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平野耕一牧師「ハリウッド映画に見る終末論と聖書預言」(2)・・・『2012』

2010年11月5日10時23分
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 『2012』は人類滅亡をテーマにした超大作であり、最も大きな反響を呼んだ大ヒット作である。これはマヤ文明のカレンダーから、2012年12月21日人類滅亡説を契機にして作られたものであるが、その映像効果は映画史上他の作品をはるかに上回るものと評価されていて、とにかくびっくりする場面が止まらないという感じなのだ。



 中学生の時に、私は『出エジプト記』を鑑賞し、紅海が二手に分かれ渇いた土地が現れる映像を見て驚き、またえらく感動したが、この映画ではそのような興奮するシーンが盛りだくさんなので、確かに映像技術の進歩には目を見張るものがあった。



 世界中が2012年人類滅亡説に注目して、いろいろ賛否両論の論議を巻き起こり、興奮している状況だが、現在の社会不安が蔓延している中で、かなりの現実味を帯びた滅亡説なのだ。自然科学や天文学や物理学や生化学や地質学や気象科学やエコロジストからもいろいろなコメントが発表されているし、まして宗教の側からの各種の見解が語られているので、クリスチャンもこれらを聖書に照らし合わせて吟味し、適切な見解を持つことが求められていることなのだ。また、巷が終末論に関心をもっていることは、キリストの再臨について語り、伝道する大きなチャンスでもあるのだ。



ソーラー・ストーム仮説



 この映画では人類の滅亡が太陽の異常なフレアーによって多量のプロミネンスと呼ばれる高温粒子プラズマが噴出し、それによって核反応が起こされ、ソーラー・ストーム、つまり太陽嵐を巻き起こし、それが地球に降り注いで来て、大災害を起こすというシナリオである。ちなみに2003年に観察されたプロミネンスの大きさは地球の10倍ほどである。



 太陽嵐は、大型望遠鏡には太陽の表面から大火事が発生したように見えるのだが、通常とは比較にならないほどの放射線が発射されるそうだ。



 もし、巨大なフレアーによって、コロナ出量放出と呼ばれる現象が起こり、太陽からの高熱突風は地球の磁場に影響を与え、地球を過熱させ、ポ―ラー・シフト(地軸変動)を起こさせ、そのことによって陸地の大部分が海に沈んで行くことによって人類が滅亡するというのだ。



 ポーラー・シフトによる磁気嵐は多大なる放射線を発し、地中を熱し、地殻を溶かしてしまうのである。火山噴火と巨大地震と巨大津波を引き起こし、全人類をあっという間に飲み込んでしまうというのだ。



 地球の100倍あるほどの太陽は通常毎秒原子爆弾1万個が爆発するほどのエネルギーを放出している。地球の磁気圏は、オゾン層が宇宙からの有害な紫外線を弱める働きをするように、宇宙からの高熱プラズマから地球を守る役割を果たしているが、またオゾン層が薄くなっているように、地球の磁気も弱まりつつあるのが現状である。過去1000年で磁気層は10分の1になったと言われている。



 太陽風は絶えず地球に降り注いでおり、通常なら磁気圏に阻まれて災害をもたらすことはないのだが、それでも磁気圏が弱まった個所からはオーロラが発生する。



 地球の磁気圏は太陽風を受けとめ、その太陽風を磁気の弱い所に送り込んでいるのだが、それが北極であり南極なのだ。北極と南極でオーロラが観察される理由である。



 磁気圏が極度に弱まれば、真昼間でも東京の上空にオーロラが現れることですら起こるのだが、東京で美しいオーロラを見ても喜んでいられないのだ。



 つまり、磁気圏が地球の天侯にバランスを与え、地下の温度急上昇と地殻の崩壊から地球を守るという役割を担っているのである。磁気圏に異常が起きれば急激な断層移動を引き起こし、この映画に描かれているようなディスアスター(大災害)を起こりかねないことは確かなのだ。



 ちなみに大規模な太陽嵐は、1859年と2003年過去2回観察されているのだが、この映画のシナリオは科学的には起こり得る現象なのだ。大規模な太陽嵐は50年ほど周期的に起こるそうであるが、次に起こるのは2013年の5月頃とNASAは予測しているが、同時にNASAはそれが壊滅的被害につながるほどの大きな嵐とは考えていないと発表している。それにしても、2012年12月21日から6ヶ月後に起こるということは興味深いものがある。



 今や、太陽嵐などの宇宙の天気予報が必要とされているが、京都大学の宇宙物理学部が宇宙の天侯を予測するモデルを世界で始めて作ったのは、今年である。



 『2012』では、何でもありという感じで、考え得るあらゆる災害をふんだんに盛り込んだ。火山噴火あり、巨大地震あり、巨大津波あり、大陸の陥没あり、確かにこれでは人類は滅亡しかねないと思わざるを得ないが、その原因を太陽のフレアーから起こる太陽嵐としているのが要点だ。人類滅亡がテーマにとなると、科学的見地から宇宙異変を取り上げざるを得ないようだ。



 NASAは2012年に、惑星の直列というまれな現象は起こると発表しているが、惑星直列は数年に一度起こる現象で、それらが起こす重力の影響で異変が起こることはないようだ。地球の重力に対して最も影響を与えているのは太陽、次に月、次に木星だが、惑星直列は月や木星ほどの影響力は持たないのだ。



 ペテロの手紙は、始めの世界は洪水で滅ぼされたのだが、今の世界は火で燃やされると預言している。また、黙示録でも「太陽は毛の荒布のように黒くなり」「月の前面が血のようになり」「いちじくが大風に揺られて青い実を落とすように、天の星が地上に落ち」「すべての山や島がその場所から移された」(6:12〜14)と予告されている。



 確かに、2000年前から宇宙発の大災害は予告されているのだ。私たちはキリストの来臨が過去2000年間起こらなかったので「キリストの来臨の約束はどこにあるのか」と言ってはならない。



 ペテロは見落としてはならない一事について書いている。それは、「主の御前では、一日は千年のようであり、千年は一日のようである」ことだ。ペテロは「主の日は、盗人が来るようにやってくる」から、油断してはならないと警告しているのだ。



◇



 平野耕一(ひらの・こういち):1944年、東京に生まれる。東京聖書学院、デューク大学院卒業。17年間アメリカの教会で牧師を務めた後、1989年帰国。現在、東京ホライズンチャペル牧師。著書『ヤベツの祈り』他多数。

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