アラビア半島の南東端に位置するのがオマーンだ。美しい海岸線と壮大な砂漠、そして古き良きアラビアの伝統を残すこの国は、絶対君主制(スルタン制)を敷く厳格なイスラム教国である。オープンドアーズの最新の「ワールド・ウォッチ・リスト」においては38位にランクしている。
オマーンにおけるキリスト教の状況は、大きく2つの側面に分かれている。一つは、アジアやアフリカから出稼ぎにやって来た「外国人労働者(移住者)」のキリスト教徒であり、もう一つは、オマーン人で「イスラム教からの改宗者(MBB)」だ。この2つのグループは、それぞれ異なる形での厳しい制限と迫害に直面している。
外国人労働者のキリスト教徒たちに対する政府の態度は、一見すると寛容に見えるかもしれない。彼らは、政府が特別に指定した敷地(コンパウンド)の内部に限って、自分たちの教派の礼拝をささげることが法的に許可されているのだ。
しかし、その「寛容さ」には極めて厳格な条件が伴う。礼拝施設は常に政府の厳しい監視下に置かれており、オマーン人のイスラム教徒に対しての伝道活動は、いかなる形であれ絶対的に禁じられている。
もしイスラム教徒に聖書を渡したり、信仰の証しをしたりしたことが発覚すれば、彼らは即座に逮捕され、国外退去処分となる。さらに、出稼ぎ労働者という立場の弱さから、職場での搾取や不当な扱いに直面しつつ、信仰の故にさらなる差別を受ける者も少なくない。
しかし、オマーンにおいて、はるかに過酷で危険な状況に置かれているのが、オマーン人自身の改宗者(MBB)たちである。同国の法律や社会において、イスラム教から他宗教への改宗は事実上「違法」であり、決して許されることのない裏切り行為と見なされる。部族と家族の名誉を何よりも重んじるオマーン社会において、キリストを選ぶことは、自らのアイデンティティーと社会的基盤の全てを失うことを意味するのだ。
改宗が発覚すると、彼らは激しい迫害に直面する。家族からの暴行や軟禁、精神的な虐待を受けるだけでなく、家からの追放、職の剥奪、親族からの相続権の喪失、子どもに対する親権の剥奪などのリスクにさらされる。そのため、オマーン人の改宗者は、最も親しい家族にさえ、キリストへの信仰を完全に隠さなければならない。
彼らには、集まって礼拝をささげる公式なオマーン人の教会は存在しない。インターネットやSNSも政府によって厳しく検閲・監視されているため、オンライン上で他の信者とつながることすらリスクが高いのだ。多くの改宗者は、「この国でキリストを信じているのは自分一人だけではないか」というほどの深い孤独と恐れの中で、ただ一人、自室で密かに聖書を読み、祈りをささげているのが現状だ。
オマーンのために祈ろう。誰にも信仰を打ち明けられず、深い孤独と恐れの中にいる改宗者たちに、主の臨在と慰めが豊かに注がれるように。インターネットや秘密のネットワークを通じて、彼らが安全に他の信者とつながり、交わりと励ましを得ることができるように。
また、厳しく監視されながらもオマーン社会を支えている外国人キリスト教徒の労働者たちが、その誠実な働きと生き方を通して、職場の人々にキリストの愛と光を放つことができるように。そして、オマーンの指導者たちや社会が変えられ、真の信教の自由とキリストの福音がもたらされるよう、祈っていただきたい。
■ オマーンの宗教人口
イスラム 88・7%
カトリック 1・1%
プロテスタント 0・6%
正教 0・6%
◇

















