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チャールズ皇太子、異宗教会議場設置

2006年5月8日08時04分
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【ロンドン】チャールズ皇太子は4日、平和と和解を助長する霊的な探求という、異宗教信者らが共通に持つ課題に取り組むための会議場をロンドンに設置した。


 サウジアラビアからの山羊毛でできたベドゥィンテントが、1993年にIRA爆破テロで壊滅した跡地に建てられた前セイント・エセルバーガ教会に敷かれた。


 チャールズ皇太子は2002年に平和と和解のためのセンターとして再建されたセイント・エセルバーガ教会の除幕式に続き、この新たな会場を公に発表した。


 チャールズ皇太子は、この新会場設置に集まったあらゆる宗教の指導者らに対し、異なる宗教者同士が「神秘の本質を説明する」ためにこのような会場が必要であることを語った(AFP)。


 チャールズ皇太子は異なる宗教をそれぞれがより深く理解することによって、「私たちはおそらく摩擦や暴力、誤解の度合いを軽減することができるでしょう」と述べたという。


 またチャールズ皇太子は多様な信仰を持つ聴衆らに対し、「私たちがすべてを知っていると思って行過ぎた決断をしないように」と訴えた。


 ロンドン司教のリチャード・チャートル牧師は、「ロンドンにおける福音宣教の問題の一部は、異なる宗教を信じる隣人との斬新な関係を築くことにあります。そのようなことを行わない内向的でびくびくした教会は、イエスキリストの力弱い証人であると言えるでしょう。今朝サンエセルバーガ教会にウェールズ皇太子によってこのような新たな会議場所が開かれました。このサンエセルバーガに設置した意図は、すべての人々がすべての異なる人々がかわるがわる主催者になれるように「大きなテント」を張り、すべての異なる宗教の人々がアットホームに感じてもらえるためです」と述べた。


 この会場はユダヤ教、キリスト教、イスラム教の信者らがそれぞれの宗教の共通の課題に立ち向かうため、またトーラー、聖書、コーランを研究することでより広い理解とインスピレーションを得るために設けられた。


 しかしながら、ロンドンの司祭は、異宗教間の活動ではどのみち3つの宗教がどれも妥協することはできないだろうとし、「異宗教間の指導者が直面することで論争は生じていない一方、異宗教間の違いを縮小するための改宗案もまた生じていません。アブラハム以降の歴史を異なる見方で見るこれら3つの宗教の間で、これら3つの宗教が統合し、なにか宇宙的な霊的な真理を語る『第4の宗教』のようなものはありえないというのが私たちすべての共通の確信です」と述べた。


 チャートル牧師に加えてこの会場の設置にはユダヤ教ラビのジョナサン・サックス師、バハ−イ教、仏教、ジャイナ教、ゾロアスター教、ヒンズー教、シーク教、ムスリム教の代表者らが協賛した。


 英ロックバンドU2メンバーのボノ氏も今回の新会場設置に協賛し、このような異宗教の指導者らが集まるテントプロジェクトが、歴史的な対話を開始させる大きな指導力につながり、3つの主要な宗教が共通点を分かち合うことを促進させるだろうと述べた。


 反アパルトヘイト活動家デズモンド・ツツ氏やビル・クリントン前米大統領からもこの新会場設置への支援の声が寄せられた。クリントン前米大統領は、「今日私たちは異なる多様な糸を結びつけて強固な布を作り多人種、多文化、多民族による国際社会を築き上げる予期しない機会を得ました」と述べた。


 クリントン氏は、このような異宗教指導者らが集まる「テント」を「多様性をもつ他者を抱き、違いをそれぞれ尊重し、私たちの夢や価値観を統合するための驚くべき飛躍です」と述べた。

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