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葬儀を通して福音を伝える 株式会社 創世 ライフワークス社代表取締役の野田和裕さん 

2016年8月8日11時29分 記者 : 坂本直子 印刷
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+葬儀を通して福音を伝える 株式会社 創世 ライフワークス社(代表取締役)の野田和裕さん
葬儀社というミニストリーで福音を伝えていきたいと話す株式会社 創世 ライフワークス社代表取締役の野田和裕さん
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キリスト教葬儀を通して、イエス・キリストの福音の働きを志す「株式会社 創世 ライフワークス社」。今年で設立10周年という大きな祝福が与えられ、その働きにますます力が増し加えられている。同社の設立者であり社長の野田和裕さん(41)に、クリスチャン経営者としてのこれまでの歩みと、事業にかける思いについて話を聞いた。

福島県出身の野田さんは、祖父の代からのクリスチャンホームに生まれ、キリスト教が当たり前の環境で育った。祖父の故 野田新弼(しんすけ)氏は甲子園大会出場の常連校としても知られる聖光学院高等学校の創立者であり、その一方で、福島県内で幼稚園や保育園、福祉施設などを20カ所以上で事業展開する実業家でもあった。祖父が起こした事業は全てキリスト教を土台にした働きで、幼い時からそれらを見て育ち、「クリスチャンとしてビジネスを展開していくのは大切なことだと思っていた」と話す。

敬虔なクリスチャンであり実業家でもあった祖父の影響は強く、小学校6年生の時には作文に「実業家になりたい」と将来の夢を書いていた。しかし、長い間自分の中で、「信仰」と「ビジネス」を結び付けて考えることができず、将来の進むべき道は宣教なのかビジネスなのか常に迷っていた。

中学卒業後は、自分の進路をもう一度初めから考え直そうと、父親の知り合いで佐賀に住む牧師のところで1年間暮らすことになる。その牧師との出会いによってこれまでの自分の信仰が変えられ、その後、今の自分に一番ふさわしいと思えた親元を離れての佐賀県での高校進学を決めた。

高校時代、生徒会長を務めるなどリーダー的存在として一目置かれていた野田さんだが、その一方で伝道活動も学内で盛んに行い、鞄の中には常に10冊のギデオン聖書を持ち歩くほどだったという。「周りからは『野田はキリシタン』とか言われ、からかわれていました。こちらもキリスト教を知らない生き方は人生を無駄にしているぞと、必死に伝道していました」と熱く伝道に励んだ日々を振り返った。

高校卒業後は、農業系の大学に進学するつもりでいたが、佐賀の牧師に「君は、農業をやるために親元を離れ今日まで勉強してきたわけではないだろう」と言われ、踏みとどまり、「生きていくためには神学をしっかり勉強しておくことが必要」だと考え、東京基督教大学(TCU)神学部神学科に進学することになる。しかし、TCUに入学しても、牧師や伝道師になることにはあまり積極的ではなく、周りが牧師や伝道師を目指す中、自分は学問としての神学を学びたくて大学に入ったという気持ちで4年間を過ごしていた。

TCUで、牧師になる明確な召命もなく、かといって祖父のようにビジネスを展開していく中で、地の塩・世の光となっていこうという確固たる意志も持てなかった野田さんは、もっと違う角度から神学、キリスト教を学んだら面白いのではないかと考え、キリスト教葬儀の会社に石の上にも3年の思いで入社することを決める。「牧師にならないことにある種の劣等感があり、葬儀で教会に関わることによって牧師と関わっていけるなら面白いではないかと考えて決めました」と当時の心境を語った。

3年後、地元福島に戻り、実家の英会話関係の事業を任されるようになるが、業績が上がる一方で「自分の本当にやりたいことはこれではない」という思いが常にあり、イエス・キリストが30歳で伝道を開始したように、自分でも「これで生きていきたい」という仕事を30歳までには見つけなければいけないと考え、何ができるかを真剣に祈り、探し求めたという。そして得られた答えが「葬儀」の仕事だった。「葬儀ならば、牧師とも教会とも関われる。葬儀を通して働くことは福音の働きになると自分の中で見えてきました」と確信し、準備を始めた。

