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使徒の働き味読・身読の手引き

使徒の働き味読・身読の手引き(64) 宮村武夫牧師

2013年11月30日14時20分 コラムニスト : 宮村武夫
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宮村武夫牧師+

励まし
使徒の働き20章1節~6節

[1]序

今回は、使徒の働きの新しい章20章に入り、1節から6節を味わいます。

1節に、「騒ぎが治まると」とあるように、19章23節から41節に見た、「ただならぬ騒動」(23節)が治まった後、パウロはエルサレムを目指し、さらにローマをも視野に入れ、エペソを後にします。エペソを去るのは、エペソから追放されたからと消極的な理由ではなく、エルサレムやローマを目指す出発です。

1節には、エペソ出発に際し、パウロがなしたことを要約。

パウロは小アジアの西海岸に沿い宣教活動をなしながらマケドニヤに進み、諸教会を訪問し、また新しい地域で開拓伝道を開始しました(ロ-マ15章19節、「また、しるしと不思議をなす力により、さらにまた、御霊の力によって、それを成し遂げてくださいました。その結果、私はエルサレムから始めて、ずっと回ってイルリコに至るまで、キリストの福音をくまなく伝えました」)。

この一年と思われる期間を、ルカは2節に手短に要約しています。3節では、マケドニヤからギリシャへ移り三カ月を過ごしたと伝えています。また4節から6節では、ピリピからトロアスに渡る様子を描いています。

このように1節から6節で、一年以上に及ぶ期間の活発な宣教活動を要約しています。その中で、1節と2節で繰り返している「励まし」に注目したいのです。

[2]「励まし」エペソで、マケドニヤで

(1)エペソで
二年以上に及ぶ福音宣教・牧会伝道に励んだ後、パウロがエペソを去るにあたり、最後の集まりで教え語った事柄を、ルカは「励まし」と要約しています。

「ただならぬ騒動」は一応治まりました。しかしエペソ教会の前途は平坦ではなく、信仰のよき戦いを、「信仰と正しい良心を保ち、勇敢に戦い抜く」(1テモテ1章18節)使命を与えられていました。この戦いに備えるため励ましを受ける必要をパウロは承知していたのです。

初代教会では、共に集い、励まし合うことを重視していました(ヘブル10章24、25節、「また、互いに勧め合って、愛と善行を促すように注意し合おうではありませんか。ある人々のように、いっしょに集まることをやめたりしないで、かえって励まし合い、かの日が近づいているのを見て、ますますそうしようではありませんか」)。

(2)マケドニヤで
マケドニヤにおける一年に及ぶパウロの活動を、「多くの勧めをして兄弟たちを励まし」とルカは要約しています。

後に、パウロは愛する同労者テモテに、「みことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。寛容を尽くし、絶えず教えながら、責め、戒め、また勧めなさい」(2テモテ4章2節)と命じています。この「勧めなさい」と訳されていることばは、使徒の働き20章1節と2節の「励まし」と同じことばです。

[3]「励まし」、コリント第二の手紙を通しても

またパウロがエペソを去り、ギリシャに来るまでの期間に書かれたと推定される、コリント人への第二の手紙には「励まし」について味わい深い事柄が教えられています。

1章4節から6節、7章6節と7節を特に注意したいのです。そこで「慰める」と訳されているのは、使徒の働きで「励まし」と訳されているのと同じことばです。

(1)2コリント1章4節から6節
「神は、どのような苦しみのときにも、私たちを慰めてくださいます。こうして、私たちも、自分自身が神から受ける慰めによって、どのような苦しみの中にいる人をも慰めることができるのです。それは、私たちにキリストの苦難があふれているように、慰めもまたキリストによってあふれているからです。もし私たちが苦しみに会うなら、それはあなたがたの慰めと救いのためです。もし私たちが慰めを受けるなら、それもあなたがたの慰めのためで、その慰めは、私たちが受けている苦難と同じ苦難に耐え抜く力をあなたがたに与えるのです」

(2)2コリント7章6節と7節
「しかし、気落ちした者を慰めてくださる神は、テトスが来たことによって、私たちを慰めてくださいました。ただテトスが来たことばかりでなく、彼があなたがたから受けた慰めによっても、私たちは慰められたのです。あなたがたが私を慕っていること、嘆き悲しんでいること、また私に対して熱意を持っていてくれることを知らされて、私はますます喜びにあふれました」

[4]結び

主なる神は、「わたしは、エジプトにいるわたしの民の悩みを確かに見、追い使う者の前の彼らの叫びを聞いた。わたしは彼らの痛みを知っている」(出エジプト3章7節)と、イスラエルの民の叫びを聞き、エジプトの奴隷状態から解き放ってくださるお方です。「彼らが苦しむときには、いつも主も苦しみ」(イザヤ63章9節)と、民の苦しみ・人間の苦悩をご自身の苦しみとして受け止めて下さったお方です。

主イエスにあって、他の人々や義のために苦しむ中で慰めを受ける苦しみの交わり、励まし・慰めの交わりが広められますように。

参照2コリント13章11節、「終わりに、兄弟たち。喜びなさい。完全な者になりなさい。慰めを受けなさい。一つ心になりなさい。平和を保ちなさい。そうすれば、愛と平和の神はあなたがたとともにいてくださいます」。

◇

宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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