国連関係者によると、組織改革に伴い、国連は人権問題を2006年の最優先事項とする見通しであることがわかった。
国連再建案では、第一に「人権理事会」の新設を目指している。年内に任期満了を迎えるアナン国連事務局長は、ニューヨーク・タイムズ紙に対し、戦後の平和構築と経営改革、人権問題に予算を重点的に充てると明かした。
国連本部(米ニューヨーク)で行われた記者会見でアナン氏は、ジュネーブで国連人権委が開催される今年3月までに人権理事会の設置を目指すと語った。
同理事会の発足に伴い、53人から成る現行の人権委は解散する予定。これまで同委について、虐殺やテロとの関与疑惑のあるスーダンやジンバブエの同委参入を許可するなど、非効率的で退廃的であると批判が出ていた。
米紙クリスチャンポストの取材に対し、米人権監視団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」のロス事務局長は「人権状況に懸念の残るこれらの国が人権委に加入することで、これらの国に対する同委の発言を弱めることができる」と指摘した。
スーダン、ジンバブエ両政府による違反が指摘されているのは「信教の自由」についてうたう国連人権宣言第18条。キリスト教など諸宗教の指導者が「第一に保障されるべき権利」として人権の根底に位置づけるものだ。
18条では、思想の自由、良心の自由、信教の自由を享受する権利を保障している。この権利には、改宗し転向する自由と、自己の信仰や思想を、公私を問わず、個人としても団体としても、教育、実務、礼拝、行事の中で明らかにする自由が含まれている。
米国務省が05年11月に発行した信教の自由に関する年次報告によると、スーダン政府は非イスラム教徒、非アラブ系イスラム教徒、少数民族や部族出身で政府与党と関連の薄いイスラム教徒に対して、さまざまな社会的制約を加え続けているという。
ジンバブエでは、政府の方針に反対する宗教指導者に対して政府が脅迫行為や迫害を行っている。政府を非難した教会指導者や信徒が現在も多数逮捕、拘束されている。
「全世界の人々にとって、人権委の今後の動向が国連改革のリトマス紙となる」と事務局長秘書、ブラウン氏は述べた。
人権と並び06年の課題として国連は、貧困や病、テロや大量破壊兵器の拡散に断固とした姿勢で取り組む新しいイニシアチブを含む平和運動を挙げている。
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