【ニューヨーク=CJC】『ユダヤ教注解付き新約聖書』を英オックスフォード大学出版局が刊行した。新約聖書の主要人物、イエス、マリア、使徒パウロ初め福音書記者は皆ユダヤ人で、ユダヤ文化圏で生きていたという事実から出発した企画。
アメリカのユダヤ人聖書学者エミー=ジル・ルバイン教授(バンダービルト大学)とマーク・スバイ・ブレットラー教授(ブランダイス大学)が編纂したもので、新約聖書を歴史的文化的なコンテキスト(文脈)の中に置いた画期的なものという。
同書は、ヨハネによる福音書と反ユダヤ主義の問題についても正面から取り扱っている。福音書にはユダヤ教に対して敵意を露わにした言及が多数見られるが、それでも「ユダヤ教の伝統に広範囲に依っている」と共編者。
「ヨハネの難解な論法は安易に見逃して良いものではない。記者の自己規定、イエスの追随者をシナゴーグから、またユダヤ人、ユダヤ教からの区別のためだとして理解出来る」と言う。
ENI通信にブレットラー教授は、読者の反応が、教派を超えて、また保守もリベラルも「圧倒的にプラス」で、「驚いたのは、反応が皆熱心なものだったこと」と語っている。
同書を使って超教派の勉強会をしようとの動きが出ており、それに沿って参考書を出版しては、との提言もあるとか。
「ネット書店アマゾンや、ブログなどには、ページを開いてもいない人のコメントが見られる。中にはユダヤ人をキリスト教に改宗させるための秘密作戦だとか、それとは正反対の懸念を示すキリスト者もいる」そうだ。
「これらのコメントは、この本が何かを改善しようとするもの、との懸念や誤解の結果だが、実際に本を開いた人からは、何もそのような反応が聞こえてこないことが非常にうれしい」と言う。
聖書は、新改定標準訳(NRSV)を採用した。
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