常総水害発生から4カ月、復興支援さらに必要 被災地でボランティア説明会

2016年2月8日16時33分 記者 : 坂本直子 印刷
常総水害発生から4カ月、復興支援さらに必要 被災地でボランティア説明会
土に埋まったゴミを拾い集めるボランティアの参加者たち。常総市の大規模農家の農地は、水害の後、廃棄物の仮置き場となったため、重機では取り切れないガラス片や木片で今も一面埋め尽くされている。(写真:日本国際飢餓対策機構提供)

昨年9月の関東・東北豪雨によって鬼怒川の堤防が決壊し、甚大な水災被害を受けた茨城県常総市。水害発生から4カ月が経過した1月23日、「常総復興を支える会」が企画した常総市水害・農業支援ボランティアの説明会(ゆいまーるの家主催)が、常総市三坂町の上三坂公民館で行われた。県内外から30人が集まり、実際の被災地を見てもらい、その現状を通して、今後さらに必要となるボランティア活動について話を聞いた。

今回のプログラムは、午前中は田畑の清掃ボランティアを実際に体験してもらい、午後からは講演会がもたれた。災害ボランティアのプロとして知られ、水害直後から常総市に入り、「ゆいまーるの家」を立ち上げたNGO「結」代表の前原土武(とむ)さんが「私にできること」と題して講演し、「外から来るボランティアはいずれは帰ってしまうことになるので、近隣の人にボランティアに入ってもらい細く長く続けていってほしい」と語った。また、日本国際飢餓対策機構、オープンジャパン、茨城NPOセンター・コモンズといった、常総市を支援する各団体の担当者が、ボランティア活動について分かりやすく説明した。

常総水害発生から4カ月、復興支援さらに必要 被災地でボランティア説明会
午後に行われた講演会(写真:日本国際飢餓対策機構提供)

またこの日は、サプライズとして、常総市の高杉徹市長と、同市出身でいばらき大使も務める女優の羽田美智子さんも参加した。午前には、県内外から参加した他のボランティアと一緒に畑の清掃活動に参加し、もともと麦や大豆が作られていた畑に、水害により埋め尽くされたガラス片や木片など、重機では取り除くことができないごみを手作業で一つ一つ取り除いた。午後は2人による対談も行われ、高杉市長は、引きこもりがちになりうつ状態になってしまうお年寄りを気遣い、「元気になってもらえるよう、どんどん外に出る機会を増やしていきたい」と話した。

常総市の被害状況は石巻市と同程度でかなり深刻である。鬼怒川を境に東側の大部分が水害に遭い、被災した家屋の半数以上の修理がいまだ終わっておらず、5千人以上が市外に流出したままだという。復興にさらに多くの時間がかかるのは必至だ。

今回のイベントを企画した「常総復興を支える会」は、復興にはまだほど遠いにもかかわらず、外からのボランティアがどんどん撤退する中、少しでも力になりたいとの思いで、1月に立ち上げた。会長を務める浦和福音自由教会(埼玉県さいたま市)会員の大上仁(おおかみ・ひとし)さんは、常総市にある実家が15センチの床上浸水に遭い、半壊状態と認定された。その時、7回にわたり駆け付けてくれた教会などからのボランティアの活動を目の当たりにしたことがきっかけとなり、ボランティアコーディネーターを始め、その後、同会の設立を思い立った。

常総水害発生から4カ月、復興支援さらに必要 被災地でボランティア説明会
約2時間の作業で軽トラック1台分のゴミが集まった。(写真:日本国際飢餓対策機構提供)

茨城NPOセンター・コモンズは常総市内50カ所でのカフェ・ボランティアを依頼しており、大上さんらも実施を計画している。復興が長引けば、深刻になってくるのは被災者の心のケアの問題だ。そのために、被災者が悩みを抱え込まず、気持ちを吐き出し、聞いてもらえる場所として気軽に立ち寄れるカフェが役に立つと、大上さんは考えている。だが、そこに訪れる人たちの話を傾聴するボランティアの数は、まだまだ不足している。大上さんは「これまでも近隣教会から多くの助け手が与えられたが、今後、これまで以上の祈りと支援が必要」だと話し、田畑の清掃ボランティアとともに、傾聴ボランティアを増やす取り組みを進めている。

次回は2月13日(土)にボランティアの説明会を兼ねたイベントを企画している。詳細は随時、「常総復興を支える会」のフェイスブック専用ページで案内する予定。

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