【CJC=東京】エジプトの選挙管理委員会は6月24日、大統領選決選投票で、イスラム主義組織「ムスリム同胞団」系の自由公正党のムハンマド・モルシ党首(60)が当選したと発表した。エジプト史上初の自由選挙による大統領。
アラブ世界でイスラム主義者が国家元首になるのは初めて。西側が支援する世俗派の独裁政権が支配してきたアラブ世界に衝撃を与えることは必至。
モルシ氏は、「自分は全エジプト人の大統領」と宣言、目指すのはイスラム国家だが異教徒の権利も完全に保障する、と訴えている。
モルシ氏の勝利にもかかわらず、エジプトが民主化に逆行する懸念は消えない。ムバラク独裁政権崩壊後に実権を握った軍最高評議会は新大統領に、外交権や首相を任命する権限などを移譲する一方、軍の指揮権や予算執行権などの権限は軍が持ち続ける方針。大統領と議会、軍の権限は今後制定する新憲法で規定することになっている。
ムスリム同胞団や2011年の民主化運動を支持した若者たちはこうした軍の姿勢を「民主化に逆行する」と強く反発している。
モルシ氏は1975年カイロ大学工学部卒業、米国の大学で工学博士号を取得。帰国後は教授として学生を指導した。同胞団に加わったのは学生時代の70年代とみられる。独裁政権崩壊後の2011年4月に同胞団傘下の自由公正党党首に就任した。
妻1人。男女5人の子どもと3人の孫がいる。趣味は読書という。
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