ところが、なかなかうまくいかず、「俺は何をしているのか」と焦り始めた頃に、大阪の友人から神戸で開催される日本基督者実業人会(日本CBMC)主催のビジョンスクールに誘われ、3泊4日で参加することになる。この時、偶然が重なり留守番をするはずだった奥さんと子どもも一緒に行くことになり、ぼろぼろの車で神戸に向かった。ビジョンスクールで、「ビジネスマン宣教師」という言葉を初めて教えてもらい、「ビジネスマンは宣教師であり、牧師と並ぶ位置にある」と言われ、これまで悩んでいた「牧師かビジネスか」の進路から解放され、自分がやるべきことの焦点(フォーカルポイント)がはっきり定まった瞬間を体験した。

さらに、40人ほどのクリスチャン・ビジネスマンたちが野田さんのために祈ってくれ、「こんなにたくさんの仲間がいるんだ」と実感した。さらに、「妻も一緒に行ったことがよかった。共に燃やされた。帰りの車中ではずっと2人で、これからのことについて話し続けました」と急きょ一緒に行ったという予想外のことが逆に大きな恵みとなったことを明かした。奥さんは今でも野田さんの最も重要なビジネスパートナーだ。

そして、2006年、野田さんは31歳の時にライフワークス社を立ち上げた。大阪の5畳のアパートの一室から始めた事業は、10年たった今では、大阪本社の他に、東京支社を設置し、葬儀だけにとどまらず、終活などのセミナーも次々に開催するなど福音のための働きは大きな発展をみせている。

ライフワークス社では、これまで千人以上のクリスチャンおよびその関係者の葬儀に関わってきている。10年という1つの節目に立った野田さんは、「葬儀社というミニストリーによって、死を見つめることが本当の命につながることをさらに広めていきたい」と今後のビジョンを語った。

また、そのためには葬儀の時だけでなく、生前からの関わりこそが大切であるとし、セミナーなど終活に関するイベントにも力を入れていると話す。「葬儀のノウハウよりも、重要なのは、主によって与えられた人生を『生き生き』と生きてもらうことです」と同社が終活を通して目指していることを語った。

さらに「私たちはこの世で自分に与えられた時間が、どれくらい残っているか知ることはできませんが、その終わりを意識することで、今生きていることに喜びを感じ、その時まで『生き生き』と走り抜くことができるのではないか。死を迎える時に『やりきった!』と言える人生を送るために終活は必要だと思っています」と終活に力を入れる理由を語り、「地域の教会も終活をもっと意識してほしい」と述べた。

教会がその地域に根差しコミュニティーの場となっていくことを期待する野田さんは、教会がその建物をもっと利用して、地域と連携して終活セミナーや、終活カフェなどを行ってはどうかなど、アイデアを次々に語った。そのアイデアの源を尋ねると、「ユーモアです」と答えが返ってきた。確かに同社が作成したキリスト教葬儀のための総合ガイドブックなどを見ると至る所に「ユーモア」が見え隠れする。葬儀という悲しみに寄り添う仕事だからこそ、葬儀以外のところでは「ユーモア」を意識し、死を見つめて「生き生き」と生きるライフスタイルは、同社の重要なキーワードとなっている。主なスタッフは野田さんを含め10人。明るく楽しそうな社風がある。

野田さんは、クリスチャンの経営者や起業家を日本にもっと増やしたいと話す。「ビジネスを成功させるにはちょっとしたコツがある。クリスチャン経営者としての信仰の証しだけでなく、売り上げを上げるにはどうしたらいいかとか、人脈の作り方など具体的なビジネスのコツを教え合う機会を今後作っていきたい」と熱い思いを語った。

株式会社 創世 ライフワークス社ホームページ

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