「他者のために奉仕を」教皇フランシスコ、映像回線を通じて学生らと対話

2017年12月26日06時46分 記者 : 守田早生里 印刷
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+教皇フランシスコ 上智大で学生らと対話
学生からの呼び掛けに笑顔で応える教皇フランシスコ
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バチカンにいる教皇フランシスコと映像回線を通じて学生が対話する「教皇フランシスコと話そう」(主催:上智大学)が18日、同大四谷キャンパスで行われた。

教皇フランシスコは、初のイエズス会出身の教皇として、2013年に就任した。上智大学もイエズス会を母体とする教育機関というつながりがある。

また、アルゼンチン出身のフランシスコ教皇が当地の神学校の神学院長だった時、同大神学部のホアン・アイダル教授(同大カトリックセンター長)が直接指導を受けていたという縁もある。そこで、アイダル教授が教皇に交渉した結果、今回のイベントが実現したのだ。

教皇と映像回線を通じて対話ができるという日本初の企画に、会場に集まった700人を超える学生は期待に胸を膨らませた。大型スクリーンに教皇の姿が映し出されると、会場から「オー」という大きなどよめきと同時に拍手が起こった。手を振る学生に、笑顔で手を振り返すなど、教皇は気さくな一面を見せた。

冒頭、進行を担当したアイダル教授が、前日の17日が教皇の誕生日だったことに触れると、教皇から「昨日はケーキを食べてお祝いしていただいた」と返事があった。

事前に学生から質問を受け付けたところ、100以上集まったため、その中から8つに絞って本人から教皇へ直接質問をした。

神学部3年の吉田南菜子さんは、今年、洗礼を受けたと自己紹介した上で、「教皇になって一番うれしかったことは何ですか」と質問した。

「まずは、神学をあなたが勉強していることに本当に感心している。女性が神学を学ぶということは、男性が到達することのできない深いところまで行くことができます。おめでとう。教皇になってうれしかったことは1つではない。多くの喜びがあります。その中の1つは、人々に会ってあいさつができることです」

教皇フランシスコ 上智大で学生らと対話
スクリーンに教皇が現れると歓声とともにカメラに向かって多くの学生が手を振った

理工学研究科博士後期課程2年の豊田充さんが、グローバル化が進む世界における大学教育の意義について意見を求めた。

「まずは、危険な状況が何かということを理解しなければなりません。それは、教育現場だけではなく、ビジネス社会にも言えることです。『競争をしなければならない社会』こそ危険が潜んでいるのではないでしょうか。何らかの立場、何らかの位置というのを獲得しようとすることですね。『能力主義』は、そのような形で『あなた』が中心になって上昇を求めることです。しかし、教育というのは、均衡のとれた形で人間が成長すること。頭(知性)の言葉、心(感情)の言葉、手(作業する)の言葉、これら3つの言葉を調和させることが教育。また、もう1つ進んで言うなら、『他者のために奉仕をする』教育でないと失敗に続くということです。自分だけのことを考える教育は非常に危険だと言えます」

ミャンマーからの留学生チョウ・トゥ・アンさんからは、宗教についての質問が出た。

「宗教というのは、創造された『劇』ではないということです。宗教というのは、もともと人間の心が持っているもの。あらゆる宗教は人を成長させます。他者のために奉仕しない人は、宗教的な人とは言えない。ただ単純に何かの見返りを求める人なのでしょう」

そして、ガンジーや、長崎で被爆しながらも救援活動を行ったクリスチャン医師の永井隆博士、多くのユダヤ人を救った杉原千畝(ちうね)を例にあげた。

「これらの人々は、宗教によって成長した人々。宗教は人を、他者に奉仕する人に成長させる。キリスト教の啓示とは、神を信じ、他者のために奉仕するということ」

また、原理主義についても言及し、「これは宗教から離れたもので、社会的・政治的なグループ」とした。

他にも難民問題や環境問題についても幅広く質問が出され、その一つ一つに熱心に答える教皇の姿は人々の心を打った。

最後に、前日の教皇の誕生日を祝って、会場全員でスペイン語による「ハッピーバースデー」を歌うと、教皇は笑顔を見せ、立ち上がって拍手して応えた。

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