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オランダ右翼議員が「コーラン」批判の短編映画 イスラム界で反発

2008年4月1日00時56分
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 【CJC=東京】オランダの極右政党『自由党』のヘールト・ウィルダース党首が3月27日、イスラム教の聖典コーランを批判する約15分間の映画「フィトナ」を自主制作、英国のインターネットサイト『ライブリーク』上で公開したが、サイトに脅迫があり、早くも29日には削除された。ただ映画自体は『ユーチューブ』など他のサイトで見ることが出来る。



 「フィトナ」は、コーランから引用した言葉を米同時テロやマドリッドでの映像に重ね、「イスラム化を防ごう」と呼び掛ける内容。公開後、パキスタンのカラチで、オランダとの断交を求めるデモがあったほか、イラン、インドネシア両国外務省が非難を表明した。



 2005年、デンマーク紙がイスラム教預言者ムハンマドの風刺画を掲載したのを契機に、イスラム諸国で反欧州デモや騒乱が広がったが、その再燃を懸念して、オランダ政府は映画自体とは距離を置いており、オランダのイスラム教指導者も平静を呼び掛けていた。



 英国のサイト『ライブリーク』は29日、身の危険を感じる脅迫を受けたとしてサーバーから映画を削除、「ネット上での言論の自由にとっては悲しい日だ。しかしスタッフの安全を最優先しなければならない」という声明を発表した。



 ウィルダース氏は当初、オランダ市民などに対し報復が加えられても、「そのようなことが起こらないように願うが、誰かが実行したからといってその責任は自分にはない」と語っていたが、実際に脅迫が行われたことで「表現の自由にこのような重大な打撃となる恐るべきこと」としながらも、サイトの公開中止に理解を示した。



 国連の潘基文事務総長は28日、「侮辱的な反イスラム映画の公表を最大限の表現で非難する」として、中止を求める声明を発表した。声明は「自由には常に社会的責任が伴わなければならない」と指摘。宗教的対立に関し「(問題は)イスラムと西洋の間にあるのではなく、双方の一部過激派の間にあることを認識すべきだ」と述べた。

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