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ワールドミッションレポート

ワールドミッションレポート(7月8日):モザンビーク 廃材の礼拝堂と木の枝の十字架─難民キャンプで燃え続ける希望の火

2026年7月8日21時43分 執筆者 : 石野博
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関連タグ:モザンビーク
ワールドミッションレポート(7月8日):モザンビーク 廃材の礼拝堂と木の枝の十字架─難民キャンプで燃え続ける希望の火+
モザンビーク北部のカボデルガド州とナンプラ州を結ぶ道路橋(写真:F Mira / CC BY-SA 2.0)

モザンビーク北部にカボデルガド州がある。豊かな天然資源に恵まれたこの地は、2017年以降、イスラム過激派による残虐な暴力にのみ込まれ、血塗られた地域へと変貌してしまった。村々は焼き払われ、容赦ない斬首による殺りくが繰り返され、実に100万人近い人々が全てを失って難民(国内避難民)となった。

現在も続くこの人道危機の中で、生存者たちが身を寄せるのが過密な難民キャンプだ。しかし、この暴力が支配する絶望的な状況において、さらに力強く、決して消えることのない「希望の火」が燃え続けている。

ある難民キャンプの片隅には「聖アントニオ礼拝堂」と呼ばれる小さなチャペルが建っている。それは荘厳な石造りの大聖堂とは全くかけ離れたチャペルだ。周囲の茂みで拾い集めた自然の繊維、そして使い古されたボロボロのズタ袋を再利用して作られた、今にも吹き飛ばされそうな仮設の小屋である。

そして、礼拝堂に掲げられている十字架は、二本の粗末な木の枝を麻ひもで縛り付けただけのものだ。しかし、目の前で家族が殺されるのを目撃し、言葉を絶するトラウマを抱えた何百もの家族にとって、この「廃材の礼拝堂」こそが、狂気の世界から彼らを守り、心をつなぎ止める最も強固な霊的・心理的アンカー(錨)となっている。

この極限状態の中で、傷ついた人々に寄り添い続けているのは、アデリト・ベンジャミン・モンテイロのような地元の信徒指導者(カテキスト)たちである。彼ら自身も全てを失った難民でありながら、恐怖で眠れない子どもたちや、残虐な記憶のフラッシュバックに苦しむ大人たちの傍らに座り、心を注いで祈りをささげている。

この地域の教会は、人員も物資も決定的に不足している。一つの教区で17もの異なるエリアをカバーしなければならず、指導者たちはたった一冊の式文書しかなく、午前と午後で別のキャンプへと使い回してしのいでいる状態だ。司祭や牧師たちの多くも、自分の教会を過激派に破壊されながら、傷ついた信者たちが聖餐を受けることができるようにと、命の危険を冒してキャンプ間を移動し続けている。

カボデルガドの現状は、決して華々しい「勝利の物語」ではない。死の危険は今もすぐそこにある。失った家族や故郷が戻ってくるわけではない。しかし、恐怖が全ての共同体生活を沈黙させようとしたこの地で、信者たちは決して互いを見捨てることなく、泥臭く、しかし途切れることのない賛美の声を上げ続けている。

聖書は言う。

しかし主は、「わたしの恵みはあなたに十分である。わたしの力は弱さのうちに完全に現れるからである」と言われました。ですから私は、キリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。(Ⅱコリント12:9)

モザンビークの廃材の礼拝堂は、神の国は決して富や権力の中にあるのではなく、一冊の使い回された本と、木の枝の十字架と、弱く傷ついた者に寄り添うことを選んだ人々の「互いの愛」のただ中にあることを、全世界の教会に力強く知らしめている。

モザンビーク北部の同胞兄姉のために祈ろう。愛する者を暴力に奪われ、深いトラウマを抱えながら難民キャンプに身を寄せる生存者たちに、人間の理解を超えた神の平安、慰めと癒やしが注がれるように。

極度の物資不足の中で、人々に寄り添う指導者たちの上に、聖霊の力と守りが与えられるように。そして、廃材で作られた礼拝堂から立ち上る彼らの祈りと賛美が、この国を覆う暗闇を打ち砕き、平和と和解の朝が速やかに訪れるように祈っていただきたい。

■ モザンビークの宗教人口
プロテスタント 29・9%
カトリック 20・6%
英国教会 0・5%
イスラム 18・6%

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。

※ この記事は、石野博牧師の「ワールドミッションレポート」を、若干の編集を加えた上で転載したものです。
関連タグ:モザンビーク
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