Skip to main content
2025年10月30日20時30分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 国際

広義化されすぎた『殉教』

2006年4月5日15時25分
  • ツイート
印刷

 サウジアラビアのアルカイーダ指導者が治安部隊によって殺害された後、彼の支持者らはアルカイーダ指導者を殉教者として称えた。一週間前には、キリスト教組織がアメリカ人平和活動家で人質となりバグダッドで殺害されたクリスチャンに対し同じ言葉を用いた。


 このような『殉教』という言葉を含む声明文からどれだけ西欧諸国がイスラム過激派と奮闘することによって宗教的殉教の意味合いを強めるかがわかる。一部のキリスト教徒は「犠牲」や「英雄」という言葉の含意はイスラム過激派声明から持ち出されたものだとし、互いに相手方の宗教を迫害者として描き出している。


 ロンドンを拠点とする宗教社会傾向を調査するシンクタンク"Ekklesia"の共同理事長ジョナサン・バートレー氏は、「イスラム過激派は自爆テロ実行犯を『殉教者』と呼びます。このことはキリスト教にも反映されています」と述べた。


 キリスト教徒らは逆にイスラム教徒によって殺害された活動家や聖職者に対して『殉教』という言葉を用いる。バートレー氏は、「『殉教』という言葉の使われ方がいくつかのキリスト教団体によってその意味するところが狭義化されています。彼らは『殉教』という言葉の意味を文明の衝突に強く焦点を置いて用いています」と述べた。


 文明衝突は、インターネットによって瞬時に価値観が広まり、より深刻化してきている。


 多くのキリスト教ホームページやブログではイスラム教に対する批判的な意見が含まれており、3月10日に銃殺された死体が発見されたイラクキリスト教平和活動家で人質となっていたトム・フォックス氏の死に対し、『殉教』という言葉を用いている。


 キリスト教平和活動家(CPT)チームはキリスト教徒らにフォックス氏の死をイスラム教に対する反対運動の要素として用いないように訴えた。CPTは声明文で「我々は全ての人々に対し、たとえどんなことをされたとしても他者を軽蔑したり悪魔化したりする傾向を避けるように要求します」と述べたという。


 2月には、イタリアローマカトリック司祭のアンドレア・サントロ司祭がトルコ黒海沿岸の担当教会で祈りをしていたときに銃殺されたことでより広範なイスラム教徒に対する憤りが広まった。この事件の容疑者は16歳の少年で、彼はイスラム教預言者モハンメドの風刺漫画に反対することから、殺意が生まれたという。


  バチカンのトルコ大使官で大司教のアントニオ・ルシベロ氏はサントロ司祭の死を嘆き、「新たな千年を歩むにいたって初の殉教者である」と述べた。


 最近、キリスト教団体は『殉教』という言葉を頻繁に使うようになってきている。2004年度のオランダ映画制作者の殺害や、テロ活動で犠牲となった死者に対し、『殉教』という言葉をあてはめている。


 インターナショナルクリスチャンコンサーンの政策分析家ジェレミー・スーエル氏は、「現在キリスト教徒に対するイスラム教徒の聖戦という考え方が急速に成長しています。この構造が、殉教者と考えられる人の種類を決定付けてしまうのです」と述べた。


 イスラム教では、殉教者にまつわる話は7世紀から存在する。これが20世紀に入って急に過激派の運動と結びつくようになり、この殉教という言葉がパレスチナ軍隊とテロリスト組織にも結びつくようになった。


 冷戦が終わったことで、キリスト-イスラム間の緊張が深刻化し、インドネシアにおけるイスラム-キリスト間の文明衝突、1996年のアルジェリアでの7人のフランス人修道僧のイスラム教軍人による殺害などを含む多くの宗教間の殺害事件が引き起こされた。


 このような事件は常に衝撃的であり、ローマの活動家アンドレア・リッカーディ氏は、キリスト教殉教者の概念がイスラム教過激派に対する仕返しになってはいないかと心配している。


