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榮義之牧師「天の虫けら」(28)・・・悔い改め

2007年8月2日10時29分
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榮義之牧師+
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 次の日もその次の日も、授業もチャペルもなかった。先輩も同級生も後輩たちも、舎監の込山牧師にとりなしを依頼して、院長の下へ悔い改めに行き、許されてそれぞれの活動に戻っていた。



 私一人事情を飲み込めないままでいたが、同級生で十歳上の小林佐平さんが、「義之君、君が問題の元凶なんだよ。悔い改めなければいけないのは君なんだよ」と忠告してくれた。村田牧師に私が話した要求がいけなかったらしい。何でも話しなさいと言うので、思っていることを純粋に話しただけなのに、なぜ悔い改めなければならないのだろう?私には理解できなかった。



 昼食も食べず、学院の裏山へ出かけた。いつも一人で歩く山道を登り、落ち葉が舞う日だまりに腰を下ろした。みんなのためを思って話したのに、迷惑をかけているようだ。私が学院を辞めれば、この問題は解決するだろうか?いや、良い知らせを伝える足として召されたのに、自分が納得できない理由で辞める必要はないはずだ。かと言って、クート院長が辞める理由もない。でもこのまま授業がストップし、明日の日曜学校の時も外出禁止だったらどうしようもない。



 考えるのが面倒になり、落ち葉の上に寝ころがり、雲一つない青空を眺めていた。静かになった心に、聖霊の語りかけを聞き、クート師のことを思った。



 二十二歳の時にシベリヤ鉄道で来日、日本で十字架の福音を聞き、生まれ変わりを経験した先生。五年前の社長秘書としての契約が切れるとともに、独立の宣教師として日本に残り、ただ神様だけを頼りにして、西洋キツネ憑きとあざ笑われながら、異言の伴う聖霊のバプテスマの真理を掲げ、ペンテコステ信仰を旗印に、不可能をチャレンジとしてきた神の器。関東大震災の悲惨さにもくじけず、関西に導かれ、ここ生駒に五〇〇〇坪の敷地を取得し、信仰だけで聖書学院を建て、戦争中はアメリカに渡り、そこでも聖書学院や教会を建設した器。戦後はいち早く来日して学院を再開し、大阪救霊会館を建て、三六五日休む間もなく伝道に次ぐ伝道の日々を過ごし、ただ全能の神だけを頼りに、支援者もなく信仰だけで生きている。糖尿の身体にむち打って、朝早くから神学生を養成し、日本のリバイバルだけを願って、生涯を燃焼している器だ。



 院長のことを考えるうちに、不覚にも涙がほほを伝っていた。「主よ、お赦しください。理由はどうであれ、私のことばや態度が、このような事態を引き起こしてしまいました。悔い改めます。院長が学院を辞めなさいと言えば、無条件で従います」と悔い改めた。



 学院に戻り、スッキリした気持ちで舎監に事情を話した。クート師は「分かればいいだよ。私はあなたを赦します」と、謝罪を快く受け入れてくれた。そして、学院の歴史始まって以来の、これからも決してないであろう不測の事態に、終止符が打たれた。



 その日以来、クート師は厳父のように私を訓練し、慈母の愛で指導してくれた。授業の時はいつも「義之兄弟、聖書のどこに書いてあるかね」と尋ね、また私が何かやろうとすると「聖霊がほんとうに導いているかね」と心の奥底まで見透かすように動機を探ってくれた。そして「伝道するだよ。伝道しないなら、あなたの若いいのちを私がもらうだよ」とチャレンジを繰り返してくれた。師からの最後の手紙には、「あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ。わたしに求めよ。わたしは国々をあなたへのゆずりとして与え、地をその果て果てまで、あなたの所有として与える」(詩篇2:7,8)と、聖書のことばが書いてあった。



 私は今、この偉大な慈父のようだったクート師が創設した生駒聖書学院の院長として、その働きを継承している。この恵みをどのように表現したらよいだろうか。



(C)マルコーシュ・パブリケーション




◇



榮義之(さかえ・よしゆき)



 1941年鹿児島県西之表市(種子島)生まれ。生駒聖書学院院長。現在、35年以上続いている朝日放送のラジオ番組「希望の声」(1008khz、毎週水曜日朝4:35放送)、8つの教会の主任牧師、アフリカ・ケニアでの孤児支援など幅広い宣教活動を展開している。



 このコラムで紹介する著書『天の虫けら』(マルコーシュ・パブリケーション)は、98年に出版された同師の自叙伝。高校生で洗礼を受けてから世界宣教に至るまでの、自身の信仰の歩みを振り返る。

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