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米国教会指導者、大学生の信仰心に懸念

2006年1月18日05時53分
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 米国フロリダ州オーランドでキリスト教諸教会の指導者たちが集まり、大学生の信仰を維持させることと、青年宣教に関しての機能不全をどのように改善するかについての意見交換が行われた。米国宣教会と米国青年宣教ネットワークの二大米国キリスト教ネットワークが、1月11日と12日の二日間にわたってこの問題についての会議を主催した。


 青年宣教ネットワーク会長パウロ・フレイスマン氏は、自身が牧会する教会の現状について、青年の大部分は高校卒業後に信仰の道から逸れてしまうと述べた。


 ある研究報告書によると69〜94%のキリスト教徒の若者が高校卒業後に信仰を捨ててしまうという。南部バプテスト教会によって行われた調査によると、若者の88%が教会から足を遠ざけているという。


 この会議の主催者の1人で、120の大学の学生に面接調査を行ったジャフ・サット氏は、「大学生たちは、大学での友人の作りたさゆえに信仰の道から逸れ、大きな罪を日常生活に背負うようになっている。そしてその姿に学生自身も疲れているようであり、この事実に大変心を痛めている」と語った。


 面接調査を行った学生の1人でアリゾナ州立大学の学生は「大学に入って最初の数日は、私は誠実な人間だったが、周りがおかしい人たちだったと思います。私は彼らに囲まれて一日の大半を泥酔してすごしていました。というのも、彼らに溶け込みたかったからなんです。そのとき私は誰も知らなかった。そしてそのようなどさくさにまぎれて、私はわいせつな行為を受けました。それから私は深く考えさせられました。『ああ、神よ、私はいったい何をしているのだろう。どうして私はこんな状況に陥ってしまったのか。そもそもどうして私はこのような場に居合わせてしまったのだろう?』それからひどく傷ついた心でクリスマスに家に帰りました。」と泣きながら自分の経験を告白したという。


 またフラー神学校はアンケート用紙による予備的調査を行った。234名の学生にアンケート用紙を配布したにもかかわらず、たった69枚の回答しかえることはできなかった。


 その結果大学生の100%が飲酒経験を持ち、69%がすでに性体験を経験していることがわかった。そして20%がこの1年の間に20回以上の性交渉をしていることが判明した。


 しかしながら、この調査では、信仰心が成熟している学生ほどこのような非道徳的な行動を行いにくく、危険な目にも遭いにくいということも判明した。


 2005年4月に行われた米国青年宣教指導者会議によると青年の信仰離れには6つの要因があるという。


 フレイスマン氏は、その中の一つは若者文化であると語る。「MTV(音楽番組専門ケーブルテレビ放送)やその他さまざまなものが子どもたちの生活を今までにない勢いで退廃させ傷つけている」とフレイスマン氏は悲嘆を表明した。


 第二の要因としてとして両親の子どもたちへの関わりが薄らいでいることを挙げた。フレイスマン氏は「この世代の子供たちは見捨てられている。現代の子供たちは帰宅してもしばしば家に誰も居ないことがある。そして子供たちは聖書に関して無知になっている。聖書を深く理解することもなく、彼らの生活に照らし合わせて信仰心についてはっきりと述べる機会もない。あらゆる情報の渦に巻き込まれ、聖書に根ざした生活を行っている世代は若者でなくても今の時代だれもいない。私たちが聖書に対してはっきりとした信仰の確信と聖書の内容の深い理解なしには、信仰を維持し続けることは難しいだろう。」と語った。


 第三としては増加し続ける移動性の高さと離婚率であるという。このことが、現代の子どもたちが親との関係性において障壁を生じる要因になってしまうという。 


 第四要因としてはメディアに洗脳された世代であるということ。「私たちは今日の世代のティーンエイジャーを『iPod世代』と名づけることができるだろう。彼らは耳に常に騒音を装着したがっている。これはもう彼らがiPodにつながっていなければならないというような脅迫的な欲求に近いものとも見受けられる。」とこのような文化をフレイスマン氏は非難した。


 またフレイスマン氏は個人サイトネットワークとして全米で人気の"MySpace.com"を、精神的に満たされていないこと、自分たちのアイデンティティがないことに対する衝撃的な飢え渇きの例に挙げ、「現代は精神的な飢え、損失、混乱の時代である」と述べた。


 第五の要因として学生たちが世俗的人本主義を崇拝するように育て上げられ、大学生活を送るに至ってこのような文化に立ち向かう準備ができていないことを挙げた。


 最後に、第六の要因として現代の世代が部族的な世代であることを挙げた。「多くの意味で、たとえば彼ら自身のアイデンティティのために刺青を入れたり、群れになって行動したがることから、現代の若者は群れを成したがっているということがわかる。このように若者が互いにつながりあいたい傾向から、一種の部族を作りたいという傾向にあるということができるだろう。」とフレイスマン氏は語った。


 今回の会議の初日ではこれらの問題に対する対策法として、宣教会同士が互いに連合して活動すること、全米的にこのような問題の深刻性を気づかせること、青少年の精神的発達を促すために重要とされる両親の役割を支援すること、宣教会の理念や戦略を修正すること、より綿密な調査を行うこと、高校や大学宣教会と連合し、インターネットをより有意義に使用することで若者がクリスチャンとして安全に高校生活から大学生活に移行できるようにすることなどが挙げられた。


 指導者チームは現在高校生がその地域の大学宣教会を検索できて、大学という新しい環境に足を踏み入れる前に信仰心のある学友を作ることができるようなホームページを製作しているという。

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