森本春子
-
新創造の力によって(9) 森本春子牧師
―神様。この人たちの救いのために、私はあなたに命をささげました。どうぞ彼らの魂を救い出して下さい―この祈りで始まった山谷伝道の26年間は、一言で言うと「愛の絶叫」の日々でした。
-
新創造の力によって(8) 森本春子牧師
当初「よみがえりの里」の建設地は、都会よりも田畑や山林のある田舎の方がいいと思いました。水も空気もきれいな山里で、鶏や山羊を飼いながら暮らせる施設にしたい。私の夢は広がっていきました。
-
新創造の力によって(7) 森本春子牧師
山谷で伝道を始めて2年目のことでした。早天祈祷会で祈っていた時、目の前にこんな光景が浮かんできました。――生ける屍のような無数の人々が、私の前に丸太のようにゴロゴロ横たわっている。ところが彼らはむくむくと起き出し、よろよろと立ち上がったかと思うと、見る見るうちに背筋をシャンと伸ばして散っていく。――
-
新創造の力によって(6) 森本春子牧師
このようにして、92年から93年にかけてマスコミで大々的に報道されたため、教会やクリスチャン以外の全国の方々からも、毛布、古着、食料品等の献品が続々と送られてくるようになりました。
-
新創造の力によって(5) 森本春子牧師
長い間、山谷伝道のことを知る人は少なく、献品も乏しかったです。私は、冬の最中に野宿している人たちの顔が次々と目の前に浮かんでくる度、居ても立ってもいられませんでした。
-
新創造の力によって(4) 森本春子牧師
山谷の教会は八坪足らずだし、ホームレスの人たちが出入りするから、それこそイエス様のお生まれになった馬小屋のような臭いがしているかも知れません。でも、ここはどんなに狭くても、神の臨在なさる聖堂なのだということを信徒たちにわきまえさせ、けじめを付けさせています。
-
新創造の力によって(3) 森本春子牧師
私たちの人生には、いつか終着駅―死が厳然とやってきます。そして死後、神の前にさばきを受けることになっています。その時、神様は、「あなたは欠点だらけだから、駄目人間だ」と言ってさばくことはなさいません。
-
新創造の力によって(2) 森本春子牧師
ホームレスの人々にとって、夏の酷暑もさることながら、冬の厳しい寒さはそれにも勝って辛いものです。雪のちらつく夜、商店街の軒下に段ボールを敷いて、毛布をまとって寝ようとしても、ガッガッと震えが来てとても眠れるものではないといいます。
-
新創造の力によって(1) 森本春子牧師
ある日、腰痛の男性が、癒やされたい一心で杖をつきつきやって来ました。祈ってあげる前に、私はこう聞くことにしています。
-
信仰と愛が試される時(13)
「音楽と映画の夕べ」には、NHK番組にも出演したセミプロのハーモニカ演奏グループが、事前に「山谷の労働者のために、私たちも無料出演させてください」と申し出ていました。私は根が単純なものですから、すっかりうれしくなってしまい、お願いすることにしました。
-
信仰と愛が試される時(12)
1978年、山谷の人々への伝道のために「映画と音楽の夕べ」を開催しました。映画は「塩狩峠」(原作・三浦綾子)、音楽は香港、台湾から72名編成の青少年合唱団を招きました。近くの小学校講堂を借りることもできました。
-
信仰と愛が試される時(11)
ある時、17名の受洗者を奥多摩の秋川渓谷に連れて行って、洗礼式を行いました。Aさんは、相撲取りみたいな体格をしていましたので、浅瀬では全身を浸せないと思い、深みに連れ出して洗礼を授けようとしました。
-
信仰と愛が試される時(10)
山谷の人たちの学歴は、大卒から旧制尋常小学校中退まで、さまざまです。中には、東大を卒業しており事業に失敗した、という人もいます。
-
信仰と愛が試される時(9)
その翌日、誰か面会に来ているというので玄関に出てみますと、K兄弟が立っています。
-
信仰と愛が試される時(8)
五月の第二日曜日、母の日のことでした。礼拝で、この日の由来を折り込んだメッセージを語っている最中に、ほおに傷を持った凄味の走る顔の男が飛び込んでくるなり、わめき出しました。
