昨年6月下旬にシリアに入国したとみられ、その後、行方不明になっているフリージャーナリストの安田純平さん(42)とみられる男性が映った動画が16日、インターネット上に投稿された。動画で男性は、3月16日が自身の誕生日だと伝え、家族についても触れている一方、「I have to say something to my country(私の国に何かを言わなければならない)」などと語っている。
男性は黒っぽいセーターのような服を着て、マフラーをしており、落ち着いた様子を見せながら、英語で「Hello, I am Junpei Yasuda(こんにちは、私はジュンペイ・ヤスダ(安田純平)です)」と語り始める。確認できた動画の長さは約1分7秒の長さで、安田さんとみられる男性は、机の上に置いた紙を見ながら、紙に書かれているとみられる文章を読む形で語っている。
複数の国内メディアの報道によると、安田さんは、国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」に拘束されているとみられている。動画の撮影場所や撮影日時などは不明。
安田さんとみられる男性が語った内容(英語)の抄訳は下記の通り。
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こんにちは。私はジュンペイ・ヤスダ(安田純平)です。そして、今日は私の誕生日、3月16日です。彼ら(安田さんを拘束しているグループか)が、話したいと思うことを話していいと言い、これ(動画)を通して、誰にでもメッセージを送れると言いました。
私の妻、父、母、兄弟、愛しています。いつもあなた(方)のことを考えています。あなた(方)にハグしたいです。あなた(方)と話したいです。でも、もうできません。ただ、お気をつけてと言うしかできません。私の42年の人生はおおむね良いものでした。特にこの8年間はとても楽しかったです。
私の国に何かを言わなければならない。暗い部屋で座り、痛みに苦しんでいるとき、誰もいなく、誰も答えず、誰も反応しない。気が付かれもしない。存在せず、誰も世話をしない。