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教皇フランシスコ、既婚司祭を近く容認か ブラジルの有力神学者が予見

2017年1月9日23時26分 翻訳者 : 山本正浩 印刷
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+教皇フランシスコ、既婚司祭を近く容認か ブラジルの有力神学者が予見
解放の神学者として著名なブラジルのカトリック神学者レオナルド・ボフ氏=2003年3月27日(写真:Agencia Brasil)
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著名なカトリック神学者が最近、ローマ教皇フランシスコが間もなく、カトリック教会における司祭の独身制を緩和し、既婚司祭を容認する可能性があることを明らかにした。

ブラジル出身の有力な解放の神学者であるレオナルド・ボフ氏(79)は、ドイツの日刊紙「ケルナー・シュタット・アンツァイガー(ケルンの指標)」とのインタビュー(ドイツ語)で、結婚するために職位を離れた元司祭らが再び司祭として奉仕できるよう、ブラジルの司教らが教皇フランシスコに請願したことを明かした。

カトリック教会が司祭の独身制に例外をつくることは皆無に近く、結婚のために現職を離れた司祭は現在、世界に数千人もいるとされている。例外として、カトリック教会との一致を保ちつつ、正教会などの典礼を用いている東方典礼カトリック教会では、正教会同様、既婚者が司教になることはできないものの、叙階前に結婚している場合は、既婚のまま司祭となることができる。また、英国では、英国国教会が女性の聖職者を認める決定をした後、カトリックへの転向を希望した英国国教会の既婚司祭らを叙階したこともある。しかし、一般的には独身制が敷かれている。

一方で、カトリック教会は、新しい司祭の世界的な不足や現職司祭の急速な高齢化という大きな危機に直面している。

ボフ氏は、同紙とのインタビューで、既婚の元司祭が再び司牧で用いられる可能性があると述べ、これが現在の司祭不足の改善につながるとの見方を示している。

「これは、ブラジルの司教たちから教皇に向けられた理を断っての請願であるとともに、教皇の友人であるブラジル出身のクラウディオ・フンメス名誉枢機卿に対して特に向けられた請願です」

「私は、教皇がこの請願に応じることを望んでいると聞いています。試験的にブラジルで始めてみたいと」

ブラジルには1億4千万人のカトリック信徒がおり、少なくとも10万人の司祭が必要とされているが、現在はわずか1万8千人しかいないという。

「制度的にいえば、これ(独身制)は災いです。プロテスタント教会やペンテコステ派に忠実な人たちがあふれるほどいて、その人たちが奉仕に用いられているのは当然ことです」と、ボフ氏は言う。

「何千人もの既婚の司祭が職務に戻ることができれば、現状を改善する第一歩になるはずです」

一方、フランシスコ会の元司祭であるボフ氏は、自身は今でも司祭職を実践していると言い、個人的にはこのような変更は不要だという。「私は(今でも)洗礼を授けますし、葬儀も執り行います。司祭のいない教会に行くときは、私がミサを執り行っています」。ボフ氏は、そうすることを批判されたり、禁じられたりしことは一度もないという。

「司教たちは喜んでさえいて、私にこう言います。『信者たちには、聖体拝領を受ける権利がある。だから余計なことは言わないようにしなさい』と。例えば、神学校で私の先生であられたパウロ・エバリスト・アルンス枢機卿が数日前に亡られましたが、彼はとてもオープンでした。ミサの最中に既婚の司祭たちがベンチに座っているのを見て、その司祭たちを祭壇の前に連れて来ました。そして彼らと一緒に聖体拝領を執り行いました。そして、『あなたたちは今でも司祭であり、これからもずっと司祭なのです!」とよく言っていました」

ボフ氏は現在、ブラジルのリオデジャネイロ州立大学で倫理学や宗教哲学、環境学の名誉教授として在職しているが、過去にはカトリック教会の指導層を長年批判していた。1992年には、自身のリベラルな神学的見解がカトリック教会の聖職位階と矛盾することを受け、司祭を辞任している。女性の叙階と司祭の婚姻許可を一貫して支持してきたほか、南米の貧しい人々のために忌憚(きたん)なく語る解放の神学者として知られている。

ボフ氏はインタビューの中で、レイモンド・レオ・バーク枢機卿をはじめとする、カトリック教会の保守的な枢機卿らから批判されている教皇フランシスコを擁護した。ボフ氏はバーク枢機卿のことを、「カトリック教会のドナルド・トランプ」と呼んでいる。

バーク枢機卿ら4人の枢機卿は、教皇フランシスコが昨年9月、離婚・再婚したカトリック信徒に関する声明の中で、「兄弟と姉妹」という関係で生活していなくても、あるいは婚姻解消手続きを行っていなくても、「幾つかのケース」においては聖体拝領を受けることができると述べたことを受け、教皇の教えを質す書簡を送っている。

しかし、米大統領選で勝利したトランプ氏とは違い、バーク枢機卿は現在、教皇庁から蚊帳の外に置かれている状態で、ボフ氏はそのことを神に感謝しているという。

「この方々は、自分たちが教皇を質すべきだと考えているのです。あたかも自分たちの方が教皇よりも権威が上であるかのように。前代未聞でないとしても、これはカトリック教会史上では異常なことです。人は教皇を批判できるし、議論することもできます。私自身、何度もしたことがあります。しかし、教皇が神学的な誤りや間違った教えを広めていると枢機卿たちが公然と責め立てるというのは、行き過ぎだと思います。これは侮辱行為です。教皇を罪に定めてはいけません。それがカトリック教会の教えです」

ボブ氏はまた、2015年の回勅で環境問題に触れ、「環境的回心」を呼び掛けた教皇フランシスコが関心を持っているのは、カトリック教会の聖職位階を維持することではなく、人類の存亡や地球の未来についてだと指摘。「どちらも危機に晒(さら)されており、人類を脅かすこの大きな危機の克服にキリスト教が貢献できるかどうか否かを問わなければなりません」と語った。

※この記事は英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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