悟りその背中に覆いかぶさって大声で泣きました。夜になって、ようやく道ノ尾に帰り着いた時、浦上の真っ黒な空からは想像もできないきれいな星が輝いていたことが今も忘れられません。
私たちろうあ者は家庭にあっても、日常的な会話のほかは、ニュースやうわさ話から遠ざけられて、ぽつんと孤立した状況にあります。そのため、詳しい情報は伝えてもらえないまま月日が過ぎ、信じられないでしょうが、私は原爆をずっと大きな爆弾と思っていました。終戦から1年たったある日、偶然に見た写真展で、それが実は「きのこ雲」の形をした「原子爆弾」だと知りました。
さらに、被爆者が後遺症に苦しみ続けるといった詳しい被害の状況を聞かされたのは、それから随分たってからのことでした。ろうあ者は長い間、原爆の実態を知ることからも閉ざされていたのです。
被爆から58年が過ぎた今日、皆さんの前で、こうしてろうあ被爆者の苦しみを訴えることができて感無量の思いです。同時に、文字どおり、何も語らないまま亡くなっていった仲間たちのことを思うと涙が止まりません。
大切な家庭や親せき、友を一瞬にしてなくした苦しみと悲しみを乗り越え、今、こうして生かされている私にできることは、既に亡くなった多くの、ろうあ被爆者の仲間たちに代わって、この目、肌で感じた58年前の出来事を語り続けることです。
いつまでも、世界平和を祈り、この命が続く限り戦争の悲惨さと平和の尊さを次世代の1人でも多くの人たちに、語り(手話)続けていくことをここに誓います。
平成15年8月9日  山崎栄子

  • ツイート

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 花嫁(36)薄明かりの祈り 星野ひかり

  • ワールドミッションレポート(10月31日):エジプト 福音の力—何世代にもわたる暗闇を撃破(1)

  • ワールドミッションレポート(11月1日):コンゴのルワル族のために祈ろう

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(234)神様の思い(計画)が分からないのはありがたい 広田信也

  • 「2033年までに全ての人に福音を」 世界福音同盟の第14回総会、ソウルで開幕

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 「2033年までに全ての人に福音を」 世界福音同盟の第14回総会、ソウルで開幕

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • 約250校の子どもたち数千人が「主の祈り」を唱和 英イングランド

  • 「迫害下にある教会のための国際祈祷日」 WEA・JEAが呼びかけ

  • 日本聖公会首座主教・主教会が「京都事件」の書簡発表 元牧師が性加害、教区が2次加害

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 米メガチャーチ牧師、当時12歳の少女に性的虐待 罪認め6カ月収監へ

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • 聖公会保守派、「グローバル・アングリカン・コミュニオン」設立を宣言 決定的な分裂に

  • 日本キリスト教病院協会第5回総会 人材確保や人材育成などを討議

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • 英国国教会トップのカンタベリー大主教に初の女性、ムラリー主教の任命を国王が承認

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • イラク人難民のキリスト教徒、フランスでライブ配信中に殺害される

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.