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ささきみつおの「ドント・ウォリー!」 (8)

2007年3月13日08時30分
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 『どんなことにもくよくよするな!』(イーグレープ出版)の著者、佐々木満男弁護士のコラムを連載します。ラジオ大阪で現在放送中の人気番組「ささきみつおのドント・ウォリー!」(放送時間:毎週日曜日朝9:30〜、インターネットhttp://vip-hour.jp/で24時間無料配信中)でこれまでに放送された内容を振り返ります。「ミスター・ドント・ウォリー」こと佐々木弁護士が、ユニークな視点から人生のさまざまな問題解決のヒントを語ります。今日はその第8回目です。



                                     ◇
「確実にヒットを打ちつづけよう」



 あなたは野球が好きですか。最近はサッカーブームでサッカーファンが増えてきましたが、私は野球の方が好きです。野球の方がルールが複雑で、なんとなく人としての生き方の参考になると思うからです。



 「私はホームランは狙いません。とにかくヒットを確実に打つことだけを心掛けています」。アメリカのプロ野球大リーガーで活躍しているイチロー選手はこう言っています。



 もちろん、ホームランをたくさん打てる選手もいます。しかし、そういう選手の数は限られていますよね。なぜなら大きな体格とか強烈な打撃力とか一本気の気質とか、条件がそろわないとホームランをたくさん打つことは難しいからです。でも、ヒットならどんな選手でも打てるのです。



 よく仕事で失敗すると、それをばん回するためにあせって大賭けをしようとする人がいます。ホームランを打って一気にばん回しようとするんですね。ある人が経営に失敗して倒産してしまいました。しばらくビジネスの世界から引っ込んでいましたが、やがて友人たちからお金を借りて、もう一度成功を夢見て会社を立ち上げました。



 「今度こそ成功してみせます。私には儲かるアイデアがいっぱいあるのです。どうか協力してください」。ホームレス寸前だったその人から頼まれた時、彼に立ち直って欲しいという願いから、少しお金を貸しました。



 大きな事務所を借り、彼は何人も社員を雇って大々的に開業しました。「ビジネスを始める時は、リスクが大きいわけですから、もっと小さくスタートした方がいいんじゃないですか。小さなビジネスを確実に育てて、利益が出るようになったら、もっと大きな仕事に挑戦したらいいと思うのですが」と私は彼に忠告しました。しかし、「いや私は長年商売をやってきた人間です。前回はバブル崩壊で連鎖倒産に追い込まれましたが、今度は絶対に大丈夫です。どうせやるなら、初めから大きく打って出て大成功して、これまで私をさげすんできた人たちを見返してやりたいのです」と言って、彼は初めからホームランを打とうとして私の忠告に耳を貸しませんでした。



 3年後、あえなくまた倒産してしまいました。景気よく立ち上げたので、その勢いで当初は仕事が動いていたのですが、調子に乗って彼は高慢になったのですね。そのうち、まじめで堅実な部下と衝突して彼を首にしてしまいました。その結果、その部下を信用して資金を貸していた金融機関からそっぽを向かれて、会社の運営資金が回らなくなってしまったのです。



 ヒットを打てない人は、ホームランを打つこともできないんですね。ヒットを打ちつづけていれば、やがてホームランを打つチャンスがやってくるのです。初めからホームランを打とうとして空振りばかりして失敗していった人たちをたくさん知っています。「ブローカーの蟻地獄」と言いますが、リスクのきわめて高い商売や、時には全く架空の儲け話に飛びついて、毎日むなしく走り回っているブローカーと呼ばれる人たちが大勢います。私もずいぶんブローカーのでかい儲け話を聞かされましたが、いまだにその1つとして実現したことがありません。



 問題を解決する場合も同じです。いろいろなことがからみ合って大きな問題になってしまったのです。ちょうどこんがらがった糸をほぐすように、根気よくすこしずつほぐしていけば、やがては全部がほぐれるのです。でも、一気にほぐそうとして無理すると、もっとこんがらがってほどきにくくなってしまいます。時には、糸が切れて使いものにならなくなってしまいます。



 「確実にヒットを打ちつづけていく」、これが問題解決の秘訣なんですね。



                                     ◇



 佐々木満男(ささき・みつお):国際弁護士。宇宙開発、M&A、特許紛争、独禁法事件などなどさまざまな国際的ビジネスにかかわる法律問題に取り組む。また、顧問会社・顧問団体の役員を兼任する。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL.M)。

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