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ルワンダ再考を願い、元国連人権高等弁務官事務所担当が講演

2007年3月6日09時03分
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 国連人権高等弁務官事務所(UNHCHR)のルワンダ現地事務所に94年から96年まで赴任し、「ルワンダ大虐殺」による被害者の支援・救済に携わったトッド・アンソニー・ホーランド氏が3日、東京・品川区にて「ルワンダ再考」をテーマに講演会を行った。講演会はアムネスティ・インターナショナル日本、アフリカ日本協議会が主催。ルワンダ大虐殺や人権問題に関心のある20代の学生らを中心に約70名が参加した。ホーランド氏は、「人権問題を軽視した国連の対応がルワンダ大虐殺を深刻化させる要因となった」と主張し、今後は国連を含め、NGOなどの人道支援団体、そして個人が、人権を尊重した継続的な支援活動を行っていく必要があると参加者らに訴えた。



 ホーランド氏は、ルワンダで大虐殺事件が起こった数ヵ月後の1994年10月に国連人権高等弁務官事務所の視察団の一人として現地へ赴いた。現場に着いたホーランド氏をまず最初に待っていたのは、大量の遺体とその腐臭だった。ホーランド氏によると、虐殺は「ナタ」のような原始的な道具によって極めて恣意的に、かつ残虐的に行われたという。



 ルワンダ大虐殺の背景には同国における長い民族抗争の歴史がある。同国にはツチ族とフツ族という2つの民族があり、互いに支配権を巡って争いを続けてきた。2つの民族の抗争は90年代に入って激化、そして94年4月に大虐殺事件が起こった。虐殺は約3ヶ月間にわたって続けられ、50〜100万人が参加、80〜100万人が犠牲となった。虐殺はフツ族の民兵集団が中心となり、ツチ族が攻撃対象となった。



 問題は、虐殺が人間としての感覚・理性を見失い、暴徒と化したフツ族の住民らによって極めて恣意的に行われたことだ。「歯ぐきの色が薄いとツチ族」、「ほお骨が高いとツチ族」など、科学的な根拠なしに一方的な判断で「ツチ族」と断定され、殺されていった。時にはフツ族であるにも関わらず、「歯ぐきの色が薄い」という理由でツチ族と判断され、殺されたという。人権が完全に無視された虐殺行為に人々は日々恐怖におびえ、唖然とするしかなかったという。



 ホーランド氏によると、国連はルワンダの悲惨な状況を知りながら、実際には何もできなかったという。ホーランド氏はその理由として二つをあげた。一つは国連安保理が人権よりも各国の政治的な利益を追求したこと。そしてもう一つは、国連組織が縦割り構造になっていたため各部門が自分たちの縄張りを守ることを重要視し、人権問題の解決を軽視したことだ。さらにホーランド氏は当時の状況について、国連人権高等弁務官事務所は1993年の終わりごろに設置された新しい部署であったために、「人・物・金」が十分に割り当てられず、現地でまともな支援活動が出来なかったと話す。



 ホーランド氏は崩壊したルワンダを復興するために全力を尽くした。「資金があれば改善できるのに!」と怒りを露にして国連本部に訴え、資金を援助してもらうために現地と本部を何度も行ったり来たりしたという。ホーランド氏は講演で国連に資金がなかったことを何度も強調し、問題の解決には資金を充実させ、人権問題の解決に尽力しているNGO団体などを金銭面で支えることが必要だと訴えた。



 さらにホーランド氏は、問題解決のためには安保理が国連の各部署に根付いている縦割り構造を廃止し、人権を重視した支援活動を遵守する必要があると訴えた。1970年代に人権の尊重を重視する組織が国連内に設置されていれば、ルワンダ大虐殺のような悲劇を招くことはなかったかもしれないとホーランド氏は話す。ホーランド氏は、「人権の尊重が最重要事項であり、第一に優先されるべきことだった」と語った。



 人権を重視した支援活動を行うには多くの課題を乗り越えなければならない。しかし、世界各国は今、人権を尊重する国づくりを目指す傾向にある。ルワンダにおいても、虐殺に関わった住民の死刑実行が制限されるなど、人権の尊重を基本にした新たな政権作りが進んでいるという。国際社会を見ても死刑制度の廃止を目指す国は多く、日本も迅速かつ適切な対応を迫られている。



 一方、「人権問題の解決のために日本は何ができるか」という質問に対し、ホーランド氏は、「日本は国連に多額の資金を提供しているのに、国連組織で活躍している日本人の数は少ない。外務省などに圧力をかけて国連組織にもっと人を送る必要がある。また、日本の企業が人権問題に取り組み、声を発していく必要がある。日本がやれることはたくさんある」と語った。



 アムネスティ・インターナショナル日本の寺中誠事務局長は、「人権問題の解決には市民の活動が大切。人・物・金の面でNGO団体を援助し、現場の活動を支える努力が必要不可欠。」と参加者らに協力を呼びかけた。



 「映画『ホテル・ルワンダ』を見てルワンダ大虐殺の真相を詳しく知りたいと思い、今回の講演会に参加した」と語る参加者の一人(20代・男性)は、「国連の縦割り構造によって支援活動が妨げられたことを今回の講演会で知ることができた。疑問点がはっきりされてよかった。」と話した。そのほか、「国連の失敗がルワンダ大虐殺に関係していたと想像したことはなかった。」(20代・女性)、「この先国連が人権問題にどのように対処していくのかが大切」(20代・男性)などの声があった。

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