Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 社会

大地の恵みをマンハッタンに届ける「愚か者たち」

2018年10月13日22時16分 記者 : リーハイバレー・ジャパニーズ・ミニストリーズ
  • ツイート
印刷
大地の恵みをマンハッタンに届ける「愚か者たち」+
ジャーミー・ドーキングズさんと妻の幸子さん

ニューヨークのマンハッタンから北に車を2時間ほど走らせた所に無農薬野菜を育てている小さな農園がある。運営しているのは、ジャーミー・ドーキングズさんと妻の幸子(ゆきこ)さん。2人ともクリスチャンで、夏には毎週1回、マンハッタンのミッドタウンにあるタイムズスクエア教会(TSC)まで野菜を運び売っている。その収益はすべて、TSCが運営する世界の貧しい子どもたちを支援する「チャイルドクライ」というプログラムに寄付している。夏の収穫が終わり、一息ついたであろう10月初め、農園を運営する2人にお話を聞いた。

ジャーミーさんの本業は、コンサルティング会社のクリエーティブディレクター。農作業は週末だけで、日本で言えば、いわゆる「兼業農家」だ。農園の名称は「3つの切り株農園」を意味する「Three Stump Farm(スリー・スタンプ・ファーム)」。

由来を聞くと「神は、知恵ある者をはずかしめるために、この世の愚かな者を選び、強い者をはずかしめるために、この世の弱い者を選ばれた」(1コリント1:27)の聖句を挙げ、「自分と妻と娘の3人の『愚か者たち』が神様に用いられてやっているからです」と説明してくれた。Stump には、「切り株」という意味のほか、使い物にならない残り物というような意味がある。

大地の恵みをマンハッタンに届ける「愚か者たち」
店頭に並ぶ色鮮やかな野菜

ジャーミーさんは英国人宣教師の子として生まれ育ったが、本当の意味でキリストに人生をささげる決意をしたのは10年ほど前のこと。当時、ニューヨークの広告会社を率いる立場にあったジャーミーさんに、オフィスの清掃スタッフがある時、「あなたは人生をイエス様にささげないといけない」と説教してきたのだそうだ。

その清掃スタッフは、ジャーミーさんにTSCに行くよう勧めた。言われるままにTSCに行ってみると、そこには、日曜日に教会に行くだけの形式的な信仰ではない、生きた信仰があった。

TSCに通い始めてからは、海外へ宣教に行ったり、子ども用プログラムで奉仕したりと、教会活動にいそしむようになった。しかし、幸子さんはその時はまだ「自分は、娘が大きくなって家を出てからクリスチャンになるわ。今はそんな暇はないの」と言い張っていたそうだ。

大地の恵みをマンハッタンに届ける「愚か者たち」
神の芸術作品ともいえる美しいトマト

そんな時に幸子さんがステージ4(末期)の大腸がんと診断される。2年前のことだった。がんが発見されたときにはすでに肝臓にも移転しており、発見1週間後に即手術と言われた。2人は当時、新しい家を購入したばかりで、それまで住んでいた家の引き払いと引っ越しの予定がすでに入っていた。

手術、退院、引っ越しが立て続けに重なった。幸子さんは何もすることができなかったが、そこに思わぬ助けの手があった。一人娘の心美(ここみ)ちゃんが通うクリスチャンの学校の関係者が、トラックを出して総出で引っ越しを手伝ってくれたのだ。

学校に通う女の子たちが大勢来て家の窓を一枚ずつきれいに拭いてくれたり、静養中の幸子さんのために、病人用のベッドまで持ってきてくれたりしたという。突然の病に遭遇しながらもクリスチャンの温かさに触れた。

