来週12日に聖霊降臨祭(ペンテコステ)を迎えるにあたって、世界教会協議会(WCC)の8人の議長らの共同メッセージが発表された。聖霊降臨祭に向けて、イエスキリストのうちにある神の御言葉、「神から発せられるエネルギー」である聖霊の力という私たちキリスト者に与えられた神聖なる賜物に感謝し、私たちひとりひとり、そしてそれぞれの教会の成す共同体において、私たちが聖霊の力にあって主に信頼する心を新たにし、聖霊の賜物を祝うことができるように新たな機会が与えられ、世界に正義と平和、希望をもたらすキリストの十字架と復活の証人として恵みを降り注ぐことができるように共に祈るように促している。メッセージの全容は以下の通りである。
聖霊降臨による革新と聖霊を証しする者へ~「聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます(使徒1・8)」―
聖霊降臨祭は、イースターから50日が経過し、教会に聖霊の力が降り注いだ日を記念してキリスト教会で毎年祝われています。聖書には聖霊降臨祭について、「聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます(使徒1・8)」「すると突然、天から、激しい風が吹いてくるような響きが起こり、彼らのいた家全体に響き渡った。また、炎のような分かれた舌が現われて、ひとりひとりの上にとどまった(使徒2・2~3)」と書かれてありますように、主が昇天される前に復活されたイエス・キリストの約束は、聖霊降臨祭の日に「激しい風が吹いてくるような響き」と「炎のような分かれた舌」という二種類の力によって実現しました。
その力強い風によって状況のすべてが更新されました。新たな環境を作り出し、キリストにあって新たないのちを生み出すエネルギーが与えられました。「激しい風が吹いてくるような響きが、彼らのいた家全体に響き渡り(使徒2・3)」、その後使徒たちは神聖なるエネルギーに満たされ、主が昇天される前「もう間もなく、あなたがたは聖霊のバプテスマを受ける(使徒1・5)」と言われた通りに「バプテスマ」を受けるようになりました。
もうひとつの力は「炎のような分かれた舌」に象徴されます。これは神による目に見えないエネルギーの証明ともいえるものです。聖霊は「炎のように」働かれますが、他の物を焼き尽くす危険で使い道のないものではなく、温かく、他者を癒し、力づける働きをします。聖霊は三位一体と人間の存在の神秘に関する真実を現すものとして、信じる者たちの上に永遠に留まります。
聖霊は「みなが一つ所に集まっていた(使徒2・1)」ときに生じました。信仰ある兄弟姉妹たちが120名ほど集まって共に祈っている中に生じ(使徒1・15)、教会の中の人々の集まりを三位一体の神による集まりへと変移させました。激しい風は「人間的な力」によって生じたのではなく「天の父による働き」によって生じました。そして炎のような分かれた舌がひとりひとりの上に留まりました。
聖霊によって「イエスが主である(Ⅰコリント12・3)」ことが人類全体に示され、主の恵みとともに人類全体の心の中に主が住まう世界が開かれました。聖霊はキリストの救いの働きを時空を超えて継続させ、キリストの神性が人間的な考えでは到底理解できない方法で「思いのままに吹く風(ヨハネ3・8)」のように働かれることを可能にさせました。
使徒たちが聖霊降臨祭の日に受けた聖霊の賜物は、彼ら自身の霊的な個人的成長のためだけに起こったのではありません。個人的な啓蒙、彼ら自身が聖霊による恍惚状態に浸る意味で生じたのではなく、救いの福音が「人の住む全地(エクメーネ)」にまで伝わり、世界を変遷させる働きを続けるために生じたのです。「しかし、聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります(使徒1・8)」と書かれてある通りです。
それまで世の権勢に恐れおののいていた弟子たちは、聖霊を受けて以来勇気ある使徒たちに転換され、キリストの使命を受け継ぐ者たちとして世に遣わされるようになりました。それ以後使徒による初代教会が形成されるようになりました。
信仰あるそれぞれの使徒たちが聖霊の宮となり、それぞれの人格が彼らに下った聖霊の賜物によって成熟するようになり、愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、
柔和、自制という聖霊の実を結ぶようになりました。彼らに与えられた聖霊の賜物により、世の人々の人間性の継続的な革新に貢献していくようになりました。
毎年の聖霊降臨祭によってれぞれの教会の共同体、そして私たちキリスト者それぞれが聖霊の力に依り頼み、私たちすべての魂が聖霊の力に満たされる新しい機会が与えられます。聖霊の力が私たちの上に降り注がれ、すべての汚れから私たちを清めてくださるように、私たちの勇気と決心を強めてくださるように、教会を新たにし、新たな息をを加え力づけてくださるように願います。今日の苦しみに満ちた世の中において、私たちに聖霊の力を与え、十字架の死と復活により現れた義、平和と希望の証人とならしめるように願います。
アルバニア正教会 アナスタシオス主座主教
フランス領ポリネシアマオヒプロテスタント教会 ジョン・タロアヌイ・ドゥーム氏
ナイジェリアベニンメソジスト教会 シモン・ドッソー博士
インドネシアプロテスタントクリスチャンバタク教会 ソリトゥア・ナババン博士
キューバ長老改革教会 オフェリア・オルテガ博士
エチオピア正教会 アブネ・パウロス総主教
米合同キリスト教会 バーニス・パウエル・ジャクソン博士
英国国教会 メアリー・タンナー博士
以上WCC議長8名による共同メッセージ
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