オープンドアーズによると、最近、北朝鮮で女性たちの洗礼式が秘密裏に執り行われたという。以下は、その興味深い様子だ。(※人物の名前は本名を伏せて変えてある)
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彼女たちは一人また一人と集まってきた。それぞれの人生には、痛みの旅路が伴っていた。
キリストを信じることが違法とされている祖国を持つ者として、洗礼を受けるという美しくも危険な決断をした彼女たちは、賛美し、祈り、静かに涙を流した。あふれる思いが彼女たちのいる場所を包んだのだ。
北朝鮮からの脱出を始めたとき、彼女たちの多くは、後に待ち受ける苦しみを想像していなかった。騙され、人身売買に売られ、中国人男性との結婚を強いられることになるとは思いもよらなかったのだ。しかし同時に、彼女たちがそれにもまして想像していなかったことは、そのような苦難の中でイエス・キリストに出会い、こんなにも人生が劇的に変えられることだった。
この洗礼式は、脱北した北朝鮮女性に聖書の学びや牧会ケア、実際的な支援を提供する継続的なプロジェクトの一環で行われた。
質素な隠れ家の中で、女性たちは、洗礼式に先立つ最後の教えを受けた。「彼女たちは緊張していましたが、決心は少しも揺らぎませんでした」と、洗礼の準備に携わったオープンドアーズの現地奉仕者、レイチェルは語る。「私たちはキッチンで聖餐の準備をし、彼女たちは洗礼の意味を学んでいました。そして皆で礼拝に集まったとき、涙が止まりませんでした」
式の後は、皆で食事とプレゼントを分かち合った。新しく洗礼を受けた姉妹たち一人一人に、十字架とカラフルな韓国の伝統衣装ハンボクが贈られた。
レイチェルはこう語った。「ある女性は『北朝鮮を出てから、ハンボクを着るのはこれが初めてです』と泣きながら教えてくれました」
このような集まりの重みは、言葉に尽くしがたい。彼女たちは北朝鮮で、キリスト教宣教師の恐ろしい話を聞かされて育ってきた。信者が処刑されるのを目にしたり、うわさで聞いたりしたこともあっただろう。それでも彼女たちは、十字架の前に立ち、イエスへの信仰を告白した。神が彼女たちの人生に働かれていることが、そこにははっきりと現れていた。(続く)
■ 北朝鮮の宗教人口
無神論 69・3%
プロテスタント 1・3%
カトリック 0・1%
土着宗教 15・5%
仏教 0・4%
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