 殉教に関する本を著したこともあるリッカーディ氏は、「イスラムテロリストに仕返しをした人が『殉教者』と呼ばれるにふさわしいでしょうか?そうではありません。キリスト教の殉教者は他者のために死ぬことを求めていません」と述べた。


 バーナード大学でこの問題について研究するエリザベス・カステリ助教授によると、保守派福音キリスト教徒はイスラム教に対する疑念を投げかけるのに『殉教』という言葉を簡単に使いやすいという。


 カステリ助教授は、「問題はイスラム教自爆テロ実行犯が本当に『殉教者』であるか否かということではありません。問題は彼らを殉教者として崇める人々にあるのです。一部のキリスト教徒にとっては、キリスト教徒であると自分自身のアイデンティティを明確化するためにキリスト教徒は迫害されていると述べます。それ故に、時に信仰深いキリスト教徒でない人でも、『殉教者』と呼ばれる危険性さえ生まれてくるのです」と述べた。


 キリスト教の大部分の宗派は「殉教」は原始キリスト教時代に信仰のために殺されたクリスチャンのことを意味するとみなしているが、多くのキリスト教徒がプロテスタントによる宗教改革時やその他の時代においてキリスト教徒らが宗教裁判で苦しんだ事実からより見解が複雑化された。それ故に一部の教会などでは『殉教』という言葉の意味を信仰の故に殺された全てのキリスト教徒の死を意味すると広義にとるようになった。


 今日の宣教団体は通常2億人のキリスト教徒が世界で何らかのかたちの迫害に遭っていると報告している。 


 ローマ枢機卿カミロ・ルイーニ氏は「キリスト教徒の殉教の要素は現在も健在です」と延べた。ローマの司祭サントロ氏の殺害に関して、ルイニ氏はサントロ司祭を早く列聖することを望む意を述べたという。


 しかし、サントロ司祭の殺害事件はまだバチカンにおいて解決されていない。もし、殺害容疑者が精神的に不安定で、犯罪を犯す動機に満ちていたなら、今回の事件でサントロ司祭を列聖することで、列聖という言葉の意味を劣化させることになるからである。 


 イタリアの有力紙"Corriere Della Sera"紙の編集長はイスラムがキリスト教世界を支配しようとしているという見解の強い西欧諸国に毒化された雰囲気の中で、裁判を急速に行うことで判決に不平等性が生じると警告を与えた。


 編集長は、「そのような状況では文明の衝突のわなにはまってしまうことはたやすいことでしょう」と警告している。

  • ツイート

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 花嫁(36)薄明かりの祈り 星野ひかり

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 「2033年までに全ての人に福音を」 世界福音同盟の第14回総会、ソウルで開幕

  • ワールドミッションレポート(10月30日):イエメン 苦難はあれど希望は消えず

  • 「迫害下にある教会のための国際祈祷日」 WEA・JEAが呼びかけ

  • キリストの心と思いが与えられている恵み(6)恐れずに主の導きに従う 加治太郎

  • 神の前に高ぶらないで生きよう 菅野直基

  • 約250校の子どもたち数千人が「主の祈り」を唱和 英イングランド

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 「2033年までに全ての人に福音を」 世界福音同盟の第14回総会、ソウルで開幕

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 約250校の子どもたち数千人が「主の祈り」を唱和 英イングランド

  • 「迫害下にある教会のための国際祈祷日」 WEA・JEAが呼びかけ

  • 日本聖公会首座主教・主教会が「京都事件」の書簡発表 元牧師が性加害、教区が2次加害

  • 神の前に高ぶらないで生きよう 菅野直基

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(14)哲学と聖書(前半) 三谷和司

  • 私たちを生かす主キリストの御業 万代栄嗣

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 米メガチャーチ牧師、当時12歳の少女に性的虐待 罪認め6カ月収監へ

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • 日本キリスト教病院協会第5回総会 人材確保や人材育成などを討議

  • 聖公会保守派、「グローバル・アングリカン・コミュニオン」設立を宣言 決定的な分裂に

  • 英国国教会トップのカンタベリー大主教に初の女性、ムラリー主教の任命を国王が承認

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • イラク人難民のキリスト教徒、フランスでライブ配信中に殺害される

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.