前ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の列福が決まったことを受けて、日本カトリック司教協議会会長で大阪大司教の池長潤氏は23日、「教会を第三千年期へと導いた偉大な教皇がこれほど早く列福されることを心から喜ぶ」とのコメントを出した。
ヨハネ・パウロ2世は26年間にわたる教皇在位中、世界129カ国を歴訪。世界の人々に福音に基づく平和を呼び掛けた。日本にも1981年2月23日から同26日までの4日間滞在した。
列福が決まった今年は奇しくも来日から30周年の節目。池長氏はヨハネ・パウロ2世の来日により、日本の教会は特に三つの分野で深い影響を受けたと語る。
第一は平和への取り組み。ヨハネ・パウロ2世が広島平和祈念公園で述べた「平和アピール」を受けて、日本司教団は毎年8月に「カトリック平和旬間」を設けるなど、諸宗教者とも手を携え、積極的に平和の推進のために働くようになった。
第二は福音宣教者としての意識の深まり。ヨハネ・パウロ2世来日を機に、司教団は「日本のカトリック教会の基本方針と優先課題」を発表し、教会の一人一人が救いのメッセージを伝える宣教者となることを決意。その後、2回の「福音宣教推進全国会議(NICE)」を開催した。
第三は日本の殉教者の列福。ヨハネ・パウロ2世の呼び掛けにより1981年、来日直後に開かれた司教総会の決定で始まったペトロ岐部と187殉教者の列福申請運動によって、2008年11月、188人の日本の殉教者が列福の恵みを得た。
池長氏は「ヨハネ・パウロ2世が日本の教会と社会に与えてくれた恵みに改めて感謝するとともに、その呼び掛けに思いを新たにして応えなければならないと感じる。平和を実現すること、福音を宣べ伝えること、殉教者と心を一つにしながら『あなたがたも完全な者となりなさい』(マタイ5・48)という主イエスの呼び掛けに応えること。これらはこれからも常に私たちが生きるべきキリスト者としての使命。教皇の模範に従ってキリストの道を歩めるよう、心から祈りたい」と語った。
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