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温故知神—福音は東方世界へ(63)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本8 川口一彦

2017年1月5日21時58分 コラムニスト : 川口一彦 印刷
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温故知神—福音は東方世界へ(63)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本8 川口一彦

<本文と拓本>32文字(201+32=233)

茫然無得(茫然で得るなく)、煎迫轉焼(煎迫は轉焼し)、積昩亡途(積むもほの暗く途は亡び)、久迷休復(久しく休復に迷う)。於是(ここにおいて)

我三一分身景尊弥施訶戢隠真威同人出代(我が三一の分身、景尊なる弥施訶=メシア=は真威を隠しとどめ人と同じに世に出る)。

<現代訳>

茫然として得るところなく、焼かれるかのような日々、善行を積んでも前途暗く、迷うばかりで立ち返る道を待つしかありませんでした。

このような中、わが三一の分身である景教の尊主・メシアが真の姿を隠して人と同じに世に出られました。

<解説>

分身は子の意味。三一の表記はすでに述べたように、漢字で最初に出たもので、父と聖霊とが唯一でありつつ三位格の存在を伝えています。弥施訶はメシアの当て字で、景教文書に多く出、キリスト表記はありません。それは、景教がアラム語、シリア語を話し書いていたからです。景教経典の『一神論』では弥師訶、『序聴迷詩所經』では迷詩所、迷師訶、弥師訶とも書かれています。

碑文にはイエスの用語は出ず、分身やメシアです。『序聴迷詩所經』では移鼠と書いています。『一神論』では、翳數、客怒(kadisa、シリア語音で聖)と書かれています。

後半はメシアの降誕記事が書かれています。

※ 参考文献
景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)

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川口一彦

川口一彦(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市に生まれる。現在、愛知福音キリスト教会牧師。日本景教研究会代表、国際景教研究会(本部、韓国水原)日本代表。基督教教育学博士。愛知書写書道教育学院院長(21歳で師範取得、同年・中日書道展特選)として書も教えている。書道団体の東海聖句書道会会員、同・以文会監事。各地で景教セミナーや漢字で聖書を解き明かすセミナーを開催。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。最近は聖句書展や拓本展も開催。

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