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英セントポール大聖堂、「反格差デモ」に苦慮

2011年11月9日09時43分
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 【CJC=東京】1710年に完成、1981年にチャールズ皇太子と故ダイアナ元妃が挙式。毎年200万人近い信者や観光客が訪れるロンドン屈指の観光名所でもある英国国教会セントポール大聖堂が「反格差デモ」に苦慮している。金融街シティーのしかもその中心である証券取引所に隣接しており、デモ隊が占拠するのに絶好な広場を前にしているからだ。

 デモ参加者は10月中旬に広場を占拠、今も約200のテントが並ぶ。炊事所や救護所、図書室のテントまであり、デモ参加者の勉強会や子供たち向けのイベントも開かれている。

 大聖堂側はテントで使われる火気や衛生の悪化などを心配し10月21日、第2次大戦後初めて大聖堂の一般見学入場を一時中止した。

 グレイム・ノウェルズ主任司祭は記者会見し、閉鎖の決断は「現代では例がない」と語った。第2次世界大戦中のロンドン空襲で建物の閉鎖を余儀なくされたのが最後だったという。同司祭は「多くのストーブや焚火、様々な種類の燃料が周囲に置かれ、消防上の危険があることは明らかだ」とし、「公衆衛生の面については言うまでもない」と続けた。

 ノウェルズ司祭はデモ参加者に宛てた公開書簡で、英国国教会は「平等と金融の誠実性を求める人々に共感する」と記す一方、キャンプが大聖堂の日常業務に支障を来していると指摘、穏やかに退去するよう求めた。28日からドームとギャラリー部分を除き入場見学を再開した。

 弱者への連帯か、信者の安全か。テント村が「来訪者の安全を損なう」として排除論が持ち上がるなか、「社会正義を求めるのが教会の使命」とキャノン・ジャイルズ・フレイザーなど聖職者が相次いで辞める騒ぎになった。ノウェルズ主任司祭も31日辞任した。

 カンタベリー大主教ローワン・ウイリアムズ氏まで事態に介入、デモ隊の声は取り上げられるべきだ、と主張している。

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