そして、これも神様の不思議な計らいか、幸子さんたちが引っ越したのは「ブルダホフ」というドイツ系のクリスチャンが多く住む地域だった。ブルダホフの人たちは、1世紀ほど前からアーミッシュやメノナイトのように自給自足の生活を営み、共同生活体を形成している。特に第2次世界大戦でナチスの迫害に遭ってから大きく増えたという。心美ちゃんが通う学校も、このブルダホフの人たちが運営するものだった。

大地の恵みをマンハッタンに届ける「愚か者たち」
ブルダホフの人たちにのり巻きを教える幸子さん

幸子さんの暮らしの中に、どんどんクリスチャンが送り込まれてくる中、心美ちゃんが通う日本語補習校で、クリスチャンだという一人の母親と知り合いになった。彼女はイエス・キリストを日本語で幸子さんに伝えるために、数時間車を運転して幸子さんの家に来てくれた。

「自分は夫のように、子どもの時から教会に行っていたわけでも、聖書を読んだわけでもないので、クリスチャンにはまだなれない」と言う幸子さんに、その女性は「聖書は後で読めばいい。イエス様を信じるために、別に何もしなくてもいいのよ。『ただイエス様がいる』ということを信じるだけでいいのよ」と話してくれたという。

今まで「『~しない』とクリスチャンになれない」と思っていた幸子さんは「ただ信じればいいって、そんな簡単なことなの? じゃあ、今すぐここでもクリスチャンになれるの?」と聞いた。その女性は「なれるよ」と言い、「それなら信じる」と応じた幸子さんを信仰告白に導いた。

そして祈りを終えた幸子さんに「今日からあなたはクリスチャンですよ」と言った。その途端、すべてのものが明るく見えたという。心美ちゃんを迎えに学校へ行くときも、風景が違って見え、イエス様が両腕を広げ、緑の中で遊ぶ子どもたちを包み込むようにして、愛を注いでいる姿を見たような気がした。こうして幸子さんも、ジャーミーさんと一緒に教会に通うようになった。

大地の恵みをマンハッタンに届ける「愚か者たち」
開店直前の身支度をする、左から幸子さん、心美ちゃん、ジャーミーさん

ある時、自分が受け入れたイエス・キリストへの信仰を、日本人の友人に分かち合った。しかしその友人の口からは「あなたは不幸だったから宗教に走ったんだろうけど、自分はそこまで落ちていない」という言葉が返ってきた。「残念だった」と幸子さんは言う。頑張り屋で、自分の夢や目標のために人一倍努力する日本人はたくさんいる。幸子さんもかつてはその一人だった。

「自分が一生懸命頑張れば何とか生きていける」「頑張れば自分で何でもできる」。そんな日本人にとって、「ただ信じる」「ただ委ねる」ということがどんなに難しいか、痛いほど分かる。しかし一人でも多くの人に、苦しい道を通らずにでも、ただ与えてくださる神様の愛と恵みを知ってほしい。それが幸子さんの願いだ。

幸子さんは手術後の回復のために、特に健康に良いものを食べる必要があった。また、世界約20カ国の貧しい子どもたち4千人余りに食べ物を届けている「チャイルドクライ」の活動を、少しでも支援したいという思いもあった。そうした中、家と共に購入した8エーカー(約9800坪)の土地で無農薬野菜を作り、その収益を寄付することを思い付いた。

アイデアは浮かんだものの、2人には農業の経験などまったくない。しかし、ブルダホフの人たちにこのアイデアを伝えると、快くビニールハウスを建ててくれたり、水やり用のテープを畑に取り付けてくれたり、さまざまな手助けをしてくれた。

「土が粘土質で野菜が育ちにくい」と相談すると、無農薬の土を無料でたくさん分けてくれた。「教会で野菜を売るなら」と、ブルダホフの子どもたちも、コミュニティーの学校で作った無農薬野菜や果物をたくさん分けてくれた。TSCもインターンを送ってくれ、トラックで野菜をマンハッタンに運ぶのを毎週手伝ってくれた。

