Skip to main content
2025年6月26日11時37分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 社会

現代の「生きづらさ」の向かう先は? 池上彰氏らが発題、シンポ「現代の社会と宗教」

2017年8月23日06時16分
  • ツイート
印刷
現代の「生きづらさ」の向かう先は? シンポジウム「現代の社会と宗教1995~2017」開催+

シンポジウム「現代の社会と宗教1995~2017」(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院主催)が16日、同大レクチャーシアター(東京都目黒区)で開催された。パネリストは全員、同院教授である池上彰氏(ジャーナリスト)、弓山達也氏(宗教学者)、中島岳志氏(政治学者)、上田紀行氏(同院院長、文化人類学者)。それぞれの視点から、「宗教」をカギに混迷する現代社会の問題を解明し、議論を交わした。司会は、大正大学客員教授で『宗教と現代がわかる本』編集長の渡邊直樹氏。定員をはるかに上回る650人が集まった。

同院は、理工系の知識を社会へつなぐ知性と人間性を養うため、5年前に開設された。「科学技術という大きな力を手にすることは、人間にとって何がよいことで、どういう時に人間性を失わせるのか、深い洞察力をもって臨まなければならない」と上田氏は話す。そのため、教員を採用する時も「人間精神の深み」について語れる人を迎えているという。また、宗教をテーマにシンポジウムを開いたことについては次のように説明した。

「宗教が日本で大きな力を持ちつつも、その論理が整理されていない。多くの日本人が『宗教を信じていないので、自分は無宗教だ』と言う一方、神と名の付くものを恐れている。政治の世界でも、国会議員の3分の1が神道政治連盟に加入している。このように宗教は、日常生活だけでなく、政治の世界でも大きな力を持っている。この点について東工大から問題提起していきたい」

シンポジウムの中では、特に現代における「生きづらさ」に注目が集まった。

中島氏は、現代の政治における右派的現象の発端を1995年に見る。90年代前半から「生きている実感がわかない(生の浮遊)」といった「生きづらさ」を抱えた日本人が、95年の阪神大震災によって「どうこの生を支えたらいいのか」という宗教的課題に出会った時、突き付けられたのが、同年の地下鉄サリン事件、オウム真理教問題だ。そして、この現実に失望し、言葉を失った先に、代替する物語として出てきたのが、現代の政治における右派的現象ではないかという。

自ら中東を取材した経験を持ち、イスラム教に関する著書も多い池上氏は、この「生きづらさ」について次のように語った。

「イスラム国(IS)に集まる若者たちもそれぞれ『生きづらさ』を感じてやって来ている。キリスト教世界で差別を受け、『自爆テロをすれば天国に行ける』というジハードの教えのもとでは、自爆テロをする時にだけ生の実感が得られると考えているのではないか」

そう述べて、自殺願望のある者をISに送る働きがあることを明かした。

新宗教やカルト問題、スピリチュアリティーに関わる諸分野を研究する弓山氏は、「生きづらさ」は新宗教やカルトを研究する時のキーワードになると話す。人々が宗教に向かう理由は「貧・病・相(人間関係)」というのが以前は一般的だったが、オウム真理教の場合はそれが「むなしい」「意味がない」だったという。

「それらに対する十分な処方がないまま世紀をまたぎ、今はそういった人たちが向かう先がボランティアになっているのではないか」

その現象は、「ボランティア元年」と言われた阪神淡路大震災の時から見られ、当時、「生きづらさ」を覚える人の向かう先はカルトとボランティアに二分化されていた。それが現在では、ボランティアや社会参加をすることで「自分の人生を他人のために使う」というのが、「生きづらさ」を感じる人々の向かう道筋になっているのではないかと指摘する。「それを意味あるものにするためにはまだ課題がある。今後どうしたらいいのか、若者と共に教育者や学校も考えていく必要がある」

