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保育の再発見

保育の再発見(3)「失ってはいけないもの」と「自己肯定感」から保育を考える

2023年5月4日16時02分 執筆者 : 千葉敦志
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子ども/children/kids/幼稚園/kindergarten/保育園/nursery+
※ 写真はイメージです。(写真:bluemama)

保育の世界で今一番大切だと言われていること

前回、戦後の75年余りの間に、日本の社会はさまざまなものを失ってきたと話しました。しかし、そうした中にあっても、失ってはいけないものがあると話しました。ここまで考えてみると、それが何なのか、既におぼろげながらに見えてきた人もいるかもしれません。それは、「子どもを中心」にみんなが謙虚になることです。

さて、保育の世界で今一番大切だと言われていることに、「自己肯定感を高める」ことがあります。自己肯定感とは、自分自身の能力、自分自身の存在、そして自分自身の置かれた環境を信じることです。

保育において、子どもの自己肯定感を高める手法としては、下記の4つが推奨されています。

1. 肯定的な言葉をかける

子どもたちがやり遂げたことや成し遂げたことについて、肯定的な言葉をかけることが大切です。例えば、「よく頑張ったね!」「君はとても才能があるね!」「君の考えは素晴らしいね!」など、子どもたちを称賛する言葉をかけましょう。これによって、子どもたちは自分自身を肯定的に見ることができ、自己肯定感が高まります。

2. 失敗を許容する

失敗は成長の機会であり、子どもたちは失敗を通じて学びます。保育者は、子どもたちが失敗した場合にも肯定的な言葉をかけ、次にどのように改善するかを一緒に考えましょう。これによって、子どもたちは自分自身を受け入れ、自己肯定感が高まります。

3. 自己表現を促す

子どもたちが自分自身を表現する機会を作ることが大切です。例えば、絵を描いたり、歌を歌ったり、ダンスを踊ったりすることができるような環境を整えましょう。子どもたちは自分自身を表現することで、自己肯定感を高めることができます。

4. 適切な挑戦を提供する

子どもたちは、自分の能力に見合った適切な挑戦を与えられることで、自信をつけることができます。保育者は、子どもたちの能力を見極め、適切な難易度の課題を提供しましょう。子どもたちは、自分で問題を解決することができたときに、自己肯定感を高めることができます。

大人は絶えず比較をしたがります。しかし、保育(子育て)において、比較はそもそも無意味です。それぞれの子どもは、発達も違えば、生活環境も違います。そして、それぞれの子どもに備えられている才能ももちろん違います。子どもはロボットではありませんから、入力された通りに動くことはありません。しかしだからこそ、「自分で考え、表現し、失敗を乗り越え、自己の存在を受け入れる」ことをしていくのです。

なるほど、と納得すると同時に、ふと疑問に思うことがあります。それは、保育者や保護者の自己肯定感は果たして高いのだろうか、ということです。

自己肯定感を喪失している保育者、保護者たち

先日、自己肯定感を喪失している保育士の話題が、テレビで紹介されていました。押し寄せる仕事に追われ、事あるごとに駄目出しされ、自己肯定感どころか自己嫌悪を抱いてしまっているのです。中には、保育という仕事に対して恐怖心を持っている人さえいます。そういう保育者たちは、面談をすると泣き出してしまいます。

また、保護者にもそういう人が多くいます。「自分は果たして正しい子育てをしているのだろうか」ということにのみ集中し、自己肯定するいとまもない様子の人がいます。特に「障害」を疑われるケースの場合、保護者はパンパンに張り詰めていることが多く、「頑張りましたね」と声がけをするだけで、ワッと泣き崩れる人たちに何人も会ってきました。

子どもの自己肯定感を高めることを求められる保育者や保護者ですが、実際には彼ら自身が、「私は保育(子育て)が下手だ」「バカ親」「自分は何てダメなんだ」と、自己肯定感を低めているのです。こうなってしまえば、保育(子育て)は「日々気の抜けない戦い」となってしまいます。

