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複数地域分散型宣教の次世代モデル「家の教会」

2011年1月18日15時00分
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 米フロリダ州のあるメガチャーチは、複数の地域にまたがった教会形成をしている。それを支えるのが、15〜20人ほどの信徒が信徒宅や地域の施設などを利用して礼拝をささげる「家の教会(ハウス・チャーチ)」だ。



 「ノースランド・ア・チャーチ・ディストゥリビューティッド(Norhland, A Church Distributed、ノースランド教会)」(ジョエル・ハンター主任牧師、信徒数1万2000人)は、同州中部のロングウッドを中心に4つの教会施設を持つ。その一方で、礼拝の中継放送を通して同じ時間に礼拝をささげる「家の教会」が世界中に1000以上もある。



 「家の教会は、分散型宣教の新しい拡張スタイルです」と、ノースランド教会の礼拝放送を担当するダン・ラシチ牧師は語る。



 それぞれの家の教会には、担当者として「サイト・ミニスター(Site Minister)」がいる。各家の教会ではサイト・ミニスターがホスト役を務め、毎週の礼拝放送を使った礼拝と、交わりを持っている。



 これらサイト・ミニスターとメイン教会とのパイプ役であるラシチ氏は、家の教会の礼拝参加者について、実際に一つの大きな会場で礼拝をささげているように積極的に礼拝に参加していると語る。互いに挨拶し、起立する場面では立ち、賛美を歌い、聖餐もする。



 同州中部のベニスにある家の教会を夫と一緒に担当しているマーシー・バース氏は、「初めて来た人は、少し奇妙に思います」と言う。「しかし、1、2週間後にはとても素晴らしい教会だと思うようになります。他の人たちととても親しくなることができますし、何よりもノースランド(メイン教会)から放送される質の高い説教を聞くことができますから」と証する。



 バース氏宅のリビングでささげられている礼拝には毎週15人から24人の人々が集う。参加者は、持ち寄ってきた食べ物で食事をした後、リビングにある大きなテレビ画面で礼拝の中継を聞く。



 バース氏は、こうした個人的な環境が、大きな教会では難しいより深い会話とより親密な関係作りを可能にすると言う。「私たちの家の教会には、日曜日の朝は他の教会の礼拝に参加するというメンバーがたくさんいます。しかし、私たちの教会を愛してくれているので、私たちの教会にもつながっているのです」と話す。



 バース氏の家の教会では、日曜日の礼拝に集まるだけではなく、毎週木曜日にも聖書の勉強会を開いている。地域の行事にも参加し、ボランティア活動も積極的に行っている。



 ノースランド教会では現在このように家の教会単位での宣教を積極的に進めているが、数年前までは他の教会同様、毎週大きな会場に大人数が集まって礼拝をささげる形態を取っていた。各会場は地域毎にあり、礼拝では家の教会と同じようにメイン教会での礼拝が中継放送されていた。しかし、より小さな個人宅や施設を会場にすることで、建物の維持費や人件費など高い費用をかけずに宣教をできると考え、それを実行に移した。



 「大きな教会での集会も、また家の教会のような小さな集会も、効果的な宣教を行うためには互いに必要です」とラシチ氏は言う。「初代教会の時代には、人々は神殿での礼拝と家々での礼拝を持っていました。家々での礼拝は、聖餐を共にし、洗礼を授け、互いのために祈り合う場でした」。メイン教会と家の教会の二本柱で宣教を進める同教会のスタイルが、初代教会の姿に則したものであることを説明する。



 現在、同教会では1万2000人いる信徒の内、約4000人がフェイスブックやスマートフォン(多機能形態電話)のアプリで放送される礼拝中継を用いて、礼拝をささげている。また、2020年までに、家の教会のような小さな集い含めて1万の教会を建てることを目指している。

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