反政府派と政権側が激しい衝突を繰り返すリビアにおいて、多国籍軍による軍事攻撃が開始された。中東情勢への懸念が高まっており、世界中のキリスト者らに対し、中東への祈りが呼びかけられている。
17日、国連安全保障理事会がリビア上空に飛行禁止区域を設定する決議案を採択したことを受け、カダフィ政権が反体制派との即時停戦を発表したにもかかわらず、反政府派の拠点ベンガジなどでカダフィ政権による武力行使が続いた。カダフィ大佐は19日、欧米首脳らに決議案の無効を訴える書簡を送付し、リビアの全国民がカダフィ大佐の味方である旨を主張した。これを受け19日、米国、英国、フランスなどで構成する多国籍軍が、リビア政府軍の部隊・施設に対する空爆による軍事攻撃を開始した。
英キャメロン首相は今回のリビア攻撃への参戦について「必要であり、合法的で正しい決断だ。独裁者が自国の国民の殺害を許容している様な状況下で側に立って見ているべきではない」と述べた。カダフィ大佐は米英仏軍の攻撃に対し、20日国営テレビにて「むき出しの侵略行為である」と非難し、多国籍軍に徹底抗戦するよう国民に呼びかけた。松本外務大臣は20日、「リビア当局が国民に対する暴力を継続していくことを強く非難する」と述べ、多国籍軍による軍事介入を支持する意を表明した。
これに対しロシアプーチン首相は21日、軍事行動を容認した国連安全保障理事会の決議には欠陥があると指摘し、「主権国家に対していかなる行動を取ることも許容されることが明らかになった。キリスト教徒が宗教の聖地を取り戻すためにイスラム教徒を攻撃した中世時代の十字軍が思いだされる」と懸念を表明した。一方、ロシアメドベージェフ大統領は、プーチン首相がリビア攻撃を「十字軍」に例えたことに対し「容認できない」と批判している。
リビアでの反政府派の市民らと政権側が紛争状態となっている混とんとした状況について、世界中のキリスト者らが祈り続けている。
ローマ教皇は20日、リビアに対し「お告げの祈り」の中で「この数日間、リビアから届く憂慮すべき知らせが、わたしのうちにも深い不安と恐れをかきたてています。このことのゆえに、わたしは一週間の黙想の間、主に特別な祈りをささげました」と述べた。
米ミネソタ州ミネアポリスのベツレヘムバプテスト教会牧師で著名な福音主義者であるジョン・パイパー氏は、中東全域のためにキリスト者らが祈りを捧げることを呼び掛け、「私たちが中東のために祈るとき、中東全域の人々の上に自由と平和が訪れ、多くの中東の人々がキリストに立ち返り、主の栄光を見るようになることで、福音が中東において勝利を収めるように祈るべきです。他の宗教への信教の自由が開かれることも含まれます。私たちキリスト者は信仰を剣でもって拡散させるのではなく、福音を宣べ伝え、奉仕することによって告げ知らせる役割を担っています」と述べた。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目
-
英聖公会の聖職者ら約700人がカトリックに、この30年余りで 女性司祭導入後に急増
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(237)聖霊による傾聴活動は日本社会を覚醒する(後編) 広田信也
-
元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも
-
聖なる励まし 穂森幸一
-
綱渡りのような人生 菅野直基
-
南・東南アジア各国で洪水・土砂崩れ、1700以上人が死亡 キリスト教団体が緊急支援
-
映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く
-
旧統一協会の田中富広会長、道義的責任など理由に辞任 「謝罪の意を込めおわび」
-
ワールドミッションレポート(12月15日):ガザ 憎しみの英才教育―ハマス創設者の娘が語る真実(2)
-
元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも
-
2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目
-
映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く
-
「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」
-
日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも
-
英国で「路傍伝道者憲章」 相次ぐ街頭説教中の逮捕受け
-
京都ノートルダム女子大学、次期学長に酒井久美子氏 学生募集停止の来年4月から
-
【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』
-
ニカイア公会議1700周年を記念、開催の地で一致求め祈る 教皇や全地総主教らが参加
-
東洋英和女学院大学、次期学長に藁谷友紀氏
