何の見返りもなしに、時間や物、労力をただささげ、ただ与え、ただ奉仕する精神を持った人たちに囲まれて、幸子さんも自身をささげ、人にそして神に仕える者へと変えられていった。そしてその中で、がんに侵されていた自身の体も、また心も癒やされていった。現在、定期検査は受けているが、体重は手術前と同じに戻り、以前よりも体力があるという。

大地の恵みをマンハッタンに届ける「愚か者たち」
畑で作業する幸子さん

ジャーミーさんの家系は、両親だけでなく、祖父母や親戚も宣教師や牧師として神と人に人生をささげてきた人たちばかり。「これまで自分は、いつもその外にいたような気がしました。でも今は、自分が本当にこの家族の一員になれたと実感し、誇りに感じています」と幸子さんは言う。

今年の春はTSCの女性教会員たちが種植えを、また夏にはTSCが運営する聖書学校の卒業生がインターンとして住み込みで手伝ってくれた。インターンとして住み込みで手伝ってくれたモンゴル人のチョカさんは、「ファーミング(農業)の経験がある」と、TSCスタッフのお墨付きで送られてきた。

しかし「草むしりをして」と幸子さんがお願いすると、「どれが野菜の芽でどれが雑草か分からない」という返事が。聞いてみると、農業の経験があるというのは「アニマル・ファーミング(畜産)」の経験だったのだ。

そのため、幸子さんはチョカさんにすべてを一から教え、毎朝5時半から一緒に畑仕事にいそしんだ。おかげで今年の収穫は昨年の10倍。それまで野菜をマンハッタンに運ぶために使っていたトラックには入り切らなくなるという、うれしい問題も生じたそうだ。

大地の恵みをマンハッタンに届ける「愚か者たち」
インターンとして来たモンゴル人のチョカさん

この農園が今後どんな発展を遂げていくのかは分からない、と2人は言う。「ただこうして奉仕できることが幸せで、ひたすら主に用いられたいです」。来年はシイタケの栽培にも挑戦したいと考えている。

スリー・スタンプ・ファームの野菜を買ってくれるお客には、日本人も多いのだそうだ。TSCのすぐ近くに日本の銀行があり、TSCの日本人会員がそこに勤務していたこともあって口コミで日本人駐在員家族の間に広がったという。今年の夏には、他の日本人教会員の助けも借りて、おにぎりやたこ焼きなどを作って販売した。

大地の恵みをマンハッタンに届ける「愚か者たち」
日本人向けに作ったが米国人に意外と人気のおにぎり

野菜を育てる本人たちの健康、野菜を買って食べる人たちの健康、自然に触れることによる心と体の癒やし、奉仕の精神を学べること、そしてチャイルドクライに収益を寄付できることなど、この農業生活は「一石三鳥でも四鳥でもある」と話す幸子さん。

教会のさまざまな人たちの交流と奉仕、そして愛で育まれたこれらの野菜が、観光や仕事でニューヨークを訪れる世界中の人たち、そして野菜を買いに来る多くの日本人たちにとって、キリストの愛のメッセージに心を開くきっかけとなることを願わずにはいられない。来年の夏、神様が彼らの野菜を通して、どう働かれるかが楽しみである。

■ Three Stump Farm(スリー・スタンプ・ファーム)のインスタグラム

  • ツイート

関連記事

  • モンゴルのマンホールに住む子どもたち 「マンホールチルドレン」にホームを

  • スコセッシ監督との対談きっかけに『沈黙と美』日本の伝統美に神を見る日本画家フジムラ・マコト氏が出版

  • 世界に届け!日本のクリスチャンマンガ!  マンガミニストリーのケリー篠沢さん

  • 日本人脳科学者・ドクター愛子 科学を用いて聖書の奇跡を語る

  • “神の息”が吹き込まれた御言葉クッキー ニューヨークで日本人夫妻が製造

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ヨハネの黙示録(3)御言葉と証し 岡田昌弘

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.