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万代栄嗣牧師(76)・・・癒しをなすキリストの一念

2009年2月16日07時24分
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万代栄嗣牧師+
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・・・会堂管理者のひとりでヤイロという者が来て、イエスを見て、その足もとにひれ伏し、いっしょうけんめい願ってこう言った。「私の小さい娘が死にかけています。・・・娘が直って、助かるようにしてください。」そこで、イエスは彼といっしょに出かけられた・・・「なぜ取り乱して、泣くのですか。子どもは死んだのではない。眠っているのです。」人々はイエスをあざ笑った。しかし、・・・ただその子どもの父と母、それにご自分の供の者たちだけを伴って、子どものいる所へはいって行かれた。・・・(マルコの福音書5章21節〜24節、35節〜43節マルコの福音書5章21節〜24節、35節〜43)



 先日空港で、テレビでしか見たことのない、頭のてっぺんからつま先まで、お人形さんのような格好をそのまましている10代の女性を見て、本当にいるんだ!とびっくりしました。彼女は、それにお金も時間もつぎ込んでいるのでしょう。



 私が学生の頃は、まだまだインベーダーゲームの出始めの頃ですから、ゲームは気軽にできる遊びではなく幸いでした。今、ゲームにはまって大切な時間をつぎ込んでいる若者を見ると、学生時代こそ自分の夢やビジョンに向かって、シャカリキになって燃えて、自由に時間を使えるときなのにと残念でなりません。



 今、私たちの生きている21世紀の不幸は、私たちを幸せにし、楽しくさせようとするような小道具が溢れていることです。それらに迷わされている内に、幸せになるはずが、むしろ不幸になっているのです。どうでもよいことに膨大な時間を費やして、振り回され、人生で1番大切なものに集中することができないでいる、そんな不幸な時代がやって来ているのではないかと思います。



 私たちはクリスチャンとして、イエスが中心である人生を意識したいと思います。ありふれたものに思えているものでも、本当は、その恵みに集中することができれば、すばらしいことが起こるのです。しかし、私たちに与えられた信仰をいつの間にか値打ちのないもののように誤解してしまっているのです。



 今日開いた聖書箇所は、会堂管理者ヤイロが娘の病の癒しを願ったことから始まる物語です。ここで注目したいのは、イエスの態度と、人間の態度の違いです。



 イエスの御心に触れ、私たちも主イエス・キリストに向かう心を整えたいと考えます。



1.迷いやすい私たちの心



 キリストがそこにいながら、人々の態度は様々です。子供への愛情に溢れていながら、病に対しなすすべもなく、うろたえるだけの弱い父親。また、この話の途中に出てくる、長血を患った女の癒しを感じたイエスの問いかけに対する弟子たちの無関心な態度。そして、娘が死んだことを伝えるためにやって来た、ヤイロの家の僕たちの賢いけれどなんだか冷静で冷ややかな姿。ヤイロの家に着くと、死んだ子供のために泣き叫び感情を煽る、当時の泣き女のような人もいれば、「子供は死んだのではなく眠っているだけだ」というせっかくのイエスの言葉に対し、希望や感謝を抱くどころか、冷たく皮肉に満ちた態度でイエスをあざける、さびしい心の人々。



 ここに出てくる人々の態度は様々です。人間の心は、しばしば迷いやすく、一貫性がなく、大騒ぎをして心に安定がありません。イエスがそこにいるにもかかわらず私たちの心は右へ左へと大揺れして大騒ぎばかりしているのです。



 確かに人の心とはそのように定まらず落ち着かないものです。他でもない、私やあなたの心も定まらない、落ち着かない、安定しない、本当に根付くことの少ないものであることを、私たちは認めなければなりません。



2.主の御旨は変わらない



 それに対し、イエスの思いは終始一貫、ヤイロの娘を癒そうという一つの思いで貫き通されています。私たちのように、一度決めても途中で心変わりしたり、中途半端でやめることはありません。



 私たちに対しても、単なる思い付きで愛をばら撒いているのではありません。救い主であるイエスが、私たち一人一人を文字通り、ピンポイントであなたに狙いを定めて、御心の内に、徹頭徹尾、定められた救いの業、癒しの業を成し遂げて下さいます。



 私たちは、弱く変わりやすいものです。自分の祈っていたことでさえ忘れてしまったり、救いや癒しのために祈るのをやめてしまうことがあります。しかし主の御旨は変わりません。私たちを救い、癒そうとする主の一念、その思いにこだわり抜き集中して、それをやり遂げようとするキリストの思いは変わりません。



 主は、私たちを救い、癒そうと決断して下さったのですから、私たちもキリストに向かう信仰を持ち、それにこだわり続け、やり遂げる者でありたいのです。そのような信仰を私たちも与えられようではありませんか。



 いまこのときにも、主キリストは救い主として働きかけて下さるのですから、私たちもキリストに集中しましょう。




◇




万代栄嗣(まんだい・えいじ)



 松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。



 また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。



 国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。

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