統一協会、大物ゴスペル歌手を看板に米NYで大規模イベント 現地で警戒の声

2017年7月13日22時32分 記者 : 内田周作 印刷
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15日に開かれるイベント用のサイト。統一協会の創始者である文鮮明(1920~2012)の妻で統一協会総裁の韓鶴子(ハン・ハクチャ)は、顔写真付きで紹介されているが、統一協会を示す表記はサイトのトップページ内には見当たらない。
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世界平和統一家庭連合(統一協会)が15日、米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで大規模なイベントを計画している。イベントのサイトやチラシでは、大物ゴスペル歌手の出演をうたい、一般参加のクワイアも募っている。現地のキリスト教会にアプローチしているとの情報もあり、警戒する声もあるが、知らずに参加を決め、すでにイベントのリハーサルに参加しているクリスチャンも大勢いるという。一方、統一協会のイベントだと知って出演を取りやめたゴスペル歌手もおり、「私は偽教会のためには絶対に歌いません」と話している。

イベントは「Peace Starts With Me(平和は私と始まる)」と銘打ったもので、メインスピーカーは、統一協会の創始者である文鮮明(1920~2012)の妻で統一協会総裁の韓鶴子(ハン・ハクチャ、74)。イベント用のサイト(英語)には彼女の顔写真と名前が載っているものの、統一協会を示す表示はなく、グラミー賞受賞歌手のヨランダ・アダムスさんとヘゼカイヤ・ウォーカーさんが出演することを紹介している。しかし、米国の統一協会のサイト(英語)には、「真の母(韓鶴子)が7月15日にマディソン・スクエア・ガーデンで語る」とあり、イベントをカウントダウン付きで紹介。開催日は、5年前に文鮮明が亡くなる前、韓国に向かうために米国を出発した日で、「重要な記念日」としている。

本紙が入手したチラシ3枚のうち、2千人のクワイアを募集する内容の2枚は、ヨランダ・アダムスさんとヘゼカイヤ・ウォーカーさんを前面に出したもので、統一協会についての言及はない。別の1枚には、統一協会や系列団体である「米国聖職者指導者会議」の名称が記載され、韓鶴子の顔写真が載っているものの、「Jesus is Lord, Jesus is Love!(イエスは主、イエスは愛!)」と書かれている。統一協会の公式サイトでは、文鮮明と韓鶴子はメシア(救世主)とされており、キリスト教のイベントを装うためにこのような表記をした可能性がある。

ゴスペル歌手のドニー・マクラーキンさんは当初、出演を予定していたが、このイベントが統一協会によるものだと知り、出演を取りやめた。知人から指摘があっても最初は真に受けなかったが、統一協会の記載があるチラシを見て気付いたという。「私は偽教会のためには絶対に歌いません。私はずっとイエスと共に歩んできたので、キリストの福音を裏切ることはありません。イエスだけが神なのですから。私は偽りの宗教のためには絶対に歌いません」と話す。

ニューヨークの日本人クリスチャン・コミュニティーの間でも、イベントについて警戒する動きがある。帰国者クリスチャンのフォローアップなどを行う「JCFN(Japanese Christian Fellowship Network)」のニューヨーク支部や、ゴスペル情報などをニューヨークで発信している「Jaspella Gospel Guide」などは、SNSでイベントが統一協会のものだとして警告している。

ニューヨーク在住で、現地の教会に通う日本人女性は、「統一協会が布教を行うことは自由だと思いますが、自らを偽って布教することは、クリスチャンの皆さんにとっても不愉快でしょうし、ノンクリスチャンの方々からも誤解を受ける可能性があります」と言う。イベントの宣伝は、大手のゴスペル音楽PR会社が請け負っている。米国のゴスペル音楽界に詳しい前述の女性は、「今さら契約を破棄できない事情があるのでしょう」と話す。

クワイアの募集で呼び掛けのあったニューヨーク・ハーレムにある黒人教会「ベテル・ゴスペル・アッセンブリー」は、イベントが統一協会によるものと知り、参加を断った。同教会のカールトン・T・ブラウン主任牧師は、次のように話す。

「私たちの主であり救い主であるイエス・キリストが復活された時から今に至るまで続く課題の1つは、自分はイエス・キリストに従う者だと主張する声が、偽証人によるものなのか、あるいは、私たちの救い主イエス・キリストに本当に従っている小さき者によるものなのかを見極めることです。

聖書、特に使徒言行録20章28~30節では、『邪説を唱えて』イエスに従う者たちを従わせようとする『残忍な狼ども』に警戒するよう教会に勧めています。文鮮明の教えを慎重に調べれば、彼が自分について直接言及していることは神の言葉に反しており、イエス・キリストが神の子であるということについても怪しいものがあります。この問題は文鮮明が死んだ後も続いており、彼の信奉者たちは、1954年に統一協会が設立されて以来、その誤った教えを広めるため、千以上の異なった名称の組織を巧みに使ってきました。これらの組織は長年にわたって、多くの教会指導者たちをだますことに成功してきました。彼らは、実際にはカルトと働きを共にしていることに気付かずに、韓国の教会と協力することで、教会の多様性と一致を推し進めていると信じ込んでいたのです。確かに、統一協会の教義は実際、原理的に反キリストです。彼らの目標は、この土曜日にマディソン・スクエア・ガーデンで行われるイベントのように、クリスチャンのワーシップイベントと称することによって彼らの経済的基盤を広げることなのです。

キリスト教コミュニティーのなすべきことは、私たちの天に上げられた救い主が再び来られる時まで、健全な霊的組織や集会に常に入り込もうとする『残忍な狼ども』にだまし取られないようにするため、すべての協力関係を吟味するプロセスの追求によって、注意を怠らないことです。同時に教会指導者たちは、カルトの定義について学ぶべきであり、どのように文鮮明の信奉者の教えが、仲間の信仰者や未信者に信じられるようになったかなどを理解するために、それなりの時間を投資すべきです」

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