Skip to main content
2025年6月17日06時18分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 教育

コリントの手紙、考古学でより深く-豪神学大学学長が講演

2011年6月4日22時56分
  • ツイート
印刷
ブルース・ウィンター博士。2011年6月4日、東京都千代田区OCCで。+
コリントの都市の再現画像が紹介された。2011年6月4日、東京千代田区OCCで。+
 聖書考古学資料館(TMBA)は4日、お茶の水クリスチャンセンター(OCC)で第18回特別講演会を開催し、オーストラリアクィーンズランド神学大学学長のブルース・ウィンター博士が「岩の上のコリント-考古学とコリント教会-」と題した講演を行った。新約学者であるウィンター博士は、特に新約聖書コリント人への手紙の研究で良く知られており、2000年前に存在したコリントの都市における偶像礼拝の問題について深く探究し、コリントに関する多数の著書を執筆している。

 講演においてウィンター博士は、考古学を学ぶことが2000年前に書かれた新約聖書の内容を深く理解することに役立つことを説明した。そのたとえとして、「他人が携帯電話で会話をしているとき、他人の会話の内容を把握しようとしてもこちらからは携帯電話で話している向こう側の声までは聞くことができません。話しかけている側の話を聞きながら、なんとなく相手が話していることを推測するしかありません」と述べた。

 新約聖書のコリントの手紙も、パウロ使徒が当時のコリントの都市において生じている問題について、信徒たちから送られた手紙に対する返信として元は書かれたものである。現代に生きる私たちが、現代の価値観・文化をそのままコリントの手紙に当てはめて理解しようとしても、携帯電話で話をしている一方だけの話を聞くようなもので、なかなか理解することが難しい面がある。

 コリントの手紙という2000年前のコリントの都市における信徒たちへの手紙を読む際に、携帯電話の向こう側-つまりパウロ使徒に手紙を送った当時の信徒たちを取り囲んでいる状況を知ることで、初めてコリントの手紙の全容を深く理解することができる。その意味でウィンター博士は聖書学と考古学双方が互いに関係し合うことが重要であると述べた。学問研究を行う際に聖書学、歴史学、考古学などそれぞれの学問が交わることなく別々に研究が進むことで、それぞれの学問の間の隔たりが形成され、互いに交わることで生まれる新たな発見が見落とされてしまうことがあるという。聖書を理解する際にも、聖書学のみではなく、考古学によってその時代の背景を知ることでより深い理解が促されることが講演の中で示された。OCCには考古学資料館があるが、ウィンター博士は、この様な考古学資料館と神学大学が互いに互いを助け合うことでより深い発展に寄与することが期待されると指摘した。

 ウィンター博士によると、1925年に新たに発見されたコリントの碑文からは、コリントの都市で穀物の供給を行う責任者が食糧難に対応している状態についての記述が見つかったという。Ⅰコリントの手紙7章26節を見れば「現在の危急のとき」と書かれてあるが、碑文を解読し、当時の状況を知ることでコリントの都市が食糧難に直面していた状況下にあったことを踏まえてパウロ使徒の言葉の意図を読み取ることができることを伝えた。

 またⅠコリント12章3節には「神の御霊によって語る者はだれも、『イエスはのろわれよ』と言わず」と書かれてあるが、この御言葉に関しても当時の偶像崇拝に満ちたコリントの都市の人々の習慣を調べると、当時の人々は偶像の神を崇拝し、その神の名によって自分の敵を呪うようにと祈願する習慣が頻繁に見られたという。当時の状況を知ることで、パウロ使徒はそのような間違った習慣を指摘して「神の御霊によって語る者はだれも『イエスはのろわれよ』とは言わない」と述べていたことが理解できるようになるという。

 Ⅰコリント8章では「偶像に捧げた肉」について記述されているが、これも当時の状況を調べると、コリントの都市では神格化されたローマ皇帝が崇拝されていた。そのような時代にあって、皇帝のために捧げられた食物に祭りの際にキリスト教徒も一般大衆に混ざって「偶像に捧げられた肉」を食べることを良いと思わない人々が存在していたため、その人々に向けてパウロ使徒が手紙として書き送ったものであると理解することで、より深くパウロ使徒の思いが読み取れるという。

