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コリントの手紙、考古学でより深く-豪神学大学学長が講演

2011年6月4日22時56分
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ブルース・ウィンター博士。2011年6月4日、東京都千代田区OCCで。+
コリントの都市の再現画像が紹介された。2011年6月4日、東京千代田区OCCで。+
 聖書考古学資料館(TMBA)は4日、お茶の水クリスチャンセンター(OCC)で第18回特別講演会を開催し、オーストラリアクィーンズランド神学大学学長のブルース・ウィンター博士が「岩の上のコリント-考古学とコリント教会-」と題した講演を行った。新約学者であるウィンター博士は、特に新約聖書コリント人への手紙の研究で良く知られており、2000年前に存在したコリントの都市における偶像礼拝の問題について深く探究し、コリントに関する多数の著書を執筆している。

 講演においてウィンター博士は、考古学を学ぶことが2000年前に書かれた新約聖書の内容を深く理解することに役立つことを説明した。そのたとえとして、「他人が携帯電話で会話をしているとき、他人の会話の内容を把握しようとしてもこちらからは携帯電話で話している向こう側の声までは聞くことができません。話しかけている側の話を聞きながら、なんとなく相手が話していることを推測するしかありません」と述べた。

 新約聖書のコリントの手紙も、パウロ使徒が当時のコリントの都市において生じている問題について、信徒たちから送られた手紙に対する返信として元は書かれたものである。現代に生きる私たちが、現代の価値観・文化をそのままコリントの手紙に当てはめて理解しようとしても、携帯電話で話をしている一方だけの話を聞くようなもので、なかなか理解することが難しい面がある。

 コリントの手紙という2000年前のコリントの都市における信徒たちへの手紙を読む際に、携帯電話の向こう側-つまりパウロ使徒に手紙を送った当時の信徒たちを取り囲んでいる状況を知ることで、初めてコリントの手紙の全容を深く理解することができる。その意味でウィンター博士は聖書学と考古学双方が互いに関係し合うことが重要であると述べた。学問研究を行う際に聖書学、歴史学、考古学などそれぞれの学問が交わることなく別々に研究が進むことで、それぞれの学問の間の隔たりが形成され、互いに交わることで生まれる新たな発見が見落とされてしまうことがあるという。聖書を理解する際にも、聖書学のみではなく、考古学によってその時代の背景を知ることでより深い理解が促されることが講演の中で示された。OCCには考古学資料館があるが、ウィンター博士は、この様な考古学資料館と神学大学が互いに互いを助け合うことでより深い発展に寄与することが期待されると指摘した。

 ウィンター博士によると、1925年に新たに発見されたコリントの碑文からは、コリントの都市で穀物の供給を行う責任者が食糧難に対応している状態についての記述が見つかったという。Ⅰコリントの手紙7章26節を見れば「現在の危急のとき」と書かれてあるが、碑文を解読し、当時の状況を知ることでコリントの都市が食糧難に直面していた状況下にあったことを踏まえてパウロ使徒の言葉の意図を読み取ることができることを伝えた。

 またⅠコリント12章3節には「神の御霊によって語る者はだれも、『イエスはのろわれよ』と言わず」と書かれてあるが、この御言葉に関しても当時の偶像崇拝に満ちたコリントの都市の人々の習慣を調べると、当時の人々は偶像の神を崇拝し、その神の名によって自分の敵を呪うようにと祈願する習慣が頻繁に見られたという。当時の状況を知ることで、パウロ使徒はそのような間違った習慣を指摘して「神の御霊によって語る者はだれも『イエスはのろわれよ』とは言わない」と述べていたことが理解できるようになるという。

 Ⅰコリント8章では「偶像に捧げた肉」について記述されているが、これも当時の状況を調べると、コリントの都市では神格化されたローマ皇帝が崇拝されていた。そのような時代にあって、皇帝のために捧げられた食物に祭りの際にキリスト教徒も一般大衆に混ざって「偶像に捧げられた肉」を食べることを良いと思わない人々が存在していたため、その人々に向けてパウロ使徒が手紙として書き送ったものであると理解することで、より深くパウロ使徒の思いが読み取れるという。

 またⅠコリント11章の「かぶり物」に関する記述は、当時の文化的背景を理解しなければ、現代に生きる私たちにはなかなか本意が伝わりにくい。当時コリントの都市では多くの偽りの神々が崇拝されており、そのような神々から預言を受けるときに、異教の預言者は頭にかぶり物をして祈ったという。その意味で、イエスを信じる者が頭にかぶり物をして祈れば、異教の神の崇拝に倣っていることになるため、自分の頭を異教の神に捧げることで「はずかしめる」ことになってしまう。また「女がかぶり物をしない」ことについては、現代の夫婦が結婚後に結婚指輪をはめるのと同じように、当時のコリントの都市では、女性は結婚後に人前に出るときは「頭にかぶり物」をする習わしになっていたという。もし結婚しても頭にかぶり物をしていない女性がいれば、その女性が既婚であるという事実を放棄していることを意味し、また姦淫を犯した既婚者の女性は、罰として髪を切られるということが生じていたという。そのためパウロ使徒はⅠコリント11章6節で「髪を切り、頭をそることが女として恥ずかしいことなら、かぶり物を着けなさい」と述べているのだという。また当時の女性信徒たちの中では、教会でわざと既婚者であるのにかぶり物を脱いで、互いに自分の祈る力や祈っている様子を競い合うというような間違った信仰の姿も見られていたという。

 当時の文化背景を知ることで、パウロ使徒が信徒となった男女に特別な規定を命じようとしているのではなく、かえって異教の神に仕える習慣を止め、自然な状態で信仰を持つように信徒たちに勧めていたことが理解できる。

 ウィンター博士はコリントの手紙を考古学と並行させて読み解くことによって、パウロ使徒がコリントという皇帝崇拝・異教の神々の崇拝に満ちた都市において、いかにキリストにある信徒が他の人々と信仰において区別された上で生活していくべきかを伝えようとしていたかを理解することができ、世界には究極には二つの宗教しかないことに気づくことができると指摘した。

 ひとつの宗教は「天に行くためには私が神に対して何をしなければならないか」を考える宗教であり、そしてもうひとつは「天に行くためにすべきことはイエスキリストが十字架で罪を贖われたことで既に完了されている。私たちはその教えに従う責任が残されているだけである」と考える宗教であると指摘した。その上で「義務を全うする」、「主人に忠誠を尽くす」という文化においては西欧文化よりも東洋文化の方が優れているのではないかと指摘した。

 現代社会もコリントの都市の状況と似たような状況にあるといえる。多元主義でさまざまな価値観が溢れているが、その中にあってキリスト教徒には唯一の神が存在している。Ⅰコリント8章6節ではこの様な様々な異教の神々にあふれた文化的状況を踏まえ、「私たちには、父なる唯一の神がおられるだけ」であると書かれている。

 ウィンター博士は講演の最後に「聖書を良く理解できるようになるために、神様が考古学という贈り物を残してくださったことに感謝します」と述べた。TMBAは毎週月曜日と土曜日の午後1時から6時まで開館している(入場料無料)。聖書の時代の人々が実際に生活し、具体的に関わりを持った世界を、目に見える情報資料によってできるだけリアルに再現し、そのことによって日本人に正しい聖書理解を勧める活動を行っており、活動を支援する会員を募集している(年会費3000円)。

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