上田氏は、宗教を語る上で問題となる超越性にも触れた。

「宗教とは、超越的なものへの信仰だ。毎日同じことを繰り返す中で、『何か超越的な意味がほしい』、『この一瞬のために自分は生きてきた』という思いを誰もが持ちたいと考える。その時に、自爆テロしか方法が残されていない社会にしていいのだろうか。外からの力で超越性を手に入れるのではなく、超越性を作り上げていく意味を徹底的に考える人になってほしい。そのためにも『志』を持つことが大切だ」

また、ダライ・ラマと対談した中で次のことを教えられたという。

「仏教には『悪意の怒り』と『慈悲の怒り』があり、苦しんでいる人があれば、憤って当然。ただ、因果応報の法則から言うと、全く無関係の原因から結果が生じることはないので、なぜテロリストが生まれたのかを考えるとき、そのテロリスト1人を責めるのは仏教的ではない」

池上氏もダライ・ラマを取材した体験を持つ。その時ラマは、チベットの自治を認めようとしない中国共産党に対して慈悲を掛けていたが、そうすることによって心の平安が得られることに気付かされたという。また、ラマのこんな言葉も紹介した。

「苦しみの中にあるチベットではあるが、それによってチベットが世界に開かれた。人々にチベット仏教を伝えていきながら、何とか平和をもたらしたい。よい種をまいていけば、必ずよい花を咲かせられると信じている。自分が生きているうちにその花を見ることはできないかもしれないが、必ずよい花が咲くことを信じて種をまき続ける。この幸せで100パーセント幸福感を得られる」

シンポジウムに参加した40代の女性は、「人間は良心がないと暴走し、他者を傷つけてしまうと思う。本来、宗教は良心を目覚めさせるものであることを、今日の話で確認できた」と感想を語った。

  • ツイート

関連記事

  • 「君の膵臓をたべたい」 現代日本の人間関係、その心の機微を見事に描き出した秀作

  • 訓練された信徒が生きづらい人に寄り添う ステファン・ミニストリー創始者が講演

  • 交わりの貧困に海賊キャプテンが舵を切る! 「登戸こども食堂・海賊キッチン」

  • 教会は「心の病」とどう向き合うか ステファンミニストリー創始者が来日へ

  • こころと魂の健康(53)成熟したパーソナリティーとは何か 渡辺俊彦

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • 日本キリスト教協議会、米軍によるイラン核施設攻撃に抗議

  • ワールドミッションレポート(6月26日):北朝鮮 大胆な一歩、北朝鮮で執り行われた秘密の洗礼式(1)

  • 勝利する人生を歩むために必要な集中力 加治太郎

  • 日本福音同盟、戦後80年で声明 日本の教会が戦時下に犯した罪の歴史と悔い改めを確認

  • オンヌリ教会、礼拝ライブ配信の映像が北朝鮮の国旗に ハッキングか

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(7)人は「単独者」である 三谷和司

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(22)小麦配給の奇跡

  • 神の自由人 穂森幸一

  • シリア語の世界(26)シリア語聖書が作られたエデッサ(ウルファ)と小史 川口一彦

  • 日本キリスト教協議会、米軍によるイラン核施設攻撃に抗議

  • 21世紀の神学(29)プロテスタント教会側から見る「とりなし手」としての聖母マリア 山崎純二

  • 日本福音同盟、戦後80年で声明 日本の教会が戦時下に犯した罪の歴史と悔い改めを確認

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(7)人は「単独者」である 三谷和司

  • オンヌリ教会、礼拝ライブ配信の映像が北朝鮮の国旗に ハッキングか

  • アジア福音同盟、リーダーシップ・フォーラム開催 弟子訓練の重要性を強調

  • リック・ウォレン牧師、カトリックのイベントで講演 宣教による一致を語る

  • 超自然的現象と科学(12)アガペー再考―アガペー以上の大きな愛「ドード」発掘2 愛多妥直喜

  • 人生の目的地 菅野直基

  • 信じる者にはどんなことでもできるのです 万代栄嗣

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • リック・ウォレン牧師、カトリックのイベントで講演 宣教による一致を語る

  • 日本福音同盟、戦後80年で声明 日本の教会が戦時下に犯した罪の歴史と悔い改めを確認

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.