-
信仰と愛が試される時(7)
K兄弟は、ガリガリに痩せた口の重い人で、体重は39キロしかないといいます。失業して三年間、野宿を続け、寒さをしのぐため、仲間と連日のように酒盛りをするようになり、アルコール依存症になってしまいました。
-
信仰と愛が試される時(6)
11月の晩のことでした。集会で祈っている途中、入口で、ドタンと何かが倒れるような音がして、皆がざわめき出しました。見ると、背の高い中年の男性が倒れたまま気を失っています。山谷界隈で、通称「松っちゃん」と呼ばれている人でした。
-
信仰と愛が試される時(5)
山谷では、昭和30年代には廃品回収を生業とする通称“バタ屋”の集落が立ち並び、2~3畳間に一家4,5人が住んでいました。「蟻の町のマリア」として話題になった、北原怜子(さとこ)さん等の奉仕活動でも知られます。
-
信仰と愛が試される時(4)
しかし、ようやく寝ようとする頃、食物を求める人や、酔っ払った労働者、キリスト教に反感を抱く労働運動家、刃物を持って脅迫しようとするやくざ等が、入れかわり立ちかわりやってきて叩き起こしました。
-
信仰と愛が試される時(3)
後日、彼は、「あの時は、森本先生いよいよ気が狂ったと思った」と言っていました。もっともです。私は山谷の人たちには「どんな仕事してるの?」とか「故郷はどこ?」とか年齢や名前など聞かないことにしています。
人気記事ランキング
-
ジーザスと私(13)これでは元も子もない 桜井知主夫
-
東京基督教大学、2025年度から「総合神学科」を「神学・国際教養学科」へ
-
ワールドミッションレポート(5月10日):タンザニアのハ族のために祈ろう
-
永遠に残るもののために 安食弘幸
-
自分を愛する 菅野直基
-
聖路加チャプレン性加害事件2次加害訴訟、被害女性が意見陳述 院内集会で牧師らが発題
-
日本のゴスペル界から総勢650人が参加 映画「雨ニモマケズ」、2025年公開
-
スコセッシ監督、イエスの生涯描く新作で「沈黙」主演のガーフィールドを起用か
-
ヨハネ福音書を読む(56)「さあ、ここから出かけよう」―捕らえられる直前のイエス様― 臼田宣弘
-
米国際宗教自由委、アゼルバイジャンを信教の自由「特に懸念のある国」に初の指定勧告
-
クリスチャン詩画作家の星野富弘氏死去 頸髄損傷で体不自由に、口にくわえた筆で創作
-
日本基督教団、聖路加チャプレン性加害事件の被害女性に回答書
-
ピアニストでカトリック信者のフジコ・ヘミングさん死去、92歳
-
日本のゴスペル界から総勢650人が参加 映画「雨ニモマケズ」、2025年公開
-
合同メソジスト教会、同性愛容認へ大きな方向転換 保守派の大量離脱で
-
立教大学と同志社大学が協定締結 「キリスト教教育の多様性と新たな可能性を開く」
-
加藤常昭牧師死去、説教塾を主宰 日本基督教団隠退教師
-
スコセッシ監督、イエスの生涯描く新作で「沈黙」主演のガーフィールドを起用か
-
永遠に残るもののために 安食弘幸
-
ハンガーゼロ、沖縄事務所元職員が1200万円以上を横領 内部調査報告書を発表
-
クリスチャン詩画作家の星野富弘氏死去 頸髄損傷で体不自由に、口にくわえた筆で創作
-
日本基督教団、聖路加チャプレン性加害事件の被害女性に回答書
-
ピアニストでカトリック信者のフジコ・ヘミングさん死去、92歳
-
加藤常昭牧師死去、説教塾を主宰 日本基督教団隠退教師
-
北海道キリスト教書店が2024年度で閉店、店舗営業は10月末まで
-
日本のゴスペル界から総勢650人が参加 映画「雨ニモマケズ」、2025年公開
-
合同メソジスト教会、同性愛容認へ大きな方向転換 保守派の大量離脱で
-
立教大学と同志社大学が協定締結 「キリスト教教育の多様性と新たな可能性を開く」
-
ハンガーゼロ、沖縄事務所元職員が1200万円以上を横領 内部調査報告書を発表
-
第48回日本カトリック映画賞に「ただいま、つなかん」 晴佐久神父「『復活』の映画」