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70人訳聖書のドイツ語版刊行 ベルリンで献呈式典

2009年2月16日14時13分
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 【トリーア(独)=ENI・CJC】「70人訳」(セプトゥアギンタ)と呼ばれる古代ギリシャ語で書かれた旧約聖書のドイツ語訳が完成、プロテスタント、ローマ・カトリック、正教会の担当者によって1月28日、ベルリンで献呈式典が行われた。10年間の協力の成果。「このようなプロジェクトは、聖書に関係した超教派の働きが成果を挙げられるという明らかな徴だ」と、独司教会議司牧委員会議長のヨアヒム・ワンケ司教は式典で語った。



 70人訳聖書は、紀元前3世紀半ばから前1世紀の間に、70カ所の庵にいた70人が709日かけて訳出された、と言われている。当時、地中海周辺での共通言語だったギリシャ語に訳出されたものの中では最も古い。



 プロテスタント、カトリック、正教会などの翻訳者80人以上が、翻訳と解釈の問題についてユダヤ教学者とも打ち合わせを行った。その結果はキリスト者とユダヤ教徒を結び付け総力をあげてのものとなった。



 ヨーロッパ文化の基礎とみなされている70人訳聖書だが、ヘブライ語聖書にはない文書(外典)を含んでいる。プロテスタント教会の聖書はヘブライ語聖書だけを旧約聖書正典とする例が多いが、カトリックではそれ以外のものもいくつか「第二正典」として受け入れ、正教会は70人訳全部を聖書としている。



 ドイツ在住の正教会信徒は、ドイツ語で旧約聖書全部を初めて容易に読めるようになった。翻訳計画は主にラインラント福音教会とドイツ聖書協会が資金を提供、ドイツ司教会議も協力した。



 今回シュツットガルトの独聖書出版社から刊行されたのは1巻本で全1500ページ。今後、注釈付きの2巻本も刊行の予定。



※参考=70人訳聖書の日本語への訳出は、秦剛平氏のモーセ五書が河出書房新社から刊行された。また新共同訳聖書・旧約聖書続編のうち「エズラ記(ラテン語)」を除く部分は七十人訳聖書からの翻訳とされている。

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