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ささきみつおの「ドント・ウォリー!」(29)…自分に挑戦しよう

2007年10月12日10時23分
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佐々木弁護士+
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 『どんなことにもくよくよするな!』(イーグレープ出版)の著者、佐々木満男弁護士のコラムを連載します。ラジオ大阪で現在放送中の人気番組「ささきみつおのドント・ウォリー!」(放送時間:毎週土曜日朝11:45〜、インターネットhttp://vip-hour.jp/で24時間無料配信中)でこれまでに放送された内容を振り返ります。「ミスター・ドント・ウォリー」こと佐々木弁護士が、ユニークな視点から人生のさまざまな問題解決のヒントを語ります。(Amazon:どんなことにもくよくよするな!)




◇



 「私の目標は自分に挑戦することでした」。世界水泳選手権大会で初めての7種目を制覇したアメリカのフェルプス選手のことばです。



 すごいですね。1種目でも優勝するのが大変なのに、一挙に一人で7種目のゴールドメダリストになったのです!しかも、5つの世界新記録を樹立しました。



 フェルプス選手が語ったことばの真の意味は、「本当のあなたはどんなことでもできるのですよ」ということです。あなたの体と心の奥に隠れている「本当のあなた」は、どんなことでもできる最高に美しく輝いている存在なのです。「自分に挑戦する」とは、「内側の本当の自分を外側に現していく」ということなんですね。



 普段は、弱い身体と、「そんなことはとてもできない」という消極的な思いの中に閉じ込められてしまっている「本当の自分」が、競争とか危険という極限状態に追い込まれた時に、一挙に外にでてくるんですね。これをスポーツでは「ゾーン状態」に入ったと言います。芸能や芸術では、「エクスタシー状態」と言うのでしょうか。肉体の限界、心の限界を乗り越えて、本来のあなたが完全に自分自身の支配権を握った瞬間です。



 インドでは、子どもの象を捕えると後足の一本を縄でしばって、クイに結んでおくそうです。初めのうちは、いやがっている子象はクイを抜こう抜こうともがきます。それがどうしてもできないとわかると、次第にもがくことをやめてしまいます。その象は、大人の象になっても、一本足を縄で結ばれただけでおとなしくなってしまい、クイにつながれていないのに動こうとしないそうですね。クイを抜いたり、縄をちぎって遠くへ行ける力を持っているのにです。縄で後足一本を結ばれただけで、クイにもつながれていないのに動こうとしない巨像。あわれですね。



 あなたも同じではないでしょうか。「ボクはなんでもできるんだ!」と、子どもの頃は自由に行動しようとします。でも、「これは危ない」「あれはしてはいけない」「おまえはバカだ」と親や周りの人たちから毎日言われているうちに、「私はこれもできない、あれもできない」と思い込んでしまい、小さな限界の中でしか生きようとしなくなるんですね。



 「これも失敗だ」「あれも失敗だ」と、失敗体験が積み上げられるとますます縮こまってしまうのです。



 問題が起きたときもそうですね。「ああ、またいやな問題が起きてしまった。どうしよう。こんな問題とうてい解決できないよ」「大変だ、大変だ」と、大騒ぎしてしまいませんか。ささいな問題を天地がひっくり返るような重大問題としてとらえていませんか。「弱い犬ほどよくほえる」といいますが、ちょっとした音でもキャンキャン、ワンワン騒ぐ犬がいますね。



 本当のあなたは、巨大な象なのです。足を縄で結ばれたら、縄を引きずって歩けばいいのです。その縄がクイにつながれたら、クイごと引き抜いて歩けばいいのです。クイが引き抜けなければ、縄を引きちぎって歩けばいいのです。巨大な象であるあなたには、すべての障害を克服していくとてつもない力が生まれつき備わっているのです。



 あなたもフェルプス選手のように、自分に挑戦してみましょう。きっと、直面しているどんな問題も、あなたには解決できる力があることを発見できますよ。


◇




 佐々木満男(ささき・みつお):国際弁護士。宇宙開発、M&A、特許紛争、独禁法事件などなどさまざまな国際的ビジネスにかかわる法律問題に取り組む。また、顧問会社・顧問団体の役員を兼任する。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL.M)。









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