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山北宣久牧師「それゆけ伝道」(19)・・・蛇と鳩

2008年6月13日22時34分
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山北宣久牧師+
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 主イエスが十二人を遣わすにあたって「蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい」と勧めたことはよく知られています。



 「蛇のように賢く」とはどんな在り方でしょう。12種類の蛇が聖書に出てきますが、40回の用例中、良いのは「モーセが荒野でへびを上げた」例ぐらいです(出エジプト7章15、ヨハネ3章14)。



 蛇のイメージが悪いのはアダムとエバを誘惑して堕落させたからでしょう。「それを食べるとあなたは神のようになるでしょう」とヘビがヘビル語で言ったといういわくつきの箇所です(創世記3章5)。



 このような悪魔的な役割を果たす蛇に倣えとはどういうことでしょう。



 獲物を睨む鋭い眼力、タイミングをはずさぬ敏捷さは伝道する弟子にヒントを与えます。また「脱皮できぬ蛇は死ぬ」(ニーチェ)のです。変らぬ言葉に身を巻きつけ脱皮し変わり行く世に対処していく賢さを身につけねばなりません。総じて「光の子がこの世の子より弱い」(ルカ16章8)だけではいけないのでしょう。



 「鳩のような素直さ」とは何でしょう。



 オリーブの若葉を咬えた鳩(創世記8章11)はイスラエルのシンボルであり、新約では聖霊の象徴です。この素直さとあるのは帰巣性、つまり帰り行くべき時に魂の故郷たる神のもとに帰る素直さでしょう。エレミヤはその帰巣性を失ったことを嘆きました(エレミヤ8章7)。神のもとに帰る鳩の素直さなき賢さは単なる悪知恵になります。また悪の中ですり抜ける蛇の賢さなき素直さは、単なるお人好しになり終わります。



 狼の中に遣わされた羊は、羊飼に養われ守られねばひとたまりもありません。その厳しい現実の中、蛇と鳩のバランスは伝道実践上、欠くべからざるものです。



 強かさと優しい心、強靭な精神と、柔軟な魂を与えられ羊飼のもとで健闘しましょう。



(C)教文館




◇




山北宣久(やまきた・のぶひさ)



 1941年4月1日東京生まれ。立教大学、東京神学大学大学院を卒業。1975年以降聖ヶ丘教会牧師をつとめる。現在日本基督教団総会議長。著書に『福音のタネ 笑いのネタ』、『おもしろキリスト教Q&A 77』、『愛の祭典』、『きょうは何の日?』、『福音と笑い これぞ福笑い』など。



 このコラムで紹介する『それゆけ伝道』(教文館、02年)は、同氏が宣教論と伝道実践の間にある溝を埋めたいとの思いで発表した著書。「元気がない」と言われているキリスト教会の活性化を期して、「元気の出る」100のエッセイを書き上げた。

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