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「ナルニア国ものがたり」映画化 作品に聖書的要素の可能性

2005年12月7日13時09分
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&copy;DISNEY ENTERPRISES, INC. and WALDEN<br> MEDIA, LLC.+
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 ファンタジーの最高傑作として知られる、英国のクリスチャン作家C・S・ルイスの「ナルニア国ものがたり」(岩波書店・刊)が映画化され来年3月4日、日本全国で一般公開される。製作はウォルト・ディズニー傘下のブエナビスタ・ピクチャーズ。最近発見されたルイス直筆の手紙によると、本作がイエス・キリストの生涯や聖書の世界観を盛り込んでいる可能性が出てきた。

 手紙はC・S・ルイス博物館館長でルイスの生家を維持管理するフーパー氏が発見した。1961年にルイスが読者の子どもに宛てて書いた手紙とみられ、文中、「ナルニア物語は全て、キリストについて書いたもの」と記しているという。英サンデー・タイムズ電子版が4日伝えた。

 原作は英国で1950年から1956年にかけて出版された、ナルニア国の誕生から滅亡までを描く全7作からなるファンタジー児童文学。日本でも66年に発刊され、全世界で8500万部発行された。

 時代設定は第2次世界大戦中の1940年代の英国。4兄妹がロンドンから田舎へと疎開し、疎開先の屋敷で見つけた衣装だんすから、魔女の支配する「ナルニア」の世界へと迷い込む。心優しいライオンの「アスラン」と一緒に「ナルニア」を救い出すというストーリーだ。

 子どもたちを守るために自ら危険を冒すアスランの言葉や決断とイエス・キリストのそれが重なる場面が多々あるという。

 非宗教者とキリスト教徒の間で意見が別れているが、「伝道のために書かれたというほど福音を強調しているわけではない」という点では意見の一致がみられるという。

 サンデー・タイムズ紙は、「この物語の主題はとても壮大であり、神学的見解なしに語れない部分もある」という映画映像学の大学教授のコメントや、「文学の価値基準は読み手に与える感動などの貢献にあり、映画や物語もまた、それを観る人が作品から受け取るメッセージに大きく依存する」という評論家の話を紹介している。

 映画化されたのは7作のうち1作目「「ナルニア国物語―ライオンと魔女」。監督は「シュレック」のアンドリュー・アダムソン、特殊効果は「ロード・オブ・ザ・リング」のリチャード・テイラーとWETAデジタルが手掛ける。主人公の4人の子どもたちは、英国中から選ばれた子役が演じ、他にもジム・ブロードベンド、ティルダ・スウィントンなどが出演。米国では今月9日から公開される。

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