29日、イランの福音主義牧師ユセフ・ナダルカニ氏(34)がイラン政府によって処刑される危機に直面しており、世界中のキリスト者へ祈りが求められている。米ワシントンD.C.を拠点とするインターナショナル・クリスチャン・コンサーン(ICC)は28日、緊急の電子メールを送信した。29日、米クリスチャンポストが報じた。
ナダルカニ氏は、イランラシュにある400の堅強な家庭教会運動を進める指導者で、2009年10月にイスラム法による校内で非イスラム教徒もコーランを読まなければいけないという命令に反対したため逮捕された。
同氏はイラン国内において子供たちをコーランに依らず、両親の信仰に基づいて養育することが許されるべきではないかと主張していた。これに伴い、2010年9月、イラン地裁がナダルカニ氏に対し、「キリスト教に改宗および他のイスラム教徒をキリスト教に改宗させようとしている」ことによる絞首刑を宣告した。イラン最高裁も7月に同氏の絞首刑判決を支持し、先週日曜日から同氏の絞首刑について再検討がなされてきた。
28日に同氏はイラン当局からキリスト教の信仰を破棄することを告白するように4度求められたが、4度とも信仰の破棄を宣言することを拒否したという。
同氏は6月に知人あてに書いた手紙の中で、「たとえ死に至るとしてもキリスト教の信仰を放棄することはないと心に決めています。多くの霊的な誘惑を投げかける試みがありますが、忍耐と謙遜をもってこれらの誘惑を乗り越え、勝利を得ることができるでしょう」と述べていた。
CPによると、米キリスト教共同体はイラン政府に対し、同氏の絞首刑を控えるように集約した声を届けようとしているが、イラン政府が実際に絞首刑を行う日が間近に迫るにつれ、米政府内でイラン政府による判決に反対する声が小さくなってきていたという。
米国際宗教の自由委員会は今週、イラン政府に対し、同氏を絞首刑とすることに対し「イランの法律に反しており、国際人権規約にも反している」と非難する声明を送っている。しかし実際に絞首刑を行う日が間近に迫るにつれ、オバマ米大統領およびクリントン米国務長官から同氏の絞首刑に反対する言葉は力強く発せられない状態となっていた。米政府は今月初めにイランを宗教の自由をもっとも濫用している国であると報告していた。
ICCによると、29日に何かとてつもない奇跡が起こらない限り、ナダルカニ氏の絞首刑は決行されることになるという。これに伴い、法と正義のための米センター(ACLJ)では、ナダルカニ氏の絞首刑を差し止めるための署名をオンラインで集めている。ACLJの働きの結果、29日になって米政府は「ユセフ・ナダルカニ氏の処刑を非難します。ナダルカニ氏は自身の熱心な信仰を保つという、全ての人に与えられている権利に基づいて信仰生活を送ってこられただけで、何も法的に罪となることはされていません。イラン当局は同国の国際的な責務を違反し、ナダルカニ氏の信仰を強制的に破棄させようとしています。同氏を処刑することは、イランが宗教の自由を軽視し、全人類が所有すべき基本的人権を継続的に濫用していることを示すことになります。私たちはイラン当局が、ナダルカニ牧師を解放することで、基本的人権を守る国であり、宗教の自由が保たれている国であることを示されることを願っています」との声明文を発表した。ACLJは今後クリントン国務長官にも、イラン当局への直接的な働きかけを行うように継続的に要求していく方針であるという。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
日本福音ルーテル教会、岡正治牧師の性加害受け声明 「自らの罪として重く受け止め」
-
テレビ伝道者ベニー・ヒン氏が「二大後悔」明かす 「繁栄の神学」の間違いを再度認める
-
自分を愛する 菅野直基
-
ジーザスと私(13)これでは元も子もない 桜井知主夫
-
日本のゴスペル界から総勢650人が参加 映画「雨ニモマケズ」、2025年公開
-
ワールドミッションレポート(5月14日):カーボベルデのために祈ろう
-
聖路加チャプレン性加害事件2次加害訴訟、被害女性が意見陳述 院内集会で牧師らが発題
-
篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(174)聖書と考える「くるり~誰が私と恋をした?~」
-
永遠に残るもののために 安食弘幸
-
米国際宗教自由委、アゼルバイジャンを信教の自由「特に懸念のある国」に初の指定勧告
-
テレビ伝道者ベニー・ヒン氏が「二大後悔」明かす 「繁栄の神学」の間違いを再度認める
-
日本福音ルーテル教会、岡正治牧師の性加害受け声明 「自らの罪として重く受け止め」
-
日本のゴスペル界から総勢650人が参加 映画「雨ニモマケズ」、2025年公開
-
聖路加チャプレン性加害事件2次加害訴訟、被害女性が意見陳述 院内集会で牧師らが発題
-
東京基督教大学、2025年度から「総合神学科」を「神学・国際教養学科」へ
-
立教大学と同志社大学が協定締結 「キリスト教教育の多様性と新たな可能性を開く」
-
ジーザスと私(13)これでは元も子もない 桜井知主夫
-
スコセッシ監督、イエスの生涯描く新作で「沈黙」主演のガーフィールドを起用か
-
自分を愛する 菅野直基
-
クリスチャン詩画作家の星野富弘氏死去 頸髄損傷で体不自由に、口にくわえた筆で創作
-
クリスチャン詩画作家の星野富弘氏死去 頸髄損傷で体不自由に、口にくわえた筆で創作
-
日本基督教団、聖路加チャプレン性加害事件の被害女性に回答書
-
ピアニストでカトリック信者のフジコ・ヘミングさん死去、92歳
-
テレビ伝道者ベニー・ヒン氏が「二大後悔」明かす 「繁栄の神学」の間違いを再度認める
-
加藤常昭牧師死去、説教塾を主宰 日本基督教団隠退教師
-
日本のゴスペル界から総勢650人が参加 映画「雨ニモマケズ」、2025年公開
-
北海道キリスト教書店が2024年度で閉店、店舗営業は10月末まで
-
立教大学と同志社大学が協定締結 「キリスト教教育の多様性と新たな可能性を開く」
-
聖路加チャプレン性加害事件2次加害訴訟、被害女性が意見陳述 院内集会で牧師らが発題
-
合同メソジスト教会、同性愛容認へ大きな方向転換 保守派の大量離脱で