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米、各地で妊娠中絶合法化反対大行進

2006年1月26日06時05分
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【サンフランシスコ=吉本幸恵】
 21日土曜日、サンフランシスコフィッシャーマンズ・ワーフにおいて第二回西海岸妊娠中絶反対行進が行われた。何千人もの妊娠中絶合法化反対者が「平和は胎内から始まる」と書かれたプラカードを掲げてフィシャーマンズ・ワーフ地域を行進した。これに伴い、妊娠中絶支持者は、「偏屈者の集団が町に帰ってきた」とハンガーを振りかざしながら叫んだ。


 この昨年から年に一度行われている行進は、米国で"Roe v. Wade"として知られる妊娠中絶を合法化した最高裁の判決が出てから33年目を迎える日の一日前に催されている。米国ではこの種の運動が数多く催され今回のフィッシャーマンズ・ワーフにおける運動以外にもプロテスタント、カトリック団体含む妊娠中絶合法化反対者グループによる多くの運動が先週末に行われ、米国民に生命保護の大切さを再確認させる期間となった。


 「私たちは声をあげることのできない胎児たちのためにここに立っています。私は妊娠中絶をして毎日命を傷つけている多くの少女を知っています。」とサンフランシスコ近郊プレザントン在住の20歳の大学生ローラ・アーノルドさんが母親と共に運動に参加し、訴えた(AP通信)。


 西海岸生命保護のための行進の主催者によると、サンフランシスコウォーターフロントを一マイル以上にわたって「妊娠中絶は女性を傷つける」と書いた横断幕を掲げた1万5000人もの妊娠中絶合法化反対者が埋め尽くしたと言う。今年の行進参加者は曇りと雨というあいにくの天候にも関わらず、昨年参加者の二倍を上回ったと言う。


 「私たちは明らかに勢いをつけています。これはただ単にイベントなんかではなく、改革のための運動なのです。」と先週土曜日、行進主催者のドロレス・ミーハン氏は主張した。


 主催者の話によると、昨年の行進では1000人ほどの妊娠中絶支持者から唾を吐かれたり、卵やコンドームを投げつけられたりしたが、今年はほんの数百人が歩道沿いで文句を言う程度で済んだという。生命保護のための行進参加者は妊娠中絶支持者からの野次や干渉にかかわらないように求められ、実際そのように行い、冷静に行進することができたという。


 2005年の初回行進時はサンフランシスコ市長や管理委員会から非難を浴びたにもかかわらず、今年の行進では市長も管理委員会もこの行進に対して無反応であったという。また、昨年はNARAL(全米中絶権獲得連盟)などのカリフォルニア州妊娠中絶支持団体がこの運動に応じて仕返しの運動を行ったが、今年はそのような運動を計画しなかったという。


 この運動に参加した一人であるカリフォルニア州コンコルド聖ミカエル正教会マイケル・レーガン氏によると、このような開放的なサンフランシスコにおいてであっても妊娠中絶における世論がどのようなものであるかを示すのは実に重要なことであると言う。
 レーガン氏はAP通信に対し、
 「無垢の生命を保護する人はどこにもいないという印象を受けるであろうが、見てください」と何千人もの行進参加者を指して語ったと言う。


 
 妊娠中絶反対団体"BlackGenocide.org"を創立し、生命保護教育情報ネットワーク(L.E.A.R.N)の北東支部理事長であるアフリカ系バプテスト教会牧師クレナード・チルドレス氏は米紙"the walkers"に対し土曜日、チルドレス氏が「今回の彼らのこの行進への参加は人類史上でもっとも不公平な法律」と主張する妊娠中絶合法化に対して良心による行動の結果であると述べた。
 
 この行進で正午を向かえる前に「私たちはまだ生まれていない無垢の命の大虐殺に終止符を打とうとしているのだ。そのために私はここに来てこのように声を上げている。」と強く主張した。



 また他にも米妊娠中絶反対フェミニストグループ"Feminists for Life of Ameria"会長セリン・M・フォスター氏、政治活動家兼コラムニストのスター・パーカー氏、ヒスパニック共同体代表者アルフレッド・アバルカ氏、民主党支持中絶反対団体"Democrats for Life"のキャロル氏などが演説を行った。


 ロサンゼルスでは、妊娠中絶反対のカトリック教徒がロサンゼルス大聖堂に22日水曜日集合し、LAダウンタウンストリートにおいて妊妊娠中絶の終わりのために祈ることを求めたプラカードを掲げて行進したという。


 またこのイベントを支援するカトリック生命問題および"Hispanics for Life(ヒスパニック生命問題教育団体)" のロサンゼルス大司教区委員会委員のアストリド・ベネット・ギタレズ氏は、
「2006年の"Life Chain(米国で最も大きな妊娠絶反対団体)"はまだ世に生まれていない兄弟姉妹たちに対する33年間にもおける大虐殺を終えるための祈りの中で一致しようとしているカトリック教会の文化的多様性が反映されるものとなるだろう。」と述べた。


 妊娠中絶反対のプラカードは英語とスペイン語の両方で「妊娠中絶は子供を殺す」「イエスは許しと癒しを与えられる」と書かれていたという。


 またワシントンD.C.における妊娠中絶反対行進では、「 "Roe v. Wade"はアメリカ流儀に違反している」という標語が何人かの運動参加予定の国会議員の支持を受けるに至り、また国家的妊娠中絶団体である家族調査協議会(the Family Research Conucil)、アメリカを憂慮する女性の会(Concerned Women for America)はこの反対行進参加者が立ち寄れるように事務所を開放し、行進参加者に暖かい飲み物と菓子を提供すると宣言した。ワシントンでの反対行進は現地時間23日月曜日12時より行われる予定である。

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