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米国立大気研究センター研究員「強風で紅海に道できることも可能」

2010年9月28日13時40分
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 【CJC=東京】聖書には現実に起こったように書かれていても、それが事実であるかが常に議論される事例がある。モーセがイスラエル人を率いてエジプトから脱出した際、紅海までたどり着いた時、目の前で水が二つに裂けて壁を作り、その間を通り抜けたが、追ってきたファラオの軍勢が海底の道を通る時に水が元に戻り、全員が溺れ死んだことは、良く知られているが、しかしそれは歴史的事実なのか、疑問を抱く人は今日も多い。



 米コロラド州ボールダーの国立大気研究センター(NCAR)の科学者カール・ドゥルーズ氏が、強風が紅海の水を押しのけて道を作れることをコンピューター・モデルを使って証明出来た、と語った。強い東風が紅海の水を、道が出来るほどにまでエジプト側に押し戻したのだという。



 問題は紅海のどの地点でモーセたちの前に道が出来たのか、特定出来なかったこと。



 ドゥルー氏と協力者、コロラド大学海洋学者のウェイキン・ハン氏は、モーセたちの渡った場所と推定されていたスエズ湾内かアカバ湾付近の2個所を排除した。そしてスエズ運河の北側、地中海沿岸のナイル・デルタに狙いを定めた。古代にはナイル川の支流と湿地帯が合わさった所。



 査読オンライン雑誌『パブリック・ライブラリー・オブ・サイエンス』に掲載された研究論文は、モデルでは時速63マイル(101キロ)の風が12時間にわたって海水の特定部分に吹きかけると、理論的には元の海岸線から海水が6フィート(約2メートル)の深さまで傾斜して後退し、長さ2マイル(約3・2キロ)、幅3マイル(約4・8キロ)にわたって海底部を4時間、干潟のように露出した。これなら強風の中でもモーセたちが渡るのに十分。風が吹き止むと海水はたちまち元に戻った。



 「シミュレーションでは、出エジプト記の記述にかなり一致した」とドリューズ氏。「水が裂かれることは、流体力学でも理解可能だ。風が物理法則に基づく方法で水を移動させ、両側に安全な通路を水で作り出し、それから急激に水を元に戻したのだ」と言う。

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