イスラム教過激派による襲撃により、これまでにキリスト教徒8000人以上が避難を強いられているイラク北部最大の都市モスルでの迫害について、キリスト教指導者19人とイスラム教指導者17人が共同で、キリスト教徒に対する迫害を非難する内容の声明を発表した。
声明は、英国国教会(聖公会)の霊的最高指導者であるローワン・ウィリアムズ・カンタベリー大主教がロンドンのランベス・パレスで15日開催した宗教間会議で発表されたもので、「最近イラクで起きているキリスト教徒に対する暴力に関して、イスラム教は攻撃を正当化しない」と今回の攻撃を非難した。
会議にはウィリアムズ大主教のほか、エジプトのイスラム教スンニ派大マフティ(最高指導者)であるアリ・ゴマ氏、シリア正教会のグレゴリオス・ヨハンナ・イブラヒム首都大主教、北米イスラム社会代表で、米ハートフォード神学校でイスラム研究を専門にするイングリッド・マトソン博士、英ケンブリッジ大学のデヴィッド・フォード博士(宗教学)らが参加した。
声明では問題の深刻さについて言及しており、避難民が早く帰還し、安定した環境を全てのイラク市民が享受できるよう、政治指導者、地域指導者があらゆる対応をすべきだと呼びかけた。