東洋英和女学院、深井智朗院長を懲戒解雇 著作に捏造と盗用を認定

2019年5月10日20時11分 印刷
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東洋英和女学院は10日、東京都内で記者会見を開き、著作に捏造(ねつぞう)などの不正が指摘されていた同院長で同大教授の深井智朗氏(54)を同日付で懲戒解雇としたことを発表した。同大に設置した調査委員会が同日、捏造と盗用を認定した。

調査対象となったのは、2012年に岩波書店から出版された著書『ヴァイマールの聖なる政治的精神―ドイツ・ナショナリズムとプロテスタンティズム』と、同じく岩波書店の雑誌「図書」2015年8月号に掲載された論考「エルンスト・トレルチの家計簿」。

調査委員会は、著書第4章「ニーチェのキリスト教批判の神学的援用」に登場する「カール・レーフラー」なる人物は存在せず、その人物が書いたとされる論文「今日の神学にとってのニーチェ」は、深井氏による捏造だと認定した。さらに、同書197、198ページで、ヴォルフハルト・パネンベルク著『組織神学の根本問題』(近藤勝彦、芳賀力訳、日本基督教団出版局、1984年)の277、278ページにある記述とほぼ同一の記述、同様の表現、内容の記述が、引用注が記されないまま計10カ所認められたとし、盗用を認定した。

また、論考で述べられている「エルンスト・トレルチの家計簿」の根拠資料となる1920年から23年のトレルチ家の借用書や領収書などの資料は実在せず、深井氏による捏造と判断した。

報告書は、「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務の著しい懈怠(けたい)があった」と結論付け、著書については「学術書として多くの神学研究者等の関心を集め、広く流通したものであるから、社会的影響はかなり高い」と指摘。実在しない人物や論文などを捏造した行為により根拠なく結論が導き出された深井氏の著書と論考は、「研究者のみならず一般読者にとっても非常に悪影響を及ぼしていることは明らか」とした。

同大は、再発防止に向けた今後の取り組みとして、▽本件に関する調査報告会の開催、▽専任教員の研究倫理eラーニング受講の徹底、▽学内の紀要、論集、年報などの査読、編集の厳格化、▽研究データの保存と開示に関する学内ガイドライン遵守の徹底、▽学生に対する研究倫理教育と指導の徹底を実施するとしている。

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