包み込む愛 穂森幸一(68)

2016年12月30日19時02分 コラムニスト : 穂森幸一 印刷
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クリスマスとか正月は、パーティーや贈り物、あるいは家族の団らん、ごちそうなど楽しいイベントをイメージさせますが、どうやって年越しをしようか思案している中小零細業者や一人暮らしの人々にとっては一年で一番厳しいときともいわれます。

この世で一番苦しんでいる人々、貧しい人々、誰からも相手にされない寂しい人々のために、救い主キリストは誕生されました。ベツレヘムの野原で羊飼いたちは寒さに凍えながら、羊の世話をしていました。羊飼いという職業は、当時の社会では最下層だったともいわれます。そこに天使が訪れて来ます。

「さて、この土地に、羊飼いたちが、野宿で夜番をしながら羊の群れを見守っていた。すると、主の使いが彼らのところに来て、主の栄光が回りを照らしたので、彼らはひどく恐れた。御使いは彼らに言った。『恐れることはありません。今、私はこの民全体のためのすばらしい喜びを知らせに来たのです。きょうダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです』」(ルカ2:8~11)

「主の栄光が回りを照らした」という表現がありますが、どのような光だったのか、私は勝手に推測してみました。サーチライトのようにただ眩(まぶ)しいだけの光ではなく、温かく包み込むような光だったのではないかと思います。クリスマスは、神の包み込んでくださる愛を体験するときではないでしょうか。

「主は心の打ち砕かれた者をいやし 彼らの傷を包む」(詩編147:3)

「主がその民の傷を包み、その打たれた傷をいやされる日に、月の光は日の光のようになり、日の光は七倍になって、七つの日の光のようになる」(イザヤ書30:26)

私たちの体に傷があるときは、手当てし、包帯で優しく包み込みます。心に傷があるときは、どんな言葉をかけてもらうより、優しくハグされることで癒やされることがあります。

希望が見いだせず、気持ちが萎えているときに、神の光に包み込まれたらどんなに慰めになりますでしょうか。

先日のNHKのファミリーヒストリーに、脚本家の倉本聰さんが出演しておられました。倉本さんのお父さんは若い頃は柔道家として活躍しますが、病気のために柔道を断念されます。しかし、その苦しみの中で、信仰が与えられ、キリスト信徒になります。

病気から回復され、サラリーマンになりますが、父親の病気のため、父親の会社を引き継ぎます。社会情勢や環境の悪化なども重なり、会社を潰してしまい、借金が残ってしまいます。

「彼は事業家ではなかった。彼は自分の子どもに財産は残せなかった。しかし、知識と知恵という素晴らしい生前分与があったのに、倉本さんは気付いた」というナレーションがありました。私は自分自身を顧みて、子どもたちに何も残す財産がないと思って落ち込んでいたのですが、このナレーションを聞いたときにとても励まされました。

また、別のテレビ番組で、悲惨な生活を送っているというスポーツ選手が紹介されていました。国際大会で栄誉に輝き、オリンピックでメダルをもらうと2年間くらいはテレビに出演したりして、ちやほやされるが、やがて忘れられてしまうという話でした。

その競技のために、全てを投げ打って生きているので、生きる術がなかなか分からないということです。たまに愛好家の方に講演に招いてもらうが、あとはほとんどお金にならないことばかりなので、コンビニのサラダしか食べられないという話でした。

人生は、順調な時だけではありません。山もあれば谷もあります。幸せの絶頂から谷底に突き落とされるような経験をなさっていらっしゃる方もあります。愛する家族を病気のために天に送り、言葉に表現できない寂しさを味わっていらっしゃる方もいます。慰めを求める全ての人に、神の愛の光が届きますようにお祈りします。

「さあ、主に立ち返ろう。主は私たちを引き裂いたが、また、いやし、私たちを打ったが、また、包んでくださるからだ」(ホセア書6:1)

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穂森幸一

穂森幸一(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

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