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「世界的危機におけるキリスト教病院の役割」 アジアキリスト教病院協会が沖縄で総会

2024年11月17日23時50分
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関連タグ:アジアキリスト教病院協会(ACHA)淀川キリスト教病院オリブ山病院
「世界的危機におけるキリスト教病院の役割」 アジアキリスト教病院協会が沖縄で総会+
「世界的危機におけるキリスト教病院の役割:経済危機、自然災害、そして世俗主義」を主題に開かれたアジアキリスト教病院協会(ACHA)の第27回総会=7日、ホテルコレクティブ(那覇市)で(写真:ACHA)

アジアキリスト教病院協会(ACHA)の第27回総会が、7日から9日までの3日間、沖縄のホテルコレクティブ(那覇市)をメイン会場に開催された。「世界的危機におけるキリスト教病院の役割―経済危機、自然災害、世俗主義」を主題に、またコリント人への手紙第一15章58節を主題聖句に掲げ、部分参加も含めて国内外から計200人以上が参加した。

1日目は、胃がん切除手術の世界的権威として知られ、現在は淀川キリスト教病院(大阪市)理事長を務める笹子三津留氏が基調講演を行った。

笹子氏は、昨今の経済危機を示すものとして、少子高齢化や原油価格の上昇、急激な円安、それらに伴う生活費の過大な上昇や社会医療費の逼迫(ひっぱく)を列挙。これらに対するキリスト教病院の対応として、低所得者や特殊事情により医療を受けにくい人々に対し、無料もしくは低額で医療を提供する社会福祉事業を行うことなどが求められるとした。

地球温暖化や、頻発し規模も大きくなっている自然災害については、病院も例外なく備えと対応が求められると指摘。多数の被害者に対応するために治療の優先順位を決めるトリアージ、災害後の事業継続計画(BCP)の策定、さらに被災者に対する精神的・霊的ケアこそが、キリスト教病院に求められている愛の業だとした。

世俗主義については、社会のあらゆる側面から信仰的な要素を取り除こうとするものだとし、結果的に物質主義が支配的になると指摘。それは極端な個人主義を招くことにもなり、キリスト教病院は全人的な癒やしのためにチームとして祈る必要があると語った。

「世界的危機におけるキリスト教病院の役割」 アジアキリスト教病院協会が沖縄で総会
淀川キリスト教病院理事長の笹子三津留氏による基調講演=7日(写真:同上)

2日目は、経済危機、自然災害、世俗主義それぞれをテーマにしたシンポジウムが行われた。韓国、台湾、日本、タイから発題者と討議者が登壇し、活発な議論が行われた。

3日目は、オリブ山病院(那覇市)を会場に全人医療研究教育所によるオプションセミナーが開かれ、韓国・全州(チョンジュ)のプレスビテリアン・メディカル・センター(イエス病院)の医師であるイ・デヨン氏が講演した。

米コロンビア国際大学で異文化研究の博士号を取得しているイ氏は牧師でもあり、宣教師として中東を訪れた経験もある。現在はイエス病院の緩和ケア部長を務めており、前回2022年に韓国で開かれた第26回総会では、大会長を務めた。

全てのプログラムは英語で行われ、日本語の同時通訳が提供された。今総会の大会長を務めたオリブ山病院理事長で牧師の田頭(たがみ)真一氏は、総会を終えて次のように話した。

「ACHAの総会は、回を重ねるごとに、参加各国の医療伝道の働きや海外医療協力などが発表されるとともに、国を超えた交流・協力プロジェクトも討議されるようになり、内容が充実してきました。今回は主題を中心に発題と活発な議論が行われ、今の世界情勢におけるキリスト教病院の役割が真摯(しんし)に話し合われ、アジアのみならず世界におけるキリスト教病院のこれからの働きに対して、大きな示唆が与えられました」

「ACHAのメンバーは、国は違ってもキリスト者として病む人々に仕えることを召命と信じ、喜びを持って医療を行っています。各国のキリスト教病院関係者から期待以上の励ましとこれからの協力を得ることができました」

「世界的危機におけるキリスト教病院の役割」 アジアキリスト教病院協会が沖縄で総会
1日目夜に行われた歓迎夕食会=7日(写真:同上)

ACHAは1993年、淀川キリスト教病院の白方誠彌(せいや)名誉院長の呼びかけにより、日韓台キリスト教病院最高経営者会議として始まった。2012年にはACHAと改称し、広くアジア諸国のキリスト教病院関係者が参加するようになった。

また、今回からはキリスト者の医療従事者であれば、キリスト教病院に所属していなくても参加可能となり、これまでになく多くの人が参加した。国内からは80人が参加し、海外からは韓国、台湾、タイ、シンガポール、ミャンマー、米国の6カ国から87人が参加。部分参加を含めると、参加者総数は200人を超えた。

白方氏は今総会に寄せた祝辞で、アジアの多くの国々が第2次世界大戦前後に欧米のキリスト教界から援助を受けた歴史に触れつつ、「世界全体を見れば、まだまだ貧困の中に放置されている人々が多くおられ、医療支援の必要性も極めて高いのが現状」だと指摘。「今回の主題について十分な討議がなされ、さらに、主にある良き交流がありますようにお祈りいたします」と伝えた。

また、「名前だけのキリスト教病院であってはならない」「口先だけのキリスト教病院であってはならない」とし、次のように述べた。

「私も晩年を迎えて、人生の基本はキリスト教の十字架と復活と再臨の信仰に基づいて、具体的行動は愛の実践に尽きると分かってきました。愛の実践は、各人が置かれた立場で実行するよう努力することだと思います。今回のACHAに参加された病院の方々が、信仰を強められて、神様から示された使命に邁進(まいしん)していかれるようお祈りしたいと思います」

「世界的危機におけるキリスト教病院の役割」 アジアキリスト教病院協会が沖縄で総会
今総会の開催国である日本の代表者から、次回総会の開催国である台湾の代表者へ聖書を手渡すハンドオーバーセレモニー=8日(写真:同上)

次回の第28回総会は2026年に台湾・台南で、次々回の第29回総会は28年にタイ・チェンマイで開催される予定。

関連タグ:アジアキリスト教病院協会(ACHA)淀川キリスト教病院オリブ山病院
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