 またⅠコリント11章の「かぶり物」に関する記述は、当時の文化的背景を理解しなければ、現代に生きる私たちにはなかなか本意が伝わりにくい。当時コリントの都市では多くの偽りの神々が崇拝されており、そのような神々から預言を受けるときに、異教の預言者は頭にかぶり物をして祈ったという。その意味で、イエスを信じる者が頭にかぶり物をして祈れば、異教の神の崇拝に倣っていることになるため、自分の頭を異教の神に捧げることで「はずかしめる」ことになってしまう。また「女がかぶり物をしない」ことについては、現代の夫婦が結婚後に結婚指輪をはめるのと同じように、当時のコリントの都市では、女性は結婚後に人前に出るときは「頭にかぶり物」をする習わしになっていたという。もし結婚しても頭にかぶり物をしていない女性がいれば、その女性が既婚であるという事実を放棄していることを意味し、また姦淫を犯した既婚者の女性は、罰として髪を切られるということが生じていたという。そのためパウロ使徒はⅠコリント11章6節で「髪を切り、頭をそることが女として恥ずかしいことなら、かぶり物を着けなさい」と述べているのだという。また当時の女性信徒たちの中では、教会でわざと既婚者であるのにかぶり物を脱いで、互いに自分の祈る力や祈っている様子を競い合うというような間違った信仰の姿も見られていたという。

 当時の文化背景を知ることで、パウロ使徒が信徒となった男女に特別な規定を命じようとしているのではなく、かえって異教の神に仕える習慣を止め、自然な状態で信仰を持つように信徒たちに勧めていたことが理解できる。

 ウィンター博士はコリントの手紙を考古学と並行させて読み解くことによって、パウロ使徒がコリントという皇帝崇拝・異教の神々の崇拝に満ちた都市において、いかにキリストにある信徒が他の人々と信仰において区別された上で生活していくべきかを伝えようとしていたかを理解することができ、世界には究極には二つの宗教しかないことに気づくことができると指摘した。

 ひとつの宗教は「天に行くためには私が神に対して何をしなければならないか」を考える宗教であり、そしてもうひとつは「天に行くためにすべきことはイエスキリストが十字架で罪を贖われたことで既に完了されている。私たちはその教えに従う責任が残されているだけである」と考える宗教であると指摘した。その上で「義務を全うする」、「主人に忠誠を尽くす」という文化においては西欧文化よりも東洋文化の方が優れているのではないかと指摘した。

 現代社会もコリントの都市の状況と似たような状況にあるといえる。多元主義でさまざまな価値観が溢れているが、その中にあってキリスト教徒には唯一の神が存在している。Ⅰコリント8章6節ではこの様な様々な異教の神々にあふれた文化的状況を踏まえ、「私たちには、父なる唯一の神がおられるだけ」であると書かれている。

 ウィンター博士は講演の最後に「聖書を良く理解できるようになるために、神様が考古学という贈り物を残してくださったことに感謝します」と述べた。TMBAは毎週月曜日と土曜日の午後1時から6時まで開館している(入場料無料)。聖書の時代の人々が実際に生活し、具体的に関わりを持った世界を、目に見える情報資料によってできるだけリアルに再現し、そのことによって日本人に正しい聖書理解を勧める活動を行っており、活動を支援する会員を募集している(年会費3000円)。

  • ツイート

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • リック・ウォレン牧師、カトリックのイベントで講演 宣教による一致を語る

  • 「もうひとりの助け主」の恵みを受けよう 万代栄嗣

  • 自分の考えを大切に生きよう 菅野直基

  • 待ち望む力 佐々木満男

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • ワールドミッションレポート(6月13日):カメルーンのクワクム族のために祈ろう

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • リック・ウォレン牧師、カトリックのイベントで講演 宣教による一致を語る

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 自分の考えを大切に生きよう 菅野直基

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.