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中国宣教レポート(2)迫害や収監さえも“福音を伝える好機”と考える人々

2014年5月30日10時00分 執筆者 : 田中啓介 印刷
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+中国宣教レポート(2) 田中啓介牧師「迫害や収監さえも“福音を伝える好機”と考える人々」
都市部で華々しい開発が進む一方、郊外や地方では変わらない街並みが。こうした路地裏に多くの「家の教会」が生まれている。
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中国には政府公認の教会と、未公認の「家の教会」の2種類の教会しかなく、欧米や日本では当たり前になっている教派や教団といったものが存在しません。カトリック系の教会もありますが、ローマ教皇による叙任権の管轄外にあって教皇庁側からは認められていないのです。

河南省だけでおよそ3千万人のクリスチャンがいると言われていますが、少なくともその10人に1人が、前述した「家の教会」のリーダーに教えられた人か、間接的に教えに触れた人と考えられ、単純計算しても彼は300万人のリーダーなのです。

実は20代や10代の若者でも、数千人の信徒リーダーであることは普通です。中国では信徒数を数えることにあまり意味はありません。千人規模で驚かれる日本の教会とはまったく次元が異なる世界です。一言で言うと、中国の教会は「初代教会そのものの姿」なのだと思います。

さびれた路地の奥に地下教会や神学校が開かれている。

中国の「家の教会」、つまり「地下教会」の彼らは、公安にいつ摘発されるかわからないなかで礼拝を続けています。単に人との交流や食事などが目的で来ている人は一人もいませんでした。また、私は彼らから中国政府に対する悪口や恐れに関する話を一言も聞いたことがありません。

家の教会のリーダーたちは歯ブラシとタオルを常時携帯し、いつ収監されてもいいように備えています。年端のいかない神学生たちも、監獄は“最高の神学校”であるという意識を持っています。彼らは迫害や逮捕を正面から受け止めているだけでなく、それさえも“福音を伝える絶好の機会”と考えているのです。

ちなみに、中国のインフラや農村の住環境は、日本人の想像を絶するものです。高速道路沿いの宿でさえ、シャワーのお湯は出ない、ゴミだらけ、ノミも泥棒もいて当然。留置所や刑務所の食事やトイレの状況などは推して知るべしの世界です。

彼らも、教会も、宣教師訓練所もみな、貧しいです。日本ではメッセージをした者が謝儀を受け取るのが普通ですが、中国では私たちが彼らに献金を置いていきます。彼らは私たちに野菜や果物をたくさん持たせようとしてくれますが、それが謝儀の代わりです。中国ではそれが普通のことなのです。

■ 彼らには恐れがなく、迫害には神の助けがある

「家の教会」のリーダーが開いている神学校の学生たちのレベルは驚くほど高く、日本や欧米では諸々の神学論争に発展しているような難しいことを、18歳の女の子がサラリと明確に答えるのを見て、私はとても驚きました。

講義中でも「アーメン!!」の応答の連続で、非常にアクティブで元気いっぱいです。「地下教会」と聞くと、ひっそりと隠れて小声で話し合っているイメージを持つかもしれませんが、彼らが小声で賛美をしているのを聞いたことがありません。確かに彼らには「恐れ」がないのです。「愛」の対極が「恐れ」であることを思い起こさせられます。

若者たちは、わずか9カ月間で4つの獄中書簡をすべて暗記してしまいます。でなければ卒業できないのです。このことは、私たち日本人クリスチャンには信じられないことですが、事実です。彼らは明日にも投獄されるかもしれないことを想定し、聖書がなくても伝道することができるよう訓練を受けているのです。

高速道路のゲート。インフラは進んでいるようでもあるが・・・

激しい迫害に対しては、このような神の力と助けがある。迫害とリバイバルは裏と表。中国の地下教会の姿は、正に初代教会の姿ではないかと思います。中国に限らず、おそらくインドや北朝鮮などの迫害下にある教会は、同じような状況にあるのでしょう。

私が日本での活動において、「聖書の原点に戻れ!」と主張しているのは、このようなリバイバルの現実を見ているからです。日本のリバイバルは、特定の教派や教団からではなく、人間的な壁を越えた、「家の教会」などの現場から起こると私は思っています。

それまで20人程度だった教会に突然、「どうしたらクリスチャンになれるのですか?」という人たちが数百人も来るようになる。それがリバイバルです。今までリバイバルが起きた国ではすべてそうなっています。では、本当にそうなった場合、そういった状況に対応できる教会が、いったい日本にどれくらいあるでしょうか?

リバイバルと謳う教会はあっても、実際にリバイバルの準備をしている教会は、私の知る限りほとんど日本には存在していないのではという印象です。ですから今のうちから、「家の教会」においても、地域教会においても、聖書を人々に正しく伝えることができる人材を一人でも多く育てていく必要があると私は示されています。

私は中国の地下教会のリーダーたちを日本に呼んで、日本の教会でメッセージをしてもらったり、温泉に連れて行ってもてなしてあげたいと心から思います。ですが、それはこの世においては残念ながら不可能です。

中国の貧しい農民がパスポートを手にすることはほとんどありません。パスポートを持てる中国人は、全体からするとかなり裕福な人たちです。なにより中国政府はクリスチャンを反政府主義者としてみなしていて、パスポートを発行しません。彼らは中国国内から出ることができないのです。(続く:なぜ中国でクリスチャンが多いのか?

■ 中国宣教レポート:(1)(2)(3)

※ この宣教レポートは、日米中3カ国の「家の教会」を巡るミッションを続けている「Good News Station」の創設者で巡回伝道師の田中啓介牧師による寄稿レポートです。

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