【CJC=東京】ロンドン高裁のアリステア・マクダフ判事が11月8日、カトリック教会が運営している子どもの家に入所していた女性が司祭によって性的虐待を受けたと主張し、それが認められた場合、管轄のポーツマス教区クリスピアン・ホリス司教に責任があるとする判決を下した。
「このケースは、賠償請求に大きく影響する可能性がある。英国だけでなく他国でも注目している。他の教会にとっても、これまで聖職者は従業員ではなく任職者だとしていたような場合、今回の判決の影響は大きい」と、公営BBC放送のロバート・ピゴット宗教記者は言う。『タイムズ』紙も、「今回のケースは被害者の賠償請求に大きく影響し、世界中が注目している」と報じた。
英国の裁判所にとって、聖職者の行動に教会は責任があるか、それとも「代位責任」かを判断するのは初めてのこと。カトリック教会側の弁護士は即時控訴の意向。
問題の事件は、「JGE」と仮称されている女性が、1970年代にイングランド南部ハンプシャー州ウオータービルの子どもの家『ザ・ファーズ』に入居していた際に、ウィルフレッド・ボールドウィン神父に性的暴行を受けたというもの。同神父は2006年に死去している。
教会側の弁護士は、聖職者は従業員ではなく「自営」だから、教会が賠償金を支払う必要はない、と主張した。
マクダフ判事は、聖職者は公式には従業員ではないので、雇用契約も指揮監督も賃金支払いもない、とのポーツマス教区の主張に留意したものの、「教会が完全な権限を与え、資産、講壇と聖服を与えた。外部に対しては教会代表者として振る舞う権限を与えていた。その地位に任命したのは教会だ」と述べている。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目
-
英聖公会の聖職者ら約700人がカトリックに、この30年余りで 女性司祭導入後に急増
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(237)聖霊による傾聴活動は日本社会を覚醒する(後編) 広田信也
-
元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも
-
聖なる励まし 穂森幸一
-
綱渡りのような人生 菅野直基
-
南・東南アジア各国で洪水・土砂崩れ、1700以上人が死亡 キリスト教団体が緊急支援
-
旧統一協会の田中富広会長、道義的責任など理由に辞任 「謝罪の意を込めおわび」
-
ワールドミッションレポート(12月15日):ガザ 憎しみの英才教育―ハマス創設者の娘が語る真実(2)
-
ワールドミッションレポート(12月14日):ガザ 憎しみの英才教育―ハマス創設者の娘が語る真実(1)
-
元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも
-
2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目
-
映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く
-
「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」
-
日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも
-
英国で「路傍伝道者憲章」 相次ぐ街頭説教中の逮捕受け
-
京都ノートルダム女子大学、次期学長に酒井久美子氏 学生募集停止の来年4月から
-
【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』
-
ニカイア公会議1700周年を記念、開催の地で一致求め祈る 教皇や全地総主教らが参加
-
東洋英和女学院大学、次期学長に藁谷友紀氏