このように、そもそも自己肯定感を持てていない人が、子どもの自己肯定感を高めるような対応を求められれば、パニックになるのは仕方のないことです。ですから、保育(子育て)に関わる人(保育者、保護者)は、子どもの教育について「第一義的責任」を求められる保護者を中心に、互いに互いの自己肯定感を高める作業をしなければならいのです。

このように書くと、「『互いに認め合いましょう』『褒め合いましょう』なんて、酔っ払いのたわ言みたい」と思う人もいるかもしれません。そこで、そうならないようにするために、保育(子育て)において「何を大切に考えるか」を、保育者と保護者の間ですり合わせることが大切になります。子どもがどのように育ってほしいのかということを、互いに確認し合い、そこから導き出される活動をしていくことを通して、互いに認め合い、自己肯定感を高め合っていくのです。

保育の基本は伴走支援にあり

そのため、保護者に対する伴走支援は、保育(子育て)において「何を大切に考えるか」を考えるきっかけを提示するところから始まります。そして、それを実現するための仕組みを考え、提供していくのです。

児童福祉法で、「保育士とは(中略)専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者」と定められていることは、前回紹介しました。

保育者には、子どもの「保育」だけでなく、保護者に対する「保育に関する指導」も求められているのです。しかし極論すれば、「保育」も「保育に関する指導」も、子どもの教育について「第一義的責任」を保護者が負わされている以上、本質的にそれは、保護者に対する伴走支援にしかなることができません。ですから、保育(子育て)において「何を大切に考えるか」を保護者と共有し、そのために役割分担をすることが、保育の実体なのです。

子どもを中心に全ての人が自己肯定感を高めていく

ここで一つ、聖書の言葉を紹介したいと思います。

そのとき、弟子たちがイエスのところに来て、「いったいだれが、天の国でいちばん偉いのでしょうか」と言った。そこで、イエスは一人の子供を呼び寄せ、彼らの中に立たせて、言われた。「はっきり言っておく。心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。自分を低くして、この子供のようになる人が、天の国でいちばん偉いのだ。わたしの名のためにこのような一人の子供を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。」(新約聖書・マタイによる福音書18章1~5節)

イエスはここで、一人の子どもを、大人である弟子たちのただ中に立たせて、自分を低くしなさいと教えられました。冒頭に申し上げたように、さまざまなものが失われているこの社会にあって「失ってはいけないもの」とは、「子どもを中心」にみんなが謙虚になることです。特に、保育(子育て)においては、この「子どもを中心」にすることが大切です。

また、自己肯定感の観点からいえば、「保育(子育て)とは、一人の子を通してその子を取り囲む全ての人が自己肯定感をその子と共に高めていく行いである」といえます。真ん中には常に子どもがいるのです。

保育の現場には、駆けっこが苦手な子、絵が苦手な子、けんかっ早い子、話が苦手な子、突拍子のない理解をする子、表現が苦手な子など、さまざまな子どもがいます。その中にあって、それぞれの「子どもを中心」に置き、それぞれに合った生き方を提供し、保育者や保護者も子どもたちと共に自己肯定感を高め合っていくことが、保育の現場には求められているのです。(続く)

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※ 本紙では通常「障がい」と表記していますが、本連載では文意などを考慮し、「障害」と表記しています。

◇

千葉敦志

千葉敦志

(ちば・あつし)

1970年、宮城県生まれ。日本基督教団正教師(無任所)。教会付帯の認可保育所の施設長として、保育所の認定こども園化を実施。施設長として通算10年間、病後児保育事業などを立ち上げたほか、発達障害児や身体障害児の受け入れや保育の向上に努め、過疎地域の医療的ケア児童の受け入れや地域の終末期医療を下支えするために、教会での訪問看護ステーション設置などを手がけた。その後、これまでの経験に基づいて保育所等訪問支援事業を行う保育支援センターを立ち上げた。現在、就労支援B型事業所「WakeArena」を立ち上げ、地域の福祉増進を目指している。

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