Skip to main content
2025年6月16日23時55分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
日本宣教論

日本宣教論(47)歴史上の「神道」 後藤牧人

2017年9月6日07時01分 コラムニスト : 後藤牧人
  • ツイート
印刷
関連タグ:後藤牧人

歴史上の「神道」

日本中、至る所に神社がある。そこでは、古式に従って神事が行われており、一般的な印象からすれば、古代からこの形で続いてきたと思われる。しかし問題は、そんなに簡単なものではない。現在の神社の形態は、明治以後のことなのである。それ以前は、神社の形態は非常に異なったものだったのである。

東京の郊外の高尾山に登ると、仏教寺院であるはずなのに鳥居がある。 混淆(こんこう)の名残がある。明治になって法律により神仏の分離が命じられたが、東京には多くの神社・仏閣があり、高尾山は甲州に近い山の上でもあり、監視が行き渡らなかったのだろうか。高尾山薬王院に限らず、このような混合の名残は全国各所に見られる。

実は、明治からさかのぼって千年以上の間、神道は仏教の一部であり、神官は経を読み、仏教の勤行を行っていた。千年間というものは、独立した神道の神社などというものは存在したことがなかった。

「神仏混淆」という用語が問題である。この用語を見ると、もともと神道と仏教は、2つの独立した宗教であった。そうして、それらがいつしか「混合」した。そういう意味が含まれている。

明治になって「神仏判然令」が発布されて両者は分離したのだが、その分離によって「本来の形」に戻った。そういう印象を与えるが、この説明は果たして正しいのだろうか。

実は、そこのところが明白でない。戦時中に鼓吹(こすい)された「国家神道」は、日本に古来からあった伝統的な宗教ではないのである。神としての天皇を中心とする「国家神道」などというものは、明治政府が学者に命じて考案させたものであった。それまでは「国家神道」なるものは、存在していなかったのである。

そもそも純粋な「神道」というものは、どのようなものだったか。また果たして純粋な神道などというものがあったのか、それとも無かったのか。実は、それについての歴史的な資料は欠如しているのである。「純粋な神道」などというものについての文書記録は、存在しないのである。つまり神道に関する記録は、そのすべてが仏教と混合した形の記録であり、いわば仏教信仰の一部、または辺縁としての神道の記録しか存在しない。

神道とは何かという問いに対する答えとしては2つあり、① 土俗のバラバラの神々信仰が多層に仏教に寄生することによって成長し、成立したとするものが1つである。また、② 神道という独立した宗教がまずあった。そうして中世以後、それが仏教と混合した、というのがもう1つの説である。実は、これら2つの可能性のうち、どちらにも証拠はなく、いずれも仮説にすぎない。

① を支持する立場としては、中国で「神道」とは道教のことであり、日本でも最古の「神道」に関する記述は明らかに「道教」のことであるとする(大阪市立大の黒田俊雄、平雅行など)。彼らによれば「神道」は独立した宗教として存在したことはなく、常に仏教の一部だった(平雅行著『日本中世の社会と仏教』塙書房)。

また、黒田俊雄の『王法と仏法』(法蔵館)には、仏教の哲学性、また来世性を補い、現世の祝福を与えるものとして民間の神像礼拝があり、老翁、狩人、行者、童子などを礼拝するものがあった。それらが仏教哲学を補うもの、現世の祝福を担当する部門として発達した。それを神道という。

これに反し、② の考えによると、日本にはもともと神道があったが、やがて仏教が伝来し、両者の混合が行われたとする。この立場にも、証拠は存在せず、仮説にすぎない。また、専門の学者で ② を取る人はほとんどいないようである。

繰り返して言うと、「独立して存在していた神道」とか、「仏教との混合によって変化させられる前の純粋の神道」についての存在の証拠は存在しない。歴史上で知られる限りの神道とは、常に仏教信仰と混合された形で記録されており、仏教信仰の一部を成している。

神道の起源などということについて、小生はこれを論じる資格など到底ないのであるが、なお現代に見られる事物のうちから、神道の起源をうかがわせると思われる2、3の事例、または要素を取り上げ、それらについて考えてみたいと思う。

あえて資格のない者が、神道の起源について論じようとするのはおこがましいのであるが、やはり試みねばならない。なぜならば、日本宣教学はそのことの論議なしでは成立できないのである。また、宣教学の見地からして、ある程度の妥当性を持った議論はできるのではないか、と思うのである。そこで原始神道、朝鮮半島由来の神道、御霊信仰の3つに分けて、神道の起源を考えたい。

(後藤牧人著『日本宣教論』より)

<<前回へ     次回へ>>

*

【書籍紹介】
後藤牧人著『日本宣教論』 2011年1月25日発行 A5上製・514頁 定価3500円(税抜)

後藤牧人著『日本宣教論』

日本の宣教を考えるにあたって、戦争責任、天皇制、神道の三つを避けて通ることはできない。この三つを無視して日本宣教を論じるとすれば、議論は空虚となる。この三つについては定説がある。それによれば、これらの三つは日本の体質そのものであり、この日本的な体質こそが日本宣教の障害を形成している、というものである。そこから、キリスト者はすべからく神道と天皇制に反対し、戦争責任も加えて日本社会に覚醒と悔い改めを促さねばならず、それがあってこそ初めて日本の祝福が始まる、とされている。こうして、キリスト者が上記の三つに関して日本に悔い改めを迫るのは日本宣教の責任の一部であり、宣教の根幹的なメッセージの一部であると考えられている。であるから日本宣教のメッセージはその中に天皇制反対、神道イデオロギー反対の政治的な表現、訴え、デモなどを含むべきである。ざっとそういうものである。果たしてこのような定説は正しいのだろうか。日本宣教について再考するなら、これら三つをあらためて検証する必要があるのではないだろうか。

(後藤牧人著『日本宣教論』はじめにより)

ご注文は、全国のキリスト教書店、Amazon、または、イーグレープのホームページにて。

◇

後藤牧人

後藤牧人

(ごとう・まきと)

1933年、東京生まれ。井深記念塾ユーアイチャペル説教者を経て、町田ゴスペル・チャペル牧師。日本キリスト神学校卒、青山学院大学・神学修士(旧約学)、米フィラデルフィア・ウェストミンスター神学校ThM(新約学)。町田聖書キリスト教会牧師、アジアキリスト教コミュニケーション大学院(シンガポール)教授、聖光学院高等学校校長(福島県、キリスト教主義私立高校)などを経て現職。

■ 【後藤牧人著書】(Amazon)
■ 【後藤牧人著書】(イーグレープ)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:後藤牧人
  • ツイート

関連記事

  • 日本宣教論(46)国家神道イデオロギー  後藤牧人

  • 日本宣教論(45)ナチズムとの関係  後藤牧人

  • 日本宣教論(44)天皇礼拝  後藤牧人

  • 日本宣教論(43)天皇という呼称  後藤牧人

  • 日本宣教論(42)天皇神人説  後藤牧人

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • リック・ウォレン牧師、カトリックのイベントで講演 宣教による一致を語る

  • 「もうひとりの助け主」の恵みを受けよう 万代栄嗣

  • 自分の考えを大切に生きよう 菅野直基

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • ワールドミッションレポート(6月16日):アンゴラのクワンガリ族のために祈ろう

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(21)アデオダートスと再会する

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月11日):キリスト教信仰が最も急速に成長している国々

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • 自分の考えを大切に生きよう 菅野直基

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.