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ヴォーリズ建築3件が登録有形文化財に、合計数は最多の37件

2008年9月28日04時00分
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六甲山荘(旧小寺家山荘)の内装。避暑での利用を想定し、北側には壁いっぱいに窓が広がっている。+
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 国の文化審議会(石沢良昭会長)は26日、キリスト教関係の建築物も含め日本で数多くの西洋建築を手がけたW・M・ヴォーリズが設計した日本福音ルーテル市川教会会堂(千葉県市川市)、六甲山荘(神戸市灘区)、京都工芸繊維大KIT倶楽部(京都市左京区)の3件を含む、全国21都道府県、43カ所にある計110件の建造物を国の登録有形文化財(建造物)に登録するよう、塩谷文部科学相に答申した。



 ヴォーリズが設計した建築物はすでに、同志社大の啓明館、アーモスト館(京都市上京区)や日本基督教団・大阪教会(大阪市西区)、近江八幡YMCA会館(滋賀県近江八幡市)など34件が登録有形文化財に選ばれており、今回の3件が加わったことで合計登録数は一人の建築家の作品としては最多の37件となった。



 今回選ばれた日本福音ルーテル市川教会会堂は1956年完成の木造建築物。建築面積約148平方メートルで、2階建ての礼拝堂と4階建て鐘楼で構成される。鐘楼には建築当時の鐘も残されている。切り妻造りの簡素な礼拝堂や、半円のアーチ窓、玄関扉などにヴォーリズ建築の特徴が表れているという。



 ヴォーリズは滋賀県近江八幡市を拠点に活躍した建築家で、ヴォーリズが設計した建築物は関西地方に多く見られるが、関東地方でも良好な状態で保存されていたことが今回の登録理由に挙げられた。



 一方、六甲山荘(旧小寺家山荘)は1934年建築の木造平屋262平方メートル、山荘建築の特色が豊かに見られる建物。避暑での利用を想定して設計されたため、夏の直射日光が入る南側は窓が少なく、居間がある北側は壁いっぱいに窓が広がっている。



 京都工芸繊維大KIT倶楽部(旧舟岡家住宅離れ)は、今回選ばれたヴォーリズ建築の中では最も古い1929年築の建物。旧京都帝国大教授の舟岡省吾が父の隠居部屋として建てたもので、暖炉のある応接間や床の間、違い棚が設けられた和室などが評価された。1975年からは京都工芸大が倶楽部ゲストハウスとして